東京オリンピックで華々しいデビューを飾ったサーフィン競技。日本の五十嵐カノアは銀メダル。都筑有夢路は銅メダル獲得と開催国の意地を見せて、サーフィン競技で2つのメダルを獲得した。
そんな東京オリンピックも無事閉幕し、サーフィン界では再び世界タイトルをかけたチャンピオンシップツアーの戦いが再開される。
次の試合は本日8月10日からメキシコで開催。イベント期間中、最初の数日間は南のうねりが有利に働く見込みで、予定通りに試合が行われそうだ。 日本時間の10日の今夜9時からスタート予定。
現地時間の 2021年8月10日7時は、日本時間の 2021年8月10日21時です。
そんなイベント開始直前のなかでWSLが五十嵐カノアの注目記事を掲載したので紹介したい。
ガブリエル・メディーナを終了ホーン直前のエアで倒すことができれば、誰でも倒すことができる。レギュラーシーズン最後から2番目のメキシコでのイベントを控えた五十嵐カノアの頭の中には、そういった思いがあるに違いない。
サーフィンのオリンピック準決勝で、五十嵐は完全に追い込まれていた。しかし彼は終了間際の大逆転でメディーナを破り、オリンピック日本代表として銀メダルを獲得した。五十嵐の両親が、カリフォルニアへ移住し、プロサーファーとしての息子を支えてきた数十年間の努力が報われた瞬間でもあった。
オリンピックの準決勝は、これまでのキャリアの中で最も特別なヒートだった。
五十嵐はこのオリンピックの準決勝を「これまでのキャリアの中で最も特別なヒートの一つ」と語っている。「メダル獲得のためには、世界最高のサーファーを相手に、最後の8分間で9点を取る必要があり、プレッシャーを感じていましたが、自分にとっては大きなチャンスだと思っていました。波が来てくれて本当に感謝しています」と語った。
五十嵐カノアにとって、栄光への道には多くの試練があった。 彼はチャンピオンシップツアーで苦労したやせっぽちの子供から、CTイベントでの優勝、そして今ではオリンピックのメダリストとなった。
しかし、世界タイトル獲得という最高のチャンスを生かすためには、再び調整し集中しなければならない。
カリフォルニアで育った五十嵐は、初のリップカールWSLファイナルが開催されるローワー・トレッスルズの波を熟知している。現在ランキング6位につけている五十嵐だが、今大会ではたくさんのカードが転がり込んでいる。
まず、現在のWSLファイナル5サーファーでランキング5位であるグリフィン・コラピントとの差はわずか690ポイント。これは決して乗り越えられない壁ではない。彼は今の自分を絶好調だと感じているはずだから。
次に、現在7位と10位のジョーディ・スミスとジョン・ジョン・フローレンスがバラ・デ・ラ・クルスに出場しないこと。彼らは、彼のWSLファイナル5進出を脅かす存在だったが、今ではその可能性はない。
もちろん、カノアは「コロナ・オープン・メキシコ」のラウンド1の第1ヒートで、11度の世界チャンプであるケリー・スレーターとアメリカのオリンピック選手であるコロヘ・アンディーノという強敵との戦いが待ち構えている。
第三に、カノアはハイパフォーマンス・ライトハンダーでの実績があるといこうと。素晴らしいコンディションとなったクラマスで開催された「コロナ・バリ」でCTイベント初優勝を果たした。さらに、2018年と2019年にはJ-Bayでファイナルデイに進出。バラの波は、彼のテクニカルなスタイルにぴったり合っている。
何が起こっても不思議ではないが、五十嵐がWSLファイナル5に入るためには、メキシコで良い成績を残す必要がある。シーズン最後のタヒチ戦にそのチャンスを持ち越すのは、あまりにもリスクが高すぎる。
五十嵐は、自分がこの位置に来るまでに何をしてきたかを知っている。オリンピックの準決勝で、サーフィン界で最もタフな選手であるガブリエル・メディーナと対戦したとき、彼はそのことを分かっていた。
そして、他の選手であれば崩れてしまうような場面でも、彼は立ち上がり、トレッスルズで世界タイトルを獲得するためのエアを決めた。トレッスルズでは、1日限りのサーフオフでチャンピオンが決まる。
五十嵐はバラで勝てることを知っているし、トレッスルズでも勝てることを知っている。ツアーに参加している多くのサーファーは、メディーナが出場していることを知って疑心暗鬼になっているが、今の五十嵐は、プレッシャーが最大になっても彼に勝てることを知っている。これは何物にも代えがたい自信だと言えるだろう。
もし、五十嵐がメディーナやイタロ・フェレイラ、フィリーペ・トリードなど、CTのトップレベルの選手と対戦することがあれば、釣ヶ崎海岸での戦いを思い出すことになるだろう。
Corona Open Mexico presented by Quiksilver は2021年8月10日に開幕。1分たりともお見逃しなく。