フランス領ポリネシア、チョープー – 2024年8月5日
本日、キャロライン・マークス(USA)とカウリ・ヴァースト(FRA)、わずか12日違いで生まれた22歳の2人が、2024年パリオリンピックでサーフィン競技が行われるフランス領ポリネシアのチョープーで歴史的な1日を過ごし、サーフィンで2つ目のオリンピック金メダルを獲得した。
素晴らしいファイナルデーになることは予想されていたが、 ヒートごとにサイズアップする素晴らしいスウェルが緊張感を高め、一日を通して盛り上がりを見せた。
書類上では、ISAがオリンピックへの重要な道であることを示す、疑いようのない対戦が行われた。
セミファイナルに進出した4人の男子のうち3人は、ISAワールド・サーフ・ゲームズ(WSG)を通じて2024年パリ大会への出場権を獲得したISAメダリストであり、セミファイナルに進出した4人の女子のうち3人はISAワールド・ジュニア・チャンピオンというISAメダリストだった。
開催国フランスは、サーフィン界初となる2つのメダルを獲得した。
ヴァーストの金メダルに続き、ジョアン・ディフェイが銅メダルを獲得した。ブラジルもタティアナ・ウェストン・ウェブが銀メダル、ガブリエル・メディーナが銅メダルと2つのメダルを獲得した。
キャロライン・マークスは、チームメイトのカリッサ・ムーアが東京2020で獲得した金メダルに続き、USAチームに金メダルをもたらし、オーストラリアのジャック・ロビンソンは、オーウェン・ライトが東京で獲得した銅メダルを上回る銀メダルを獲得した。
世界チャンピオンのキャロライン・マークスがUSAチームに金メダルをもたらした。
キャロライン・マークス(USA)は、ISAワールド・ジュニア・チャンピオン、WSLワールド・チャンピオンに加え、オリンピック・ゴールド・メダルを獲得した。
東京2020オリンピックに出場した最年少のサーファーは、ワールド・サーフ・リーグ(WSL)チャンピオンシップ・ツアー(CT)のクオリファイ、またはCTイベントに出場した史上最年少でもある。22歳の彼女は現在、サーフィンでオリンピック金メダルを獲得した最年少の女性である。
「この気持ちを言葉にするのは本当に難しいですね」と語ったマークス。「まだ実感がわかないというか。おそらく人生でベストデーだから、ただ本当に幸せで、すべてを心に刻もうとしているんです」。
女子のゴールドメダル・マッチはスローな展開だった。タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)がテイクオフで転倒し、マークスはプルアウトした。
マークスがこのヒートを決定づけた波、クリーンなバレルの7.50を見つけるまで、さらに数分が経過した。しかし、彼女は3.00以上のバックアップを取ることが出来なかった。
残り時間2分、マークスはプライオリティーを使い、今日ベストのバレルに迫った。ウェストン-ウェブはソリッドなターンを繰り返しながら、全てを出し切ったが、彼女のスコアは4.50となり、逆転に必要なスコアにわずか0.18届かず、マークスの勝利となった。
「タティが必要とする正確なスコアがよくわからなかった」とマークス。「パドルバックして、次のスコアを狙うことだけに集中していました。スコアがなかなか出なくて、スコアを処理するのに1分かかりました。
私はただ、みんなを見ていたんです『何が起こったんだ?何が起きたの?私たち2人とも、お互いに何を必要としているのかよく分かっていなかったんです。点数が足りなかったと発表されたとたん、私は涙があふれてきて……。人生のすべてがこのような瞬間に集約されるのですから、本当に特別なことです」。
ウェストン-ウェブは、2022年のWSLファイナルズで同じような瞬間を経験し、2位でシーズンを終えているため、シングルターンで大きな目標を逃したのは2度目。その苦い経験からリカバーするのに長い時間を要した28歳だが、銀メダルを獲得した後は元気な姿を見せていた。
「世間は私に2位になってほしいと思っていますよ」とウェストン-ウェブは苦笑い。「でも、1位は最悪、2位は最高って言ったでしょ? 冗談ですよ。大好きな波でサーフィンができるなんて光栄です。特にここ数カ月は、この波で多くの時間を過ごすことができました。本当に幸せでした。
地元タヒチアンのカウリ・ヴァーストが開催国代表として勝利を飾った。
チョープーの近くで育ち、8歳のときに危険な場所として知られるこの場所で初めて波に乗ったカウリ・ヴァースト(FRA)は、まさにこの瞬間のために準備を整えてきたと言っても過言ではない。
22歳の彼は、その生涯を通じて、死をも恐れぬ波で確固たるプロフィールを築き上げ、 大会が始まる数日前には、その年のベストな波にも乗った。
今日求められたのは、彼のビッグウェイブのスキルではなく、リーフの複雑さについての深い知識だった。ヴァーストは、ペルーのアロンソ・コレアとのセミファイナルでは積極的に攻めたものの、ジャック・ロビンソン(AUS)に対しては我慢の試合を展開した。
ゴールド・メダル・マッチでは、ヴァーストはすぐにオーストラリア選手から主導権を奪い、最初の波をキャッチするのに10分近く待った。
リーフの下に伸びる複数のセクションを持つ長く深いバレルで9.50をスコアし、それを素早くバックアップして8.17を記録した。
ロビンソンはヴァーストの最初の波の後、セットの2本目の波に乗り、短いバレルを見つけて7.83をマークした。この3本の波でタヒチアンはロビンソンに10ポイント近い大差をつけた。
「本当に夢が叶いました。」と語ったヴァースト。「今はまだ信じられません。歴史を作りました。自分にとって、すべてのタヒチアンにとって、ポリネシアとフランスのサーフィンにとって。
タヒチとフランスを代表してホームでサーフィンできるなんて、これ以上の誇りはありません。本当にうれしいです。長い1日で、2ヒート、クレイジーなファイナル。ずっとマナがありました。超、超ストーク。」
ロビンソンのファイナルは、僅か1本のシングルウェイブで敗れた。彼自身、セミファイナルでガブリエル・メディーナとのバトルを制している。そのヒートでは、ロビンソンとメディーナは7分間も互いの距離を縮め、時にはパドリングで競り合い、優先順位を決定する鍔迫り合いを繰り広げた。
プロの強豪となった26歳の天才少年は、自分の結果に満足し、自分のキャリアの中でこの瞬間の全体的な意味を認識することができた。
「常に内なるコンペティターは、ひとつでも上に行きたいと思うもです」とロビンソンは語った。「でも、長い道のりを走ってきて、今が一番いい時期なんだということも考えないと。まだまだこれからです」。
メディーナ、ついにメダル獲得へ
ガブリエル・メディーナ(BRA)の顔には、ついにオリンピックのメダルを獲得できたという安堵の表情が浮かんでいた。東京2020オリンピックで4位に入賞したメディーナは、手ぶらでタヒチを去るわけにはいかないと決意していた。
2024年ISA WSG金メダリストと、2016年ISA U/18世界ジュニア銀メダリストのペルーのアロンソ・コレアとの3位決定戦では、何度も激しい攻防が繰り広げられた。
ターニングポイントは、メディーナが長く深いバレルの中で、出る余地のない状態から、命からがら持ちこたえ、ターンで7.50をスコアした時だった。メディーナは、パドルバトルでコレアを抜き去り、2本の7.77をスコアしてヒートトータル15.54で銅メダルを獲得した。
3度のWSLワールド・チャンピオンが期待していた表彰台の頂点に立つパフォーマンスではなかったが、それでもモダン・サーフィンを支配する彼にとって重要な栄誉となった。
「いい気分です」と語ったメディーナ。「メダルを獲ることが目標だったし、今日は2つのチャンスがあったからね。トリッキーな試合だったけど、満足です。全力を出し切れたました」。
惜しくもメダルには届かなかったものの、ペルーのアロンソ・コレアは自分のパフォーマンスに誇りを持ち、この大会から多くのことを学んだようだ。
「自信が鍵です」コレアは言った。「あそこでは自信がすべて。どれだけ自信を持って海に入るかで、本当に自分が変わるんです。僕は自分のサーフィンをプッシュすることができる。もっとうまくなれる気がする。これからもトレーニングを続け、競技を続け、ハードにやっていくつもりです」。
ディフェイはオリンピック銅メダル獲得。
ジョアン・ディフェイ(FRA)の今日の戦略は、明らかにステイビジー。2つのヒートを通して、この30歳のISA WSGメダリストは、対戦相手よりもはるかに多くの波をキャッチした。
セミファイナルでは、キャロライン・マークス(USA)の我慢強い選択が功を奏したが、ブリサ・ヘネシー (CRC)との3位決定戦では、ディフェイのアグレッシブなアプローチにより、彼女はオリンピック初のメダルである銅メダルを獲得した。
ディフェイのヒート戦略はイベントを通して一貫しており、モリー・ピックラム(AUS)、ヴァヒネ・フィエロ (FRA)、カリッサ・ムーア (USA)という、最もタフな3人のライバルに勝利した。このメダルは、レユニオン島出身でCT歴10年のベテラン選手にとって、信じられないほど安定したキャリアを強調するものとなった。
「素晴らしい気分、 安堵感でいっぱいです」。と語ったディフェイ。「テレビで他のスポーツを観戦すると、すべてを見通すことができるんです。一生に一度のチャンスですからね。ストレスと(欲望は)日々高まっていきます。フランスを代表し、メダルを獲得するために今日は私のキャリアの中で最もストレスの多い日だったと思います。」
ヘネシーの4位入賞は、2020年東京大会のクオーターファイナルでの成績を上回るものだった。タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)との準決勝では、序盤に不運なプライオリティ・ミスがあり、風向きが変わってしまったが、ヘネシーは持ち前の楽観主義を貫いた。
「自国とつながり、自分自身とつながり、この場所とつながることができて、素晴らしい経験でした」と語ったヘネシー。「正直言って、人生が変わりました。もちろんメダルを取りたいとは思いますが、この旅で学んだこと、山あり谷あり、ワイプアウトやバレルなど、人生における最大の贈り物です」。
フェルナンド・アギーレISA会長は言った:「計画があり、希望があり、夢があります。私たちはチョープーでのサーフィンを夢見てプラン通りにうまくいくことを願っていました。でも、すべてが計画以上にうまくいったので、とてもとても幸せで、とても満足しています。
ありがとう、タヒチ。ありがとう、パリ2024。ありがとうIOC。チョープーのコミュニティーの皆さん、忘れられない素晴らしい時間を過ごさせてくれて、ありがとうございました。タヒチでのこの数週間を忘れることはないでしょう。タヒチでの2週間は魔法のようで、素晴らしく、一生心に残ることでしょう。メルシーボークー、マウルル”」
パリオリンピック最終結果
サーフィン男子
金メダル: カウリ・ヴァーストFRA
銀メダル:ジャック・ロビンソンAUS
銅メダル: ガブリエル・メディーナBRA
4 位:アロンソ・コレアPER
5位 稲葉玲王JPN
=5 イーサン・ユーイングAUS
=5 ジョアン・ドゥルFRA
=5 ジョアン・チアンカBRA
9位 五十嵐カノア JPN
9位 コナー・オリアリーJPN
=9 アラン・クレランドMEX
=9 フィリッペ・トリードBRA
=9 グリフィン・コラピントUSA
=9 ジョン・ジョン・フローレンスUSA
=9 ジョーディ・スミスRSA
=9 ラムジ・ブキアムMAR
=17 アンディ・クリエール ESP
=17 ビリー・ステアマンドNZL
=17 ブライアン・ペレス ESA
=17 レオナルド・フィオラバンティITA
=17 ルッカ・メシーナスPER
=17マシュー・マクギリブレイ RSA
=17リオ・ワイダ INA
=17 ティム・エルターGER
サーフィン女子
金メダル: キャロライン・マークスUSA
銀メダル:タティアナ・ウェストン=ウェブBRA
銅メダル:ジョアン・ディフェイFRA
4位: ブリサ・ヘネシーCRC
=5 カリッサ・ムーアUSA
=5 ルアナ・シルバBRA
=5 ナディア・エロスターベESP
=5 タイラー・ライトAUS
9位 松田詩野JPN
=9アナト・レリオール ISR
=9 ケイトリン・シマーズUSA
=9 サラ・バウムRSA
=9タイナ・ヒンケル BRA
=9 ヴァフィネ・フィエロFRA
=9 スーチー・ヤンCHN
=9 ヨランダ・ホプキンスPOR
=17 カミラ・ケンプGER
=17 カンデラリア・レサノNCA
=17ジャニレ・ゴンザレス・エチャバリ ESP
=17 モリー・ピックラムAUS
=17 サフィ・ヴェットNZL
=17 サノア・デンプフル・オリンCAN
=17 ソル・アギーレPER
=17 テレサ・ボンバロPOR