五十嵐カノアはCT開幕戦でベスト8進出。次はケリーと対戦。「ビラボン・プロ・パイプライン」大会3日

BANZAI PIPELINE、オアフ島、ハワイ/アメリカ(2022年2月1日火曜日) – ワールド・サーフ・リーグ(WSL)の2022年チャンピオンシップ・ツアー(CT)開幕戦である「Billabong Pro Pipeline(ビラボン・プロ・パイプライン)」は、男子のラウンドオブ32(R3)からスタート、続いて男子のラウンドオブ16(R4)が行われ、ベスト8が決定。

 

Highlights Billabong Pro Pipeline Day 3

 

両ラウンドとも2つのヒートが重なり合って行われるオーバーラップ・フォーマットで行われ、うねりは一日を通して大きくなり、朝は4~6フィートだったが午後は8~10フィートとサイズアップした。

 

 

 

ケリーが終了間際の大逆転勝利。

 

 

イベントワイルドカードのバロン・マミヤ(HAW)が、11度の世界チャンピオンであるケリー・スレーター(USA)と対戦。そのヒートは完全にマミヤのペースで進み、試合終了直前までケリーは追い込まれていた。

 

しかし、ケリーは残り時間数秒で波を捉えて、ディープバレルをメイク。9.23(10点満点)を叩き出して大逆転でラウンドアップを決めた。

 

ケリー・スレーター WSL / Brent Bielmann
ケリー・スレーター WSL / Brent Bielmann

 

 

「あの波を見たときは、残り時間が20秒もなかったんだ。だからコンテストは辞められない。あのような瞬間があるからこそ、僕たちはやっているんだ」と、準々決勝に進出したスレーターが言った。

 

「コンテストの初期段階ではあるけど、バロンはここでは次世代の選手であり、彼と対戦することは、とても楽しいことなんだ。

 

バロン・マミヤ  WSL / Brent Bielmann

 

自分はこのヒートを処理しようとしていた。前半にいくつか波のミスをしてしまったけど、彼はそれをうまく利用した。彼は深い位置で波を待って、とてもアグレッシブなラインを取っていたんだ。

 

自分は、何かのライトがあれば、それを利用してワイドに滑ることができると思って待っていた。ただ、その時は気分が乗らなかったので、落ち着いて、波が来るか来ないかを考えたんだ。30年間を振り返ってみると、自分の思い通りにならないことが何度もあったことを思い出したよ」

 

 

ジョン・ジョン・フローレンスが圧巻の演技を見せる。

 

ジョン・ジョン WSL / Brent Bielmann

 

 

また、2度のWSLチャンピオンであるジョン・ジョン・フローレンス(HAW)は、ルーキーのジャクソン・ベイカー(AUS)に勝利し、難なくラウンドオブ16に進んだ。

 

そこでルーキーのジョアン・キアンカと対戦。フローレンスがパイプラインマジックで9.77をマークした直後、キアンカもパーフェクトに近い9.87をマーク。フローレンスは1.03ポイント差でルーキーを破り、ベスト8進出を果たした。

 

 

ジョン・ジョン WSL / Brent Bielmann

「ハードなヒートでした」とフローレンス。「ジョアンの波はすごかった。最前列でそれを見ていたのですが、嬉しいような嬉しくないような、そんな気持ちでした。先日のヒートでは、お互いに良いスコアが出ていました。

 

だから、彼と再び対戦するのは少し緊張しました。彼はここでずっとチャージしてきましたからね。この波をよく知っているようです。だから、波が来始めたときには、彼も良い波に乗るだろうと思っていました」。

 

 

パイプラインで大番狂わせが続出。

 

 

ラウンド3でのコフィンとロビンソンの敗退以外にも番狂わせが発生。 世界ランキング6位のグリフィン・コラピント(USA)はWSLリプレイスメントのカイオ・イベリ(BRA)に敗れ、コロヘ・アンディーノ(USA)はルーキーのルッカ・メシナス(PER)に敗れた。

 

イタロ・フェレイラ WSL / Heff

 

またラウンド4では、WSLチャンピオンのイタロ・フェレイラ(BRA)がヒート3でミゲール・プポにまさかの敗退。さらにルーキーのサミュエル・プポ(BRA)は兄に続き、この日の最終ヒートでCTのベテラン選手であるジョーディ・スミス(ZAF)を下す大番狂わせを起こした。

 

肩を脱臼し救助されるカルロス  WSL / Heff

 

そして、ラウンド3を勝利したにもかかわらず最後に肩を脱臼したルーキーのカルロス・ムニョス(CRI)。ラウンド4では現場の医師から出場の許可を得てヒートを開始したが、痛みを感じたため、競技を中断することとなった。

 

 

五十嵐カノアはベスト8進出。

 

 

スモールなトリッキーコンディションが続く中、男子のラウンド3で五十嵐カノアは、ヒート3でオーストラリアのベテラン選手である東京オリンピックの銅メダリストであるオーウェン・ライトと対戦。メダリスト対決となった。

 

五十嵐カノア  WSL / Heff

 

カノアは、スタートから優先権のない中でコンパクトなパイプの波に的を絞り、クリーンなバレルを次々とメイクしていく。一方ライトはじっくりと波を待ちバックドアでバレルをメイク、中盤トップに躍り出る。

 

 

しかし後半に入りカノアがバックドアのロングバレルをメイクして逆転。終盤はそのままセットは入らず、カノアが見事ラウンドアップを決めた。

 

カノア  WSL / Brent Bielmann

 

「僕はオーウェンをとても尊敬しています。彼はパイプでベストサーファーの一人です」と五十嵐。 「今日のように波数が少ない日には、対戦相手のことを考え、彼らがどこにいるかを知るために注意深く見守る必要があります。 2フィートは大きな違いを生む可能性がありますからね。」

 

 

五十嵐カノア WSL / Brent Bielmann

 

ラウンド4でカノアは、同じチームで子供の頃からの親友であるレオナルド・フィオラバンティと対戦。ヒート前半はスコアを伸ばせなかったカノアもバックドアでディープなバレルをメイク。

 

 

後半に入りパイプでもディープなバレルをメイクして6.17をスコアするカノア。レオもベスト2を揃えて、僅差ながらヒートをリードする。残り10分を切って再びピプニにチャージを見せたカノアは、バックアップ5.53をスコアして逆転。そのまま逃げ切り開幕戦でベスト8進出を決めた。

 

 

クオーターファイナルでケリーとカノアが対戦。

 

 

男子準々決勝へ勝ち上がった五十嵐カノアは、QF第1ヒートでキング・ケリー・スレーターと対戦。カノアは、このパイプで2016年のルーキーイヤーにおいてケリーを破り、準優勝を果たしたことがある。

 

これまでケリーとカノアは3度戦っており、なんとカノアが負け無しの3戦3勝というデータが残っている。今回は果たしてどんな戦いとなるのか絶対に見逃せない。

 

 

 

 

コナー・オレアリーはR3のヒート6でブラジルのミゲール・プポと対戦。グーフィーフッター対決。ヒート前半は両者ともパイプでバレルを抜けて、僅差のクロスヒートとなった。プポが僅かにリードした状態で後半戦、コナーがパイプのバレルを抜けて4.67をスコアして逆転。

 

 

しかしプポは終盤に5.677.17とスコアを重ねてコナーを大きく引き離し、勝利。コナーは惜しくも17位でフィニッシュ。次回のサンセットでの活躍に期待したい。

 

 

 

ネクストコールは現地時間の明朝7時50分、日本時間深夜2時50分。大会の模様はWorldSurfLeague.com、無料のWSLアプリ、WSLのYouTubeチャンネルでライブ放送されます。

 

 

男子Billabong Pro Pipeline

女子Billabong Pro Pipeline

 

ビラボン・プロ・パイプラインの男子準々決勝
HEAT 1:ケリー・スレーター(アメリカ) 対 五十嵐カノア(JPN)
HEAT 2:ミゲル・プポ(BRA)対ルッカ・メシナス(PER)
HEAT 3:セス・モニーツ(HAW)対ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
HEAT 4:カイオ・イベリ(BRA)対サミュエル・プポ(BRA)

ビラボン・プロ・パイプライン・ウィメンズ・ラウンドオブ16
HEAT 1:サリー・フィッツギボンズ(AUS)対マリア・マニュエル(HAW)
HEAT 2:タイラー・ライト(AUS)対インディア・ロビンソン(AUS)
HEAT 3:タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)対モアナ・ジョーンズ・ウォン(HAW)
HEAT 4:イザベラ・ニコルズ(AUS)対ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)
HEAT 5:カリッサ・ムーア(HAW)対ベサニー・ハミルトン(HAW)
HEAT 6:ガブリエラ・ブライアン(HAW)対ブリサ・ヘネシー(CRI)
HEAT 7:ジョアン・ディフェイ(FRA)対モリー・ピックラム(AUS)
HEAT 8:レイキー・ピーターソン(アメリカ)対ルアナ・シルバ(HAW)

 

 

Billabong Pro Pipeline Men’s Round of 32 Results:
HEAT 1: Barron Mamiya (HAW) 10.77 DEF. Conner Coffin (USA) 8.57
HEAT 2: Kelly Slater (USA) 11.70 DEF. Jake Marshall (USA) 1.50
HEAT 3: Kanoa Igarashi (JPN) 7.67 DEF. Owen Wright (AUS) 5.63
HEAT 4: Leonardo Fioravanti (ITA) 9.66 DEF. Nat Young (USA) 7.33
HEAT 5: Italo Ferreira (BRA) 13.67 DEF. Miguel Tudela (PER) 9.60
HEAT 6: Miguel Pupo (BRA) 12.84 DEF. Connor O’Leary (AUS) 7.10
HEAT 7: Carlos Munoz (CRI) 12.37 DEF. Frederico Morais (PRT) 7.43
HEAT 8: Lucca Mesinas (PER) 12.23 DEF. Kolohe Andino (USA) 11.10
HEAT 9: Filipe Toledo (BRA) 12.44 DEF. Ivan Florence (HAW) 9.50
HEAT 10: Seth Moniz (HAW) 12.00 DEF. Ezekiel Lau (HAW) 10.27
HEAT 11: Joao Chianca (BRA) 13.37 DEF. Jack Robinson (AUS) 8.33
HEAT 12: John John Florence (HAW) 14.57 DEF. Jackson Baker (AUS) 5.40
HEAT 13: Caio Ibelli (BRA) 11.23 DEF. Griffin Colapinto (USA) 10.43
HEAT 14: Callum Robson (AUS) 10.97 DEF. Ethan Ewing (AUS) 10.00
HEAT 15: Samuel Pupo (BRA) 14.00 DEF. Deivid Silva (BRA) 5.26
HEAT 16: Jordy Smith (ZAF) 14.00 DEF. Matthew McGillivray (ZAF) 10.00

Billabong Pro Pipeline Men’s Round of 16 Results:
HEAT 1: Kelly Slater (USA) 17.23 DEF. Barron Mamiya (HAW) 15.17
HEAT 2: Kanoa Igarashi (JPN) 11.70 DEF. Leonardo Fioravanti (ITA) 10.50
HEAT 3: Miguel Pupo (BRA) 12.40 DEF. Italo Ferreira (BRA) 8.73
HEAT 4: Lucca Mesinas (PER) 3.07 DEF. Carlos Munoz (CRI) INJ
HEAT 5: Seth Moniz (HAW) 8.00 DEF. Filipe Toledo (BRA) 3.50
HEAT 6: John John Florence (HAW) 17.77 DEF. Joao Chianca (BRA) 16.74
HEAT 7: Caio Ibelli (BRA) 12.83 DEF. Callum Robson (AUS) 5.23
HEAT 8: Samuel Pupo (BRA) 15.16 DEF. Jordy Smith (ZAF) 8.20