【オーストラリアNEWS】冬のゴールドコースト、スナッパーロックスボードライダーズのクラブラウンドなど最新情報。

NOJILAND FILMこと菅野大典氏が、現地からオーストラリアの最新情報を伝えてくれる【SURFMEDIAオーストラリアSURFNEWS】。第26回となる今回は冬のゴールドコースト、スナッパーロックスボードライダーズのクラブラウンド、2022 AUSTRALIAN SURF CHAMPIONSHIPSなど。

 

取材、文、写真:菅野大典

 

8月のゴールドコースト。

今月も晴れ間の続く日が多く、温暖な冬の過ごしやすい日が続きました。

クーランガッタの街の真ん中にはピンクの花が開花。春の訪れを感じさせられます。

この時期の東海岸はクジラが移動している季節でもあり、海に行けば近距離でクジラが飛び跳ねていました。

 

しかしながら、沖合いに設置されているシャークネットに絡まってしまうクジラをはじめとする海の生物も多く、今年もたくさんの被害が出ているようです。

 

 

人々の動きがパンデミック以前のような状態に戻ってきている

 

 

先月に感染が再上昇していたコロナウイルスの状況ですが、今月に入りピークアウトし急速に減少している状態となっています。

 

昨年は国内旅行が目立っていましたが、国境がオープンになり規制なく入国できる事になってから、この冬の時期に海外に旅行に出るというオーストラリア人も多くいます。

 

日本からもコロナ期間中に訪れることのできなかったサーフィン業界の人や、ワーキングホリデーで来豪する人も徐々に増えてきている様子で、人々の動きがパンデミック以前のような状態に戻ってきているように感じます。

 

 

 

例年の冬のゴールドコースト

 

 

波のコンディションは、上旬はサイズのあるスウェルが入らずにフラットコンディションになる日もあり、昨年末からずっと続いていた波のある状況もひと休み。北風が吹き続く日もあり水温が冷たくなったりと、例年の冬のゴールドコーストという感じになっています。

 

 

冬の時期の午前中はオフショアになりやすくクリーンなコンディションになりますが、スウェルを拾いやすいNSW州の北部のポイントもスモールコンディションに。

昨年からずっと地形が悪いD-BAH。それでもうねりを拾いやすいこの場所にはサーファーが集まります。

この日は少しサイズアップしたものの北風のオンショアといったコンディション。しかし、特別なコンディションではなくてもカメラマンやコーチが自然と集まるのがオーストラリアのサーフィン道場であるD-BAH。若いサーファーを中心にセッションが行われていました。

先月行われたオッキーグロムの大会でも素晴らしい活躍を見せていたハリー・マーティン。サーフィンを見るたびに上達しているのがわかります。北風のオンショアコンディションとなればやることは1つ。

インサイドセクションでエアーを決めるタイ・リチャードソン。


日が沈む時間までトレーニングに励む高橋花音の姿も。D-BAHに来ればたくさんのうまいサーファーに会えるので刺激になる事間違いないでしょう。


左側に位置するラバーズの前では何本もチューブをメイクしていたサーファーが。この場所でサーフィンをしているオージーサーファーは本当にみんなレベルが高いです。

まるでエアーショーを見ているようにエアーを何本も決めていたオスカー・ベリー。

 

今年はプロジュニアの試合で優勝したり、スナッパーロックスで行われた第1戦のCSで9位やニアスで行われたQS5000で5位という結果を残しており、現在CTで活躍する若手オージーサーファーの次世代の選手として、どんな波でも対応できる質の高いサーフィンにはますます注目が集まっています。

 

中旬以降は波もサイズアップしクーランガッタ方面はコンディションの良い日が続きました。週末にはしばらく行われていなかったスナッパーロックスボードライダーズのクラブラウンドも開催。

 

先月のスウェルで地形のなくなったスナッパーロックスではなくレインボーベイで開催。1本乗れば5、6発のマニューバーを入れれるこの波での試合環境はとても贅沢です。

 

アメリカから帰国したばかりのジョッシュ・カー。ツインフィンでスタイリッシュなサーフィンをしつつも高得点を連発していました。最近は娘のシエラ・カーと共にさまざまなイベントに積極的に参加している姿が見られます。

 

 

同じくアメリカでUSオープンの試合に出場していたシェルドン・シムカス。特大スプレーを上げながら、綺麗なバリエーションのあるサーフィンで一際目立っていました。

 

スナッパーロックスで行われたCSで2位という好成績の後は、なかなか思うような結果がついてきていませんが、残り3戦で13位の位置につけているシェルドンには、CTクオリファイへの期待がクラブ全体から感じとれます。

 

 

父親が元CTサーファーであるトロイ・ブルックスの息子であるジャーリ・ブルックス。つい最近まで身体の細いグロムだったが、今ではタレント揃いのクラブの中でもファイナルまで勝ち上がる選手まで成長。この年代のオージーサーファーはいつの間にか急激にレベルアップしています。

 

 

そして同じく父親が有名人、世界チャンピオンであるマーク・オクールポの息子のジェイ・オクルーポ。持ち前のテクニックにプラスしてパワーも付いてきて、この日のオープンクラスで堂々の優勝。

 

その他のサーファーもこのクラブに所属している選手はみんなサーフィンのレベルが高い。久しぶりにクラブの試合を除いて見てみると、普段耳にしない選手の成長が感じとれました。

 

翌日にもジュニアやキッズといった子供のクラブラウンドが開催されており、ビーチにはサーファーだらけ。

小さな子供も親と一緒に沖に出て試合に参加。

どの年代もタレントが揃っているスナッパーロックスのボードライダーズクラブ。間違いなく世界トップクラスの環境の中で活動していると思います。

シエラ・カーと同世代で注目を集めてきているジョーディー・ハワード。オーストラリアの女子サーファーも若い世代が次から次へと出てきています。

若干15歳ながら世界各地に飛び回り活動しているシエラ・カー。サーフィンの技術だけでなく多彩なシエラは、間違いなく今後活躍する次世代サーファーの1人になるでしょう。

今月はゴールドコースト付近では特に大きなイベントはなかったのですが、NSW州のポートマッコーリーでは、”2022 AUSTRALIAN SURF CHAMPIONSHIPS”が開催。

 

WSLのCT選手はCTイベント以外の大会に出場する事ができないが(CSや特別なイベントを除く)、プロサーファーとアマチュアサーファーの境界線が無いオーストラリアでは多数のQSサーファーも出場。

 

この大会は各州で行われた州予選を勝ち抜いた代表者とQSの日程と重なり州予選に出場できなかったQS選手の上位ランキング順のエントリー者による大会で、17日間のイベント期間で48ディビジョンのオーストラリアチャンピオンが決められるという、日本で言うならば全日本サーフィン選手権大会のオーストラリア版といった大会です。

 

 

オープンメンズにはリーフ・ヘイゼルウッズ、オープンウィメンズにはフレヤ・プラムが見事2022年のオーストラリアチャンピオンに輝いた。PIC: SURFING AUSTRALIA

 

この大会での1番のニュースは、アンダー18ロガーメンズディビジョンのオープニングラウンドで大会史上初の2ウェーブ10点のスコアを出し、20点満点を決めた若干16歳のランデン・スメルス。

 

instagram @landensmales

20点満点を決めるだけでなく、その後のヒートも順当に勝ち抜き、見事にアンダー18のロガーとロングボードの2つのディビジョンで2022年のオーストラリアチャンピオンに輝いた。

instagram @landensmales

日本ではあまり知られていない若いサーファーのランデンですが、実はショートボードもトップクラスの実力を持つ二刀流サーファー。

先月行われたオッキーグロムの大会でもアンダー16のディビジョンで優勝しているランデン。ショートボードではマニューバーからエアーまでこなしながらも、とてもスタイリッシュなライディングをします。


最近ではNETFLIXのドラマにも出演するなどして、QSサーファーながら多方面で活躍する大注目のサーファーであるリリアナ・ボウリィーもショートボードからロングボードまで乗りこなす多彩なサーファー。

NETFLIXのドラマ『カオスなサマー』に出演したリリアナ。実力がありながらもタレント活動する者も多いオーストラリアのサーファー事情。

 

6月にはニアスで行われたQS5000にも出場。

 

お互いの出身地がサンシャインコーストという事もあり、幼い頃のジュリアン・ウィルソンを彷彿させられてしまいます。

 

グロメッツ時代はロングボードの大会でも何度も優勝に輝いていたジュリアン・ウィルソン。

 

ジャック・ロビンソンやイーサン・ユーイングといった、今を代表する若いオーストラリアのサーファーがWSLファイナル5に進出し、久しぶりのオージーサーファーの世界チャンピオンが生まれることが期待されながらも、着々と次の世代の才能溢れるサーファーが活躍し、次のスターが生まれる事が感じさせられるオーストラリアの8月ニュースでした。

 

 

 

菅野大典オーストラリアのゴールドコーストを拠点にして13年余り。サーフボード・クラフトマンとして働きながら、サーフィン修行のために来豪する日本のサーファーをサポート。写真や動画撮影のほか、昨年は大村奈央の試合に帯同、大会のジャッジやサーフコーチなどマルチに活動している。