大原洋人が帰国後初の記者会見で「その時は複雑な思いだった」と村上舜との直接対決についてコメント。

大原洋人  PHOTO: ISA Sean_Evans

サーフィン競技の東京五輪最終選考大会となる国際サーフィン連盟(以下、ISA)主催の 「2021 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games」 で団体で銀メダルを獲得した NAMINORI JAPAN 日本代表選手団が帰国し、記者会見が行われた。

 

今回は選手、スタッフは帰国後の隔離中のためオンラインでの会見となった。

 

会見では、酒井理事長、井本副理事長が挨拶、それに続き今回エルサルバドルに帯同された宗像副理事長、そしてオリンピック日本代表に内定した大原洋人、前田マヒナ、都筑有夢路がそれぞれの思いを語った。

 

酒井理事長は「今大会で日本のサーフィンレベルも世界レベルになったことを実感。次の目標はメダルを獲得すること、それもより輝いたメダルを目指していきます。今回オリンピックを出場権を獲得した選手には、悔しい思いをした選手の分まで頑張ってもらいたいと思っています。地の利を生かして頑張っていきます。」とコメント。

 

井本副理事長は「初のオリンピックで日本としては、最大の4枠を取れて本当に喜んでいます。今回敗退してしまった2名の選手については、オリンピックの選考の難しさ痛感ししたのと同時に、これが次につながる強さになると思っている。これは日本のサーフィン界にとって通り道であり、オリンピック・サーフィンの良い経験値になったと思っている。」

 

今回エルサルバドルで、共に戦った宗像副理事長は「今大会ではPCR検査が3回行われ、日本チームは陽性者も出ることなく無事に終わることができた。海岸でもマスク着用、アルコール除菌の徹底など厳しく行われていた。今回の大会は暑さとの戦いであり、水分補給やアイシングなどを行っていたが、ファイナルデイはヒート数も多く、選手はかなり堪えていた。本番の時にその辺りも備えていきたい。

 

今回の大会は、いつもの世界戦とは違いオリンピックの最終予選でありました。団体戦での優勝を目指すとともに、個人の成績を上げ、オリンピックの出場枠の獲得という部分もあり大変な部分もありましたが、各選手自分の持てる力を最大限に出し切れたんではないかなと思っています。」とコメント。

 

 

自分が勝ったと分かった時は複雑な思いでしたね。

 

 

大原洋人

 

「今大会には優勝するつもりで行って、優勝することは出来なかったんですけど、地元で開催されるオリンピックの出場枠を獲得出来て本当に嬉しいです。

 

オリンピック会場となるのは、自分がサーフィンを始めた場所で、いつも練習している場所なので、波の癖などをもう一度確認して、100%の力を出して、良い結果が出せるように頑張りたいと思います。」

 

大原洋人 PHOTO: ISA Pablo_Jimenez

 

「リパチャージに回った時の試合は本当に酷かったので、心も折れそうになったのですが、まだチャンスがなくなったわけではなかったので、気持ちを切り替えて挑みました。」

 

波乗りジャパン PHOTO: ISA Ben_Reed
大原洋人  PHOTO: ISA Ben_Reed

 

村上舜との直接対決については「まず二人で決勝に行こうと話はしていました。ヒートが終わって自分が勝ったと分かった時は複雑な思いでしたね。すでにカノアは決勝に行けるっていうのが分かっている状況で、常に3人で決勝に行ってチームの金メダルとろうって言っていたので、自分がオリンピックの切符を手にしたというよりは、それが叶わなくなってしまったという気持ちが大きかったです。

 

一番最悪な形は、自分が勝ち上がって、舜が負けて自分が内定貰うみたいのが一番嫌だったので、同じヒートでお互いに全力を出し合って戦えて良かったという思いでハグしました。

 

 

大原洋人 PHOTO: ISA Pablo_Jimenez

 

試合後に舜からは『頑張ってくれ!』と言われました。自分はこの試合でようやく内定をもらえたという感じで、舜の方は2年近くずっと条件付き内定ということで、色々と大変な思いをしているようだったので彼の分までオリンピックで良い結果を出せたら良いなと思います。」

 

 

いまできる全てのサーフィンを見てもらいたい

 

 

「生まれ育った場所で、波がどんな状況にあっても一番詳しいんじゃないかなという自信もあり、全てのサーフィンの技をそこで覚えたと言っても過言ではないので、オリンピックでは今できる全てのサーフィンを見てもらいたいなと思っています。」