先週末、ケリー・スレーターはミッドシーズン・カットをクリアできず、ツアー後半の出場権をなくした。海外の様々なメディアでは、ケリーのことについて多くのことが語られているが、悲観的な意見は少なく、ケリーがなんらかの形でツアーを続けられるようになるだろうという見方が多い。
不思議なことに、敗退後、ケリーはヒート後のインタビューで、ザ・ボックスでのバレルについて話し、サーフランチで開催される次のイベントへのワイルドカードを示唆するなど、むしろ冷静で、明るい様子だった。
「今後の予定?本当にバレルをゲットしたい、大きな波があるんだ。」マイクの向こうのザ・ボックスをじっと見つめたまま、言った。「どう進んでいくか様子を見てみましょう」
サーフランチプロに出場する可能性について聞かれると、彼はおどけるように 「知り合いがいるんだ」と答えた。
11回のチャンプにとって、未来は確かに不透明だ。チャレンジャーシリーズに出場し、リクオリファイを目指す彼の姿を見るのは本当に辛い。
とはいえ、どうやら彼は今度のスナッパーでのイベントにエントリーしているようだが、彼が自分で作った施設「サーフランチ」のCTイベントにワイルドカードで参加することは、ほぼ確実。
さらに彼のブランドであるOuterknownがタヒチのイベントをスポンサードしているので、彼のこれまで実績を考えてもチョープーへのワイルドカードを手にする可能性が高い。こう考えただけでも後半の2戦にはケリーが参戦してくることは確実。
そこで2024年、リクオリファイの話。ワールド・サーフ・リーグに関連するいくつかの興味深いシナリオがある。まず、WSLが持っている2つのシーズン・ワイルドカードのうちの1つを獲得し、今シーズンの残りと来年前半のツアーに参加することができるというもの。
実際、サリー・フィッツギボンズは、昨シーズンのカットに失敗したにもかかわらず、今シーズンの前半と昨シーズンの後半にサーフィンすることができた。
WSLシーズン・ワイルドカードはWSLオフィスの裁量で与えられ、男女合わせて4枚あるので、カットラインぎりぎりにいるケリーとミゲル・プポに与えることは容易に想像できる(ケリーはバロン・マミヤとマイケル・ロドリゲスと同点なので議論の余地はないだろう)。
そこで、イベント・ワイルドカードによるツアーへの参加資格の話になる。ケリーが特定のイベントで十分な成績を収めれば、イベント・ワイルドカードでCTポイントを稼ぐことも可能だろう。WSLは、ルールブックに少し手を加え、世界チャンピオンとトップ5ファイナルイベントへの出場権を獲得した者に、ワイルドカードを通じてツアーポイントを集めることができるようにしたのだ。
『WSLワイルドカードは、ミッドシーズン・カット後のCTイベントにおいてCTランキング・ポイントを獲得しない。ただし、WSLは独自の裁量で、WSLワイルドカードがミッドシーズン・カット後のCTイベントに出場し、そのサーファーが元世界チャンピオンまたはWSLファイナル5出場者であれば、利用できるWSLワイルドカード枠のランキング・ポイントを獲得することを選択できる。』
それはWSLルールブックの18ページに書いてあるので、自分で閲覧したい人は見てください。スレーターのシナリオは、確かに注目に値する。マーガレットリバーでの彼は、今年一番の出来映えで、すぐに競技をやめる気はなさそうだ。