ケイトリン・シマーズとジョアオ・チアンカがMEOリップ・カール・プロ・ポルトガルでCT初優勝を飾る

優勝したシマーズとチアンカ© WSL / Poullenot

プライア・デ・スーパーチューボス、ペニシェ、ポルトガル(2023年3月14日火曜日)-ワールド・サーフ・リーグ(WSL)2023チャンピオンシップ・ツアー(CT)の第3戦、MEOリップカールプロ・ポルトガル Presented by Coronaで、CTルーキーのケイトリン・シマーズ (USA) とCT2年目のジョアオ・チアンカ (BRA) がポルトガルのスーパーチューボスで優勝した。

 

今回のポルトガルの結果で、CTランキングは大きく変動。第5戦の西オーストラリア・マーガレット・リバー・プロを経て、ミッドシーズン・カットでフィールドが絞られるまで、残り2イベントとなった。

 

今年は、世界のトップサーファーがCTランキングで2024年パリオリンピックの出場権を狙っていることもあり、その注目度はさらに高まっている。

 

今朝のスーパーチューボスは、やや荒れたコンディションとなったが、徐々に回復し、ハイパフォーマンス・サーフィンやディープでテクニカルなバレルが楽しめる素晴らしい一日となった。午後からは風がオフショアに変わり、スーパーチューボスの波の真のポテンシャルを示す最高のセミとファイナルとなった。

 

ポルトガルの第3戦を終え、オーストラリアのジャック・ロビンソンとモリー・ピックラムはランキング首位をキープし、母国で行われる次の2つのCTイベントに向けてイエロー・リーダージャージを獲得。

 

ジョアオ・チアンカ(BRA)は1つ順位を上げて2位となり、ケイトリン・シマーズ(USA)は今日の優勝で5Xワールドチャンピオンのカリッサ・ムーア(HAW)と同点となり、9位から2位に大きく躍進した。

ケイトリン・シマーズ、CT初優勝。

 

ケイトリン・シマーズ© WSL / Poullenot

 

卓越したパフォーマンスで、カリフォルニアのケイトリン・シマーズ(USA)は、2012年ナイキUSオープン・オブ・サーフィンのレイキー・ピーターソン(USA)以来、女子CTのイベントで優勝した初のルーキーとなった。

 

ケイトリン・シマーズ© WSL / Poullenot

 

MEO リップ・カール・プロ・ポルトガルは、彼女にとってプロサーフィンの最高峰で3回目のイベント。シーズン最初の2つのイベントで9位と5位に入賞した17歳は、ペニシェでキャリア初のCT優勝を果たし、ランキングを2位に上げた。シマーズは、ファイナルではヒート前半厳しい展開を強いられるも、後半に2つのスコアで逆転し、CT初の栄冠を手に入れた。

 

ケイトリン・シマーズ© WSL / Diz

 

「正直言って、本当に信じられないです。」とシマーズが言った。「コートニー(コンローグ)が凄いチューブをメイクして、よしこれで始まるぞと思いました。彼女から少し離れて、ビーチをパドルでアップダウンしながら、逆転できて本当に嬉しかったです。

 

この波は大好きなタイプの波で、私は毎日ビーチブレイクでサーフィンをしています。ポルトガルは本当にクールで、ここにいるみんなに本当に感謝してます。サーフィンに感謝してるし、他に何て言ったらいいかわからないけど、ありがとう!」

 

 

ファイナルでは、コンローグが勢いよくスタートし、狙っていた素晴らしいバレルを見つけ、開始早々9.00という驚異的なライディングを記録した。シマーズはコンビネーションに追い込まれて、そのまま後半戦へ。

 

しかし、戦いを諦めなかったシマーズもグッド・バレルを見つけて7.17をスコア。再び戦いに戻った。そして残り10分を切って、プライオリティーを持たない中で2ターンのコンビネーションを決めて、6.33をスコアして見事逆転に成功。今度はコンローグを追い込んだ。

 

ベテランのコンローグも、ソリッドレフトにテイクオフ。逆転のチャンスを掴んだが、ボトムターンでまさかのワイプアウト。スコアリング・チャンスとプライオリティを失い、結局優勝を逃した。

 

コートニー・コンローグ© WSL / Poullenot

 

コートニー・コンローグ(USA)は、今シーズン最悪のスタートを切ったが、昨年のタヒチ以来となるファイナル進出を果たし、立ち直った。ハワイでのエリミネーション・ラウンドで2敗し、16位となったコンローグは、ミッドシーズン・カットの危機に瀕していた。しかし、今日の準優勝で、ランキングを4つ上げて12位で残り2戦に挑む。

 

 

ジョアオ・チアンカが自身初のCT初優勝、世界ランキング2位へ

 

ジョアオ・チアンカ© WSL / Poullenot

 

ジョアオ・チアンカ(BRA)は、ペニシェで行われた4ラウンド連続で素晴らしいパフォーマンスを披露し、自身初のCT優勝を果たした。サクアレマ出身のジョアオ・チアンカは、一日を通して勢いを増し、セミとファイナルで17点(20点満点)以上のエクセレントなヒートトータルを連発し、タイトルを獲得した。

 

ジョアオ・チアンカ© WSL / Poullenot

 

昨シーズンのチャレンジャーシリーズ(CS)からツアーに復帰したチアンカは、ハワイで2度の3位入賞を果たし、今日の優勝で世界ランキング2位に浮上するなど、飛躍のシーズンを送っている。

 

ジョアオ・チアンカ© WSL / Diz

 

「パドルアウトして5分後には、波の良さと、このすべてが好きだということに気づきました」と、感極まったチアンカは語った。

「パーフェクトなバレル、パーフェクトなビーチブレイクで、このプロセスを楽しもうと自分に言い聞かせたんです、そのためにできることはすべてしてきたんですから。

海の中でこんなことを考えていました。今、(勝利が)手に入らなくても、後で手に入れることができると思っていたのです。

そして、信じられないことに、その時が来たんです。ツアーに参加したときから、初優勝を夢見ていたのですが、ここポルトガルですべてがうまくいったのは信じられないことです。」

 

 

ファイナルは、ロビンソンとチアンカがほぼすべてのセットの波でバレルをメイクし、フォアハンドのバレル合戦となりエキサイティングなスタートを切った。


最初のエクスチェンジでブラジリアンは7.83をマークし、ロビンソンの6.17を上回った。チアンカは、さらに素晴らしいバレルライドで勢いを増し、大きなフィニッシュターンでエクセレントな8.50をマーク。ロビンソンを追い詰めた。

 

そして残り10分、チアンカはレイトドロップからのロングチューブで9.07をスコア。それは不可能なバレルが簡単に見えるほどだった。更に彼はバックハンドで別の驚くべきバレルをメイク。

 

ロビンソンも最後にディープなテクニカルなバレルをメイクして8.97をスコアするもそこまで。チアンカが圧倒的なパフォーマンスでCT初勝利を決めた。

 

ジャック・ロビンソン© WSL / Poullenot
ジャック・ロビンソン© WSL / Diz

 

 

ジャック・ロビンソン(AUS)は、今回の準優勝で現在の世界最高のサーファーとしての地位を固めた。今シーズン、優勝、2位、3位を獲得し、様々なコンディションに対応する彼の能力は、他の追随を許さない。

 

ここ数シーズン、CTで着実に実力をつけてきた彼は、10年前にミック・ファニング(AUS)が獲得して以来のオーストラリアのワールドタイトル獲得に向けて強力なアピールをしている。

 

 

コナー・オレアリーと和井田理央が5位。カノアがミッドシーズン・カットのライン上に。

コナー・オレアリー© WSL / Diz
コナー・オレアリー© WSL / Poullenot

 

今回のイベントではコナーと和井田理央が大健闘。

 

コナー・オレアリーは、ラウンドオブ16のヒート1でカイオ・イベリと対戦。トリッキーなコンディションで両者ともスコアを伸ばせないなか、ヒート後半に入り、コナーがストレートアップのパワフル・バックハンドで5.17をスコア。

 

立て続けにバックハンドで5.47をスコアしたコナーはトータル10.64として、カイオをニード7.04と追い込む。終了間際には優先権を持ってカイオをマーク。駄目押しとなるバレルライドを決め、見事クオーターファイナルへ勝ち進んだ。

 

コナー・オレアリー© WSL / Poullenot

 

クオーターでは、今回優勝したジョア・チアンカと対戦。コナーはレフトの波でディープバレルをメイクするなどリードするも、ヒート終盤に追い上げてきたチアンカに逆転され、惜しくも敗退、それでも今シーズンベストの5位でフィニッシュ。ランキング22位までアップ。

 

和井田理央© WSL / Diz
和井田理央© WSL / Poullenot

 

また和井田理央は、ラウンドオブ16でハワイのバロン・マミヤと対戦し、7.00 を5.20でバックアップして勝利。クオーターではジャック・ロビンソンに敗れるも5位入賞でランキング10位までアップさせた。

 

五十嵐カノア© WSL / Diz

 

一方で心配なのが日本の五十嵐カノアパイプ17位、サンセット9位、そして今回のポルトガル17位と思ったような結果を出せていない。今回の結果でランキングを8位落として、ミッドカット・ラインを下回る24位までランクダウン。

 

ミッドシーズン・カット前の戦いは残り2戦。ベルズとマーガレットリバーのオーストラリア・レッグでの巻き返しに期待したい。頑張れ!カノア!

 

 

次の開催地はリップカールプロ・ベルズビーチ

2023 WSL チャンピオンシップ・ツアーの次の開催地は、リップカールプロ・ベルズビーチとなる。大会のウェイティング期間は4月4日(火)から4月14日(金)まで。

 

MEOリップ・カール・プロ・ポルトガル後の女子チャンピオンシップ・ツアー・ランキング。
1 – モリー・ピックラム(AUS)19,490ポイント
2 – カリッサ・ムーア(HAW) 17,355
2 – ケイトリン・シマーズ(USA) 17,355
4 – タイラー・ライト(AUS) 14,930
5 – タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA) 13,440
5 – ガブリエラ・ブライアン(HAW) 13,440

MEOリップ・カール・プロ・ポルトガル後の男子チャンピオンシップ・ツアー・ランキング。
1 – ジャック・ロビンソン(AUS)23,885ポイント
2 – ジョアオ・チアンカ(BRA) 22,170
3 – フィリッペ・トリード(BRA) 16,075
4 – カイオ・イベリ(BRA) 14,150
5 – グリフィン・コラピント(USA) 13,875

MEOリップ・カール・プロ・ポルトガル女子ファイナル結果。
優勝:ケイトリン・シマーズ(USA)13.50 
2位:コートニー・コンローグ(USA)12.83

MEOリップ・カール・プロ・ポルトガル男子ファイナル結果。
優勝:ジョアン・チアンカ(BRA)17.57
2位:ジャック・ロビンソン(AUS)15.14

女子セミファイナル結果。
HEAT 1:コートニー・コンローグ(USA)12.27 DEF. タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)11.73
HEAT 2:ケイトリン・シマーズ(USA)13.00 DEF. メイシー・キャラハン(AUS)6.04

男子セミファイナル結果。
HEAT 1:ジョアン・チアンカ(BRA)17.10 DEF. カラム・ロブソン(AUS)10.17
HEAT 2:ジャック・ロビンソン(AUS)16.17 DEF. ヤゴ・ドラ(BRA)12.40

女子クオーターファイナル
HEAT 1:タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)7.80 DEF. モリー・ピックラム(AUS)7.40
HEAT 2:コートニ・コンローグ(USA)12.60 DEF. サリー・フィッツギボンズ(AUS)11.83
HEAT 3:メイシー・キャラハン(AUS)9.03 DEF. ヨランダ・ホプキンス(POR)7.94
HEAT 4:ケイトリン・シマーズ(USA)9.93 DEF. ソフィー・マカロック(AUS)8.66

男子クォーターファイナル結果。
HEAT 1:ジョアオ・チアンカ(BRA)13.00 DEF. コナー・オレアリー(AUS)12.27
HEAT 2:カラム・ロブソン(AUS)15.40 DEF. サミュエル・プポ(BRA)14.33
HEAT 3 ジャック・ロビンソン(AUS)13.50 DEF. 和井田理央(INA)5.67
HEAT 4:ヤゴ・ドラ(BRA)11.33 DEF. グリフィン・コラピント(USA)7.47

男子ラウンドオブ16結果
HEAT 1:コナー・オレアリー(AUS)10.90 DEF. カイオ・イベリ(BRA)6.93
HEAT 2:ジョアン・チアンカ(BRA)13.06 DEF. イーサン・ユーイング(AUS)10.17
HEAT 3 カラム・ロブソン(AUS)10.67 DEF. ジョアン・ドゥル(FRA)9.63
HEAT 4:サミュエル・プポ(BRA)8.53 DEF. イアン・ジェンティル(HAW)8.40
HEAT 5:ジャック・ロビンソン(AUS)15.93 DEF. ライアン・カリナン(AUS)12.33
HEAT 6:和井田理央(INA)12.20 DEF. バロン・マミヤ(HAW)7.56
HEAT 7:ヤゴ・ドラ(BRA)14.93 DEF. イタロ・フェレイラ(BRA)14.73
HEAT 8:グリフィン・コラピント(USA)17.00 DEF. ガブリエル・メディーナ(BRA)13.33

 

MEOリップ・カール・プロ・ポルトガル
 

詳しくは、WorldSurfLeague.comをご覧ください。