写真、取材:山本貞彦 JPSAショートボード第2戦「伊豆下田CHAMPION PRO Presented by LesPros entertainment」大会最終日。メイン会場の白浜はヒザモモ。ただ波数は少なく、上げてしまったら厳しいと予想。
よって、多々戸ビーチに移動が決定。こちらはコシハラ、セットはムネでサイズは十分。ただダンパーブレイクなので、キレた波を選ばないと演技すらままならないというコンディションだった。
女子のセミファイナルで松田詩野、都筑有夢路、脇田紗良、宮坂莉乙子という優勝候補の選手が敗退するなか、ディフェンディング・チャンピオンで海外の試合で経験を積む野中美波、3度のJPSAグラチャンの記録を持つ庵原美穂、開幕戦のバリで素晴らしいサーフィンを披露した鈴木姫七、海外の試合で優勝し調子を上げる橋本恋の4名がファイナルに顔をそろえた。
女子のファイナルは、鈴木姫七がベスト2をそろえて、ヒートスコア8.15で前半をリード。 キレとパワーのあるフォアハンドを見せた鈴木は、さらに優先権を保持し、セットのレフトをキャッチ。バックハンドでノートリムの3ビッグターンで6.50をスコア。ヒート終盤にトップのポジションを維持する。
ベテラン庵原美穂もバックハンドでトップスコアを5.35として食い下がり2位をキープ。橋本はエンドセクションでのワイプアウトが続き高得点につなげられない。
セミファイナルでエクセレントを叩き出した野中美波はファイナルでは残り時間5分まで4位と追い込まれた。しかしライトブレイクを掴んで得意のレイバック気味のフォアハンド・ターンのバリエーションを披露。
エクセレントに近い7.50をスコアして2位に浮上する。1位の鈴木は優先権を持ち波を待つ中で、野中にレフトの波を渡してしまう。その波で野中は4.25をスコアして大逆転。野中美波が見事伊豆での2年連続優勝を決めた。
男子のセミファイナルでは、小川幸男、佐藤魁、村上舜、田中樹という選手が敗れる中、自分の生まれ育った海でフルパワーのサーフィンを見せて圧倒的に強さで勝ち上がった大野修聖、カリフォルニアから参戦する小林桂、開幕戦のバリでも3位と好調な辻裕次郎、昨年弟の優司が優勝したイベントで勝利を目指す西修司がファイナル進出。
ファイナルは、辻裕次郎がスタートから素晴らしいウェイブ・セレクションを見せ、フォアハンドで5.50をスコアしてヒートを開始。
そして、多くの応援団がビーチで声援を送る中、地元の大会で2年連続で2位という記録を跳ね除けたい大野修聖がレイバック気味のスラッシュターンで大量のスプレーを上げ7.75のファイナルの最高得点をマーク。チャージを続ける辻裕次郎はバックハンドで6.25をスコアしヒートスコアを11.75として一気にトップへ躍り出る。
レフトハンダーの西修司は4.00をスコア。小林桂は優先権を持ち、じっくりと波を待つ作戦。波を見つけた小林はフォアハンドでエアリバースをメイクして6.00をスコア。その差を少しづつ縮めていく。
バックアップを探す大野はエアリーバースをメイクできずスコアが伸ばせない。残り時間5分に小林は、今度はレフト方向へバックハンドで2発のビッグターンを披露。7.00をスコアしてついに1位のポジションを手にいれる。
ヒートの最高得点を持って逆転に 5.25が必要な大野は、勝ち急いだのかポテンシャルの低い波に手を出してしまう。良い波を掴めば一発逆転もある大野。しかし最後は小林にマークされて万事休す。そのままタイムアップで小林桂が今シーズンJPSA初優勝を決めた。
野中美波
落ち着いて戦った。波のセレクトも良かった。決勝では後半の怒涛の攻めで逆転優勝!これで伊豆大会は2連覇!おめでとう!
小林桂
集中力はハンパない。軽さは否めないながらも、試合ではリップ、エアーなどバリエーションある演技で優勝。おめでとう!
大野修聖
ホーム中のホーム。パワー全開。ここ多々戸ではさらにキレが増す。
地元応援団も半端ない声援。昨年、2位だったので優勝したかったところだが、最後のセットは入らず3位。それでもマーのサーフィンは凄かったです。
辻裕次郎
今大会でチューブになった波は1本。抜けられなかったけど、それを見逃さず攻めるところが裕次郎。開幕戦でも3位の裕次郎は、2戦連続でファイナルに勝ち上がり、ランキングトップに躍り出た。
クイック&パワー。さらに攻め方も玄人好みのライディングをみせた辻裕次郎でした。
鈴木姫七 コンペを理解したか。「自分はできる」という信念。これが選手を強くする。2戦連続で2位。次は優勝だ。
小川幸男
佐藤魁
村上舜
田中樹
松田詩野
都筑有夢路
脇田紗良
宮坂莉乙子
加藤嵐は今回QFで敗退
金メダル!?ボードのデザインは金のレール!銀もあるって(笑)。
男子
優勝:小林桂
2位:辻裕次郎
3位:大野修聖
4位:西修司
女子
優勝:野中美波
2位:鈴木姫七
3位:庵原美穂
4位:橋本恋
「プラム諏訪姫賞」:野中美波(8.00ポイント)
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