NOJILAND FILMこと菅野大典氏が、現地からオーストラリアの最新情報を伝えてくれる【SURFMEDIAオーストラリアSURFNEWS】。第20回となる今回は、オーストラリアの国境全面開放、レッドブル主催のソフトボード大会、2022年度のQSオーストラリアレッグが開幕などです。

取材、文、写真:菅野大典

 

2月のゴールドコースト。

 

ひと昔前までゴールドコーストは、300日以上の日が晴れると言われていましたが、ここ数ヶ月間は雨ばかりの日が続いております。

連日の雨により水も濁った茶色の海に。

 

深刻な洪水の被害も出ており、一部地域では道路が通行止めになったり、家屋や建物が浸水するなどしています。

 

南半球では真夏の季節となる2月ですが、もう夏も終わりなのか? というような雰囲気になっています。

 

ちなみに明日から始まるマルーブラの試合が、災害の状況で延期が決まったそうで、 日程は後日発表となりました。洪水の被害が思ったより深刻で、街自体水没している地域もあり大変です。ミックやパーコもボランティアで船を出して、物品のデリバリー等行ったりしています!

 

先月に感染者のピークを迎え、人手不足による物品供給の問題であったり、開店できない飲食店があったりと大変な状況にあったオーストラリアの新型コロナウイルス状況ですが、今月に入り感染者も徐々にですが減少してきており、少しは状況の良い方向に向かっています。

 

入国全面受け入れ ワクチン接種条件、隔離は不要

 

日本から隔離なしでの渡航が可能となり、学生ビザやワーキングホリデービザなどで渡豪されている人も見かけるようになりました。

 

今月に入りオーストラリアに入国してきた人に話を聞いたのですが、日本出国前の書類申請や、陰性証明等、コロナウイルスの発生以前の渡航と比べると準備に少し時間がかかるようですが、特にそれほど大変な事ではなくスムーズに入国することができたようです。

 

2月21日には、入国制限が全世界からのワクチン2回摂取完了者に対象者が拡大され、現在オーストラリアの国境は全面的に開放されるようになっています。

 

ゴールドコースト付近の波の状況は先月から引き続き連日サイズのあるコンディションが続いております。

 

スナッパーロックスのラインナップ。

 

毎日のように雨が降るので砂が河口付近に溜まり、漁船の出入りのためにその砂を排出するサンドパンピングを行うので、スナッパーロックスには常に砂のついている状態に。

 

以前は大型のスウェルやサイクロンが来たあとはすぐに地形の崩れた状態になっていましたが、今年は毎日いいコンディションに恵まれています。

 

ローカルサーファーのマックス・カーニー。混雑する中でいい波を何本もゲットし激しいスプレーをあげていました。
最近とても目立つ存在になってきたランギ・スラッブ。ビハインドロックからサイズのあるバレルをメイク。
スナッパーロックスからレインボーベイにかけてのラインナップ。

 

奥ではサイズのあるチューブがあり、手前にはサップやロングボーダーの姿が。長く続く波で初心者から上級者までどのレベルのサーファーも楽しめるのがこのスーパーバンクの人気の理由。

 

プロから初心者の子供まで。様々なサーファーが集まるのがこのスーパーバンク。

 

 

南寄りの風が続き、雨が降らない間はこのようなドリームコンディションが続きました。

年間を通しても一番波があるこの時期で、今年もインターナショナルのサーファーがいないながらも、サーファーの数は年々増えているように感じます。

 

ACSODサーフボードシェイパーであるアレックス・クリューズとファイアーワイヤーサーフボードのセールスのクレイグ・ワレン。子供に負けじといい波に乗って、にこやかに上がってきました。

 

 

ボードライダーズの活動も新しいシーズンがスタート。週末になればどこの地域のビーチに行っても、テントが立てられクラブラウンドが開催されていました。

 

 

レッドブル主催のソフトボードイベント「Red Bull Foam Wreckers, Queensland」が開催。

 

 

2月19日にはバーレーヘッズでレッドブル主催のソフトボード使用の大会である”Red Bull Foam Wreckers, Queensland”のイベントが開催。

 

バーレーヘッズのポイントは地形がなく、ビーチでの開催となりました。
8つの種類のMFソフトボードがあり、出場ヒート前に各選手がルーレットによって使用する板が決まります。
スイッチフットやスピンは当たり前。

ルールもなるべく相手の妨害は避けようとの事だけなので、1つの波に何人もの選手がテイクオフしそれぞれが自由に表現。バク宙でフィニッシュしたり、クレームのオンパレードでした。
8人ヒートで浮力のあるソフトボードなので、ジャッジ陣は大混乱。終始苦笑いの表情を浮かべていました。
ワーキングホリデーで滞在中の黒川海従都もイベントに参加。

コンペが大好きなカイト。『ファンイベントですが真剣に優勝目指します。笑』と、作戦をしっかりと立ててヒートに臨んでいました。

板の上で逆立ちして会場も大盛り上がり。
ファイナリスト8名 黒川もファイナル進出
優勝したのは元CT選手であるマット・ウィルキンソン。
セミファイナルではKUMAサーフボードでソフトボートとは思わぬバシバシ当て込むサーフィンを披露。

 

MFソフトボード、グローバルシェイパーズチャレンジで見事優勝した熊谷充功氏によるKUMA FISH。普段ショートボードに乗り慣れている選手には、大人気のモデルとなっていました。

 

エキシビジョンにはミック・ファニングやジュリアン・ウィルソンといったサーファーに加え、ウエイクボードの世界チャンピオンのコリー・テンセンやクリフダイビング世界チャンピオンのリアナン・イフランドなど、レッドブルアスリートの豪華な顔ぶれが集まりました。

 

ジョッシュ・カーと娘のシエラ・カーも親子で参加
昨年引退を表明したジュリアン・ウィルソンも久しぶりのゼッケンを着てイベントを楽しんでいました。
子供の頃はロングボードの試合もこなしていたジュリアン・ウィルソン。どの板に乗ってもとにかくうまい。
親子でタンデムしながら楽しんでいたジョッシュとシエラ。
引退後も様々な活動を続けているミック・ファニング。オーストラリアのサーフィン界において世界チャンピオンのミックの存在はとてつもなく大きい。
アーティストサーファーのアレックス・ヘイ。まさにエンターテイナーといった感じで、会場の雰囲気を1番に盛り上げていた存在でした。

 

出場者は総勢128人。バーレーヘッズというゴールドコーストの人気の場所ということもあり、観客もたくさん集まりながら、多くの人がイベントを楽しんでいました。

 

2022年度のQSオーストラリアレッグが開幕。

 

 

WSLの試合は、いよいよ2022年度のQSオーストラリアレッグが開幕。第1戦となるフィリップアイランドから怒涛の7連戦がスタートしました。

 

:QSオーストラリアレッグスケジュール

2月10 – 13日(QS 1,000)Phillip Island Pro

2月22 – 25日(QS 1,000)CARVE Great Lakes Pro

2月27 – 3月1日(QS 1,000)Gage Roads Port Stephens Pro

3月4 – 6日(QS 1,000)Mad Mex Maroubra Pro
※災害の影響により延期。日程は後日発表

3月14 – 19日(QS 3,000)Vissla Central Coast Pro
(女子)Sisstrevolution Central Coast Pro

3月21 – 25日(QS 5,000)Tweed Coast Pro

3月29 – 4月3日(QS 5,000)City of Newcastle Pro

 

初めの4戦は1,000のグレードが続き、その後ハイグレードとなるアボカビーチでの3,000、ツイードコーストの5,000、ニューキャッスルの5000と、2ヶ月で7戦行われるスケジュール。

 

タイトなスケジュールながらも、CSへの出場権(男子9名、女子7名 + ワイルドカード1名が発表されている)に重要なハイグレードの3戦が最後に重なってあるので、選手としてはモチベーションを保って最後まで戦えるようなスケジュールとなっています。

 

第3戦を終わって現在は、男子はジョエル・ボーガンが優勝、2位、5位という結果でリーダーボードのトップに立っており、女子はニクシー・ライアンが3戦中2戦優勝といった素晴らしい結果で首位に。

 

男子オーストラリア/オセアニア リージョナルのリーダーボード。若手の活躍もあり10代の選手が名前を連ねている。

 

 

毎年ながら新しい若手の選手が現れ、活躍を見せてくれるオーストラリアのコンペシーン。本当に選手層の厚さを感じさせてくれます。とはいっても、まだまだハイグレードの試合が残っているので、最後まで誰がCSへの出場権を手に入れるかはわかりません。

 

残りの4戦も目が離せない試合となりそうです。

 

 

昨年の最終戦となるツイードコーストのQS5,000で優勝のキャラム・ロブソン。CSの出場権を獲得しそして見事CTへのクオリファイを果たした。

 

オージーサーファー達の熱い戦いが3月も展開されていきそうです。

 

 

菅野大典オーストラリアのゴールドコーストを拠点にして13年余り。サーフボード・クラフトマンとして働きながら、サーフィン修行のために来豪する日本のサーファーをサポート。写真や動画撮影のほか、昨年は大村奈央の試合に帯同、大会のジャッジやサーフコーチなどマルチに活動している。