ワールド・サーフリーグ(WSL)で通算11度の世界タイトルを獲得しているサーフィン界のキング、ケリー・スレーター。東京オリンピックでは、僅差でアメリカ代表の座を逃したが、彼の輝かしいキャリアを完成させるために、もう一度オリンピック出場に挑戦することを望んでいる。
「もしオリンピックに出場できたら、オリンピックで引退するつもりだ」と彼はGuardianのインタビューに応えた。
史上最高のサーファーと言われるスレーターは、1990年にルーキーとしてツアーに参加。ワールド・サーフ・リーグで11回の世界タイトルを獲得し、サーフィンにおけるほぼすべての記録を保持。55の大会で優勝し、最年少と最年長の世界チャンピオンの記録を持っている。
そんなスレーターはThe Guardian Australiaのインタビューで、パリオリンピックのUSAチームに入れば、このスポーツから引退すると言った。これは、このスポーツでやるべきことをすべてやり遂げた彼に残された最後の野望なのだ。51歳になったレジェンドがキャリアにピリオドを打つ日がいつになるのか。サーフィン界が注目していた。
ワールド・サーフ・リーグを題材にしたApple TV+シリーズ「Make or Break」のシーズン2のプロモーションのため、Guardian Australiaのインタビューに応じたスレーターは、「オリンピックに出場できたら、オリンピックで引退します。」と言った。
スレーターは、2018年に2019年シーズンをもって引退する意向を表明するなど、これまでにも引退の計画をほのめかしてきた。
パリ五輪のサーフィン競技は、タヒチの有名なチョープーで開催される予定だ。スレーターは、ワールド・サーフ・リーグの開催地であるタヒチで5度優勝しており、記録的なキャリア56回のチャンピオンシップ・ツアー優勝を誇る。もし、来年のアメリカ代表の座を獲得すれば、彼はこのヘビーなバレルウェーブで優勝候補の一人となることだろう。
「オリンピックのアメリカ代表になることを本当に望んでいるんだ。」と彼は言った。「予選は厳しいが、もしオリンピックに出場できれば、タヒチでの開催ということもあり、あの波は僕の得意とするところだから、もし出場できれば、メダルを獲得するチャンスは十分にあると思う。サーフィンがオリンピック種目に加わったことで、新たなインスピレーションを得た」とスレーターは言った。
2024年のパリ大会には、男女各24名のサーファーが出場し、2023年ワールド・サーフ・リーグ(WSL)チャンピオンシップ・ツアーの男子トップ・サーファーに10名の出場権が与えられる予定だ。
果たしてスレーターはトップ10に入り、アメリカ代表としてオリンピックに出場することができるのだろうか。またそれは彼の引退をも意味するのか。WSL側やケリー本人のSNSでの発表ではない今回の引退コメント。オリンピックのサイトをはじめ、多くのメディアサイトが取り上げている。