7月から開催される「2024 パリ オリンピック」。その代表最終選考の大会となる「2024 ISA World Surfing Games (WSG)」が2月23日から3月3日までの日程でプエルトリコで開催される。
その第一陣となるチーム「波乗りジャパン」の稲葉玲王、都筑有夢路の2人に加え、コーチの大野修聖、田中樹とスタッフを入れて総勢11名が、19日に成田からプエルトリコに向けて出発した。
残りの選手である五十嵐カノア、コナー柄沢オレアリーは、現在、WSLのチャンピオンツアーがハワイで開催中のため、大会終了後に合流。松田詩野、前田マヒナも海外滞在のために、経由地のアメリカから合流となっている。
成田ではNSAの副理事長であり、強化部長の佐藤正麗穂氏、JPSAの強化委員長の牛越峰統氏、監督の宗像富次郎氏も駆けつけ「優勝を目指し、頑張って欲しい」とエールを送った。
また、男女とも3枠獲得を目指すために「男子選手は女子選手のサポートも積極的に行ってほしい」とリクエスト。「日本は強いんだということを、世界にアピールして欲しい」と送り出した。
また、今回、日本から出発する稲葉玲王と都筑有夢路には、オリンピック最終選予選となるプエルトリコ大会への気持ちや目標などを聞く囲み会見も行われた。
日本は強いと世界に見せつけ、次の世代につなげていきたい。稲葉
稲葉玲王
「オリンピックの前哨戦っていう感じで、オリンピックに向けて良い結果を出したいので、メダル目指して頑張りたいです。あとは女子チームのメダル貢献にサポートができたらと思っています。
女子は応援だけでなく、波が大きい可能性とかもあるので、そういう時にアドバイスなど。ポジションを陸から指示したりとか、そういう面でサポートできたらと思っています。
目標はもちろんメダルです。この大会が最終選考になりますから、世界のトップ選手が本気で来ると思うので、そこは良い練習にもなります。個人だけではなく、チームでのメダルも目指して、全体で良い結果でオリンピックへ入れるように頑張りたいです。
やはり、日本は強いと世界に見せつけることができたら、次の世代とかにつながっていくと思うので、そういう意味も含めて全員で頑張りたいです。」
また、その先のパリオリンピックについては、こう答えた。
「もちろん金メダルを目指します。この世界選手権が終わったら、できるだけタヒチの方に足を運んで現地の波に慣れたりとか、そういう調整をやっていきたいです。
5月ごろにチームでの合宿とかも入ると思うんですけど、その前に波に慣れて、サーフボードとかの調整もしないといけないので。そういうのを5、6月までには、終わらせたいと思っています。」
自分らしいサーフィンをして楽しんみながら優勝を目指す。都筑
都筑有夢路
「もちろん優勝を目指していきます。7位以内に入ってというのもありますけど、そこではなくて、優勝を目指して強い気持ちで試合をしたいなと思っています。日本のチーム、メンバーでオリンピックに行けるように、自分らしく楽しく頑張りたいです。」
前回のエルサルバドル大会の反省。このプエルトリコ大会に臨むにあたっては、こう答えた。
「前回、緊張とプレッシャーで自分らしさを失ってしまって、自分の好きな波に乗れなかったり、緊張で体がこわばって、自分の演技ができなかったりしたので、今回は自分らしくできるように、まずは自分のメンタルの調整をしていきたいです。
やはり、東京オリンピックで銅メダルを取ったっていうっていうこともありますし、すごい嬉しいことでもあるんですけど。それがまわりの期待だったり、自分は勝って当たり前だっていうように、自分で自分にプレッシャーをかけて、追い詰めていた部分がありました。
でも、それも良い経験で。その経験があるので、今回は前回の失敗を活かして、どれだけ自分らしくサーフィンをできるかだけにフォーカスして、楽しんでやれたら良いなと思っています。優勝目指して頑張ります。」
この「2024 ISA World Surfing Games (WSG)」の最終選考で各国、男女それぞれ 3名ずつが参戦し、オリンピック代表を目指すことになる。
現在の日本のオリンピック出場獲得枠は下記のとおり。
男子 3枠
1 . 五十嵐カノア (2023 WSL CT枠)
2 . 稲葉玲王 (2023 ISA大会アジア最上位)
3 . 国別男子1名 (2022 ISA WSG国別男子1位)
女子 1枠
1 . 松田詩野 (2023 ISA大会アジア最上位)
今回の「2024 ISA World Surfing Games (WSG)」プエルトリコ大会に出場することで、五十嵐、稲葉、松田の3名はパリオリンピックへの正式な出場権獲得することとなる。
日本の男子3人目の参加選手はコナー柄沢オレアリー。国別男子1名枠に該当することで、実質的にオリンピックに出場する権利は手に入れることにはなるが、NSA 強化部推薦枠となるので、今大会終了後、理事会で正式に決定される。ただし、本人が男子5位以内に入れば、自力での出場枠の獲得となる。
「2024 パリ オリンピック」では、国別の枠は3枠までとなっている。女子は松田の1枠のみなので、あと2枠を今大会で獲得するには下記が条件。
①女子7位以内に入ることで、1枠
②女子の総合優勝(3人の結果を総合して1位)で国別1枠
※ フランスがクオリファイしたので、開催国枠が今大会にまわり、男女1枠ずつ追加になったことで、男子5→6、女子7→8に増加した。2/23追記
女子は都筑有夢路と前田マヒナが7位以内に入ることで1枠獲得。さらに女子の国別1枠は団体優勝なので、3人の結果の総合点の戦いとなる。ここでは1人でも優勝をすることができれば優位となるだろう。
また、女子は7位以内ではあるものの、上位7人の中に、すでにオリンピック出場権獲得済みの選手がいた場合、順次繰り下がっていく。ここも大会を戦っていく上で、重要なポイントにもなる。
この大会には日本と同じようにWSLのCT選手含め、各大陸のチャンピオンなどオリンピック出場枠を獲得している選手が全員参戦と厳しい戦いが予想される。
大会は現地時間の2月23日にオープニングセレモニーが行われ、試合は24日からスタート。現在の日本とプエルトリコとの時差は、13時間です。日本の方が、13時間進んでいます。現地時間の 2024年2月24日7時30分 は、日本時間の 2024年2月24日20時30分です。
日本から熱い声援を送ろう!頑張れ日本!Go ! Namnori Japan!
選手
男子:五十嵐カノア、稲葉玲王、コナー柄沢オレアリー
女子:松田詩野、都筑有夢路、前田マヒナ
スタッフ
監督代行:大石純也
コーチ:大野修聖、田中樹
メディカル:湯澤斎、前原優湖
栄養士:松本恵
映像分析:緒方清、新井庸仁
マネージャー:岡野宣正
大会名:2024 ISA World Surfing Games
主 催 :国際サーフィン連盟(ISA)
期間. :2024年2月23日〜3月3日
場所. :プエルトリコ
https://isasurf.org/event/2024-isa-world-surfing-games/