【オーストラリアSURFNEWS】CS開幕戦に向けてゴールドコースト入りしてきた日本人選手たちの様子をリポート。

NOJILAND FILMこと菅野大典氏が、現地からオーストラリアの最新情報を伝えてくれる【SURFMEDIAオーストラリアSURFNEWS】。第22回となる今回はスナッパーロックスを舞台に始まるチャレンジャーシリーズ第1戦に向けてゴールドコースト入りしてきた日本人選手たちの様子をリポート。

 

取材、文、写真:菅野大典

 

4月のゴールドコースト。

日本に比べて祝日が少ないオーストラリアですが、4月はイースターホリデーやアンザックデーの祝日があり連休が続く月になっています。

 

祝日で連休の日の海にはたくさんの人が集まっていました。

 

気候も涼しくなり、日が落ちる時間も早くなり秋の雰囲気が流れています。

 

コロナウイルスの新規感染者の状況は横ばい状態が続いており、毎日4万人前後の感染者が発表されていますが、オーストラリア政府はコロナウイルスの規制をどんどん廃止している状況で、レストラン等の入店時の接種証明の提示やマスク着用義務もほぼ廃止となり、マスク着用義務が残るのは、空港や飛行機内、病院や高齢者施設など、限られた場所にみとなっています。

 

また、2月21日より全世界からのワクチン接種完了者への国境を全面的に開放したオーストラリアですが、さらに入国制限の規制を緩和を進め、4月17日以降は入国前のPCR検査による陰性証明書の提出義務も廃止。そして、2回のワクチン接種済であることの証明書の提出が義務付けられていたが、国民や永住者に対してはワクチン未接種であってもこれらの証明が不要になりました。

 

これまでワクチン推奨を強調し、厳しい規制を課してきたオーストラリアですが、パンデミック以前のような正常化を目指して邁進しているように感じます。

 

今月もキラの美しいラインナップが出現。

 

海の状況は引き続き波のある状況で、昨年末からずっとサイズのある日が続いております。

上旬は沖合に発生したトロピカルサイクロンFILIのうねりによって、ゴールドコーストのポイントブレイクはエクセレントなコンディションに。

 

サイズのあるスナッパーロックスに人が集中していたので混雑もそこまでなくチューブの波を堪能できました。
サンドパンピングにより砂がずっと付いているスナッパーロックスは1サイズ大きいコンディション。雨の多い年は波がいい日が続く?事を知りました。

2022/23シーズンの初戦である QS1000 Mad Mex Maroubra Proで見事優勝をしたニュージーランドのオリンピアンであるビリー・スターマンド。長いオーストラリアQSレッグ後もゴールドコーストに滞在しチャレンジャーシリーズに向けて調整していました。

同じくQS初戦で3位となったトーマス・カルバルホ。チャッレンジャーシリーズの出場権は獲得できなかったが、毎回海で見かけるたびに実力がついているように感じます。

 

CSに出場する日本人選手が続々とスナッパーに登場。

 

都筑有夢路

 

4月の後半に入ると来月7日からスナッパーロックスを舞台に始まるチャレンジャーシリーズ第1戦に向けてゴールドコースト入りしてきた日本人選手もたくさん見かけるようになりました。

 

4月上旬に1足先にオーストラリアに入り、ベルズビーチでのCTトライアルに出場していた都筑有夢路。

ゴールドコースト入りをした時は波のサイズもあり激流と激混みの海に、『パドルしすぎて身体パンパンです笑』と、久しぶりのスナッパーロックスを味わっていました。

 

実力的には優勝候補筆頭のアムちゃん。いい波に乗れば女子の中では実力が飛び抜けているように感じます。
コーチのティム・マクドナルドと共にリラックスをした表情を浮かべながら調整していました。
上手い選手がたくさんいる中でも海の中で一際目立っている大原洋人。
サーファーズパラダイスをバックに人混みを避けながらのライディングはスナッパーロックスならでは。
晴れていればボードショーツのみでも全然平気。ゴールドコーストは水温が暖かいのも魅力の一つです。
激流のカレントの中1本乗ってはビーチを回ってゲットしての繰り返し。何往復したのかわからないくらいビーチを回ってゲットしていました。
4年前のバーレーヘッズで行われたQS1000で見事3位になった上山キアヌ。ゴールドコーストはその時以来だそうで、久しぶりの長いレギュラーの波を堪能していました。

同じく4年前のバーレーヘッズで行われたQS1000で準優勝の脇田紗良。リラックスした感じでスナッパーロックスを楽しんでいるように感じます。
海の中は日本人選手以外の選手もたくさん。とにかくよく乗りリップにエアになんでもありの2018年ワールドジュニアチャンピオンであるマテウス・ハーディー。
キレキレのライディングをするインドネシア代表の和井田リオ。
昨年のCSランキングを4位としながらもCT入りを辞退したケイトリン・シマーズ。
ベルズビーチでのトライアルに優勝し、本戦にも出場していたアリッサ・スペンサー。

 

いつもの上手いローカルメンバーに加え、海外からの上手な選手が入ってきてスナッパーロックスは大盛り上がり。コロナウイルスの影響で久しく感じることのなかった熱気を感じています。

 

スナッパーロックスの入り口は会場設営が始まりロードクローズに。

 

CTほどの規模では無さそうですが、なかなか豪華な設備になりそうです。久しぶりのWSLインターナショナルイベントがこの場所に帰って来てくれました。

 

コンテストはいよいよ来月5月7日からスタート。

 

まだまだ現地入りしてないCS選手に加え、ケリー・スレーターを含む現在マーガレットリバーで戦っているCT選手も多数エントリーしています。

 

本当に楽しみで仕方がありません!!

 

4月はオーストラリア全土、どこの地域でも波のコンディションが良い季節となりイベント事もたくさん。

 

その中でも1番のイベントとなるのはCTイベントであるベルズビーチで行われるリップカールプロとウエスタン・オーストラリアで行われるマーガレット・リバー・プロ。

 

ヒート後のカノアとミック

 

コロナウイルスの影響でベルズビーチでのCTは2年間開催されていませんでしたが、毎年イースターホリデーの日程に行われる歴史あるイベントであるこの大会には、日本の五十嵐カノアがイエロージャージで出場したり、そのカノアをワイルドカードで出場した3x世界王者であるミック・ファニングが倒すなど、とても盛り上がるイベントとなりました。

 

 

大盛り上がりとなった今大会はフィリペ・トレードとタイラー・ライトが優勝。PHOTO:WSL

 

マーガレットリバープロでも前半戦を締めくくる重要なカットオフの最終戦となっており、CT生き残りをかけた熱いバトルが現在開催中です。

 

CT EVENT #05 マーガレットリバープロ
https://www.worldsurfleague.com/events/2022/ct/5/margaret-river-pro/

 

そして、ゴールドコーストでも4月30日からQS1000 「GOLD COAST OPEN」がバーレーヘッズで開催中です。

 

QS1000 GOLD COAST OPEN

 

ラウンド1からいきなり日本人対決となった黒川楓海都と大音凛太。きっちりと1、2フィニッシュでラウンドアップ。急遽出場できた須田喬士郎も1位通過でラウンド2進出。女子ではラウンド1から馬庭彩が出場予定。

 

こちらの大会は祝日となる5月2日まで行われる予定。その後に4日から6日には「GOLD COAST PRO JUNIOR」、7日からチャレンジャーシリーズの「Boost Mobile Gold Coast Pro」とイベント続き。

 

QS1000 : Gold Coast Pro
https://www.worldsurfleague.com/events/2022/mqs/4128/gold-coast-open

 

CS : Boost Mobile Gold Coast Pro
https://www.worldsurfleague.com/events/2022/cs/18/boost-mobile-gold-coast-pro/

 

また来月の記事で大会等のレポートをしたいと思います。コロナウイルスの影響を受けてから約2年、久しぶりに海外からのサーファーも規制なく来豪できるようになり、熱気にあふれているゴールドコーストからのニュースでした。

 

 

菅野大典オーストラリアのゴールドコーストを拠点にして13年余り。サーフボード・クラフトマンとして働きながら、サーフィン修行のために来豪する日本のサーファーをサポート。写真や動画撮影のほか、昨年は大村奈央の試合に帯同、大会のジャッジやサーフコーチなどマルチに活動している。