大原洋人と都筑有夢路がアジア枠のCSワイルドカードに決定。オーストラリアで5月6日から行われる開幕戦に出場

5月から始まるWSL CS(チャレンジャーシリーズ)。前にもお伝えした通り、これにクォリファイした日本人選手は男子が田中大貴。女子は都築虹帆、野中美波、松岡亜音の3人だ。これにアジア枠として、ワイルドカードが男女1枚ずつ配布される。

田中大貴
都築虹帆
野中美波
松岡亜音

 

 

そのワイルドカードについて WSL APACに確認を取ったところ、女子は都筑有夢路。男子は大原洋人に決まったとの返答があった。

 

都筑有夢路
大原洋人

 

さて、このワイルドカード選考結果について、疑問に思った読者もいるはず。女子の都筑有夢路は、CSランキングは13位で日本人トップ。男子のCSランキングトップは43位で脇田泰地だ。男子の順位は続いて59位 稲葉玲王、63位 村上舜、98位 上山キアヌ久里朱、108位 大原洋人と続く。なぜ、108位の大原が選ばれたのか。

 

 

 

先日アップしたWSLのCTの記事を思い出して欲しい。
「WSLシーズン・ワイルドカードは、アスリートからの申請を受け、WSLツアーズ・アンド・コンペティション・チームが選出するもの。ワイルドカードの選考は、世界タイトル、CT、チャレンジャーシリーズのランキング、イベント結果などの競技成績に加え、該当する場合は医学的評価も考慮される。」

ケリー・スレーターとジョアン・ディフェイが2024年と2023年後半のWSLシーズン・ワイルドカードを獲得。

ここで「アスリートからの申請を受け」の文言が入ってることにお気づきだろうか。ランキングトップにワイルドカードが与えられるというのは、既定の事実。これは間違いのないことだが、選手からWSLへ申請することが必須だということだ。

 

今回のケースを見ると、CS日本人選手で申請したのが大原洋人のみ。また、岩見天獅はアジアQSランキング6位でCSを逃したが、ここで改めてCSへの申請を上げていた。他のCS日本人選手は連絡を待っていた(今までがそうだったから)という状況だった。

 

なので、WSL APACは申請してきた選手の中から大原洋人を選んだというのが実状。これは大原の今までの実績に加え、さらに村上舜の怪我で、先シーズンCS入りしたものの、腰の疲労骨折でUS OPEN以降はリタイア。その怪我枠としての部分も考慮された形だ。

 

今までワイルドカードについては、暗にもらえるものだという認識だったかもしれない。しかし、ワイルドカードは連絡を待つのではなく、その該当する可能性がある選手がWSLへ申請することが必要だったということ。

 

これは選手からの申請=「出場の意思」ということを、WSLが確認することも意味する。そして、申請してきた選手の選考については、その個人のランキングと今までの競技成績に加え、怪我などがある場合はインジュリー枠も考慮し決定するとしている。

 

今回の件は日本から事務局が無くなったことで、確認作業に誤意が生じたとも考えられるが、一番の原因はQSに加え、新たにCSというカテゴリーができたこと。そして、そのCSワイルドカードの認定は、各リージョナルが行うことになったことで、選手の意思確認がより必要となったからと言えるだろう。

 

WSLは毎年、規約を見直し、更新している。今までの解釈が変わっている可能性はあるとして、選手はWSL(日本はAPAC)に連絡を入れ、常に確認を取ることをお勧めする。

 

※ 今回のワイルドカードとは別に、CS各大会のワイルドカードというものもある。クォリファイから惜しくも漏れたCS選手、QS選手へ振り分けられる可能性は十分あるので、出場したい選手は事前に問い合わせをすること。

 

 

2023年5月6日~13日
CSイベント第1戦

ブースト・モバイル・ゴールド・コースト・プロ