都筑有夢路と前田マヒナのオリンピック日本代表確定。カノア、村上、大原、前田の4名がファイナルデイに進出。

都筑有夢道と前田マヒナ

エルサルバドル、2021年6月5日 – サーフィン・オリンピックの最終予選である「2021サーフシティ・エルサルバドルISAワールドサーフィンゲームス」大会7日目が終了。本日の会場となったラ・ボカナでは、明日のファイナルデイを前にオリンピック出場権獲得者が次々と決定した。

 

40名のオリンピックサーファーのうち39名が、来月の東京2020でのサーフィンのオリンピックデビューに向けて正式に決定。今回のイベントでは、上位に入った男子5名、女子7名に出場枠が与えられ、そのうち11名が本日決定した。

 

 

 

女子7名の出場枠を獲得したのは、ポルトガルのテレサ・ボンバロとヨランダ・セケイラ、コスタリカのレイラニ・マクゴナグル、ペルーのダニエラ・ロサス、日本の前田マヒナと都筑有夢路、フランスのポーリン・アド。

 

男子5枠のうち4枠は、ドイツのレオン・グラツァー、ペルーのルッカ・メシナスとミゲル・トゥデラ、チリのマニュエル・セルマンが獲得した。

 

残る男子の1枠は、日本の大原洋人と村上舜の2人のサーファーによって決定される。村上はメインイベントで、大原はリパチャージで、ともにファイナルデーに進出。どちらか上位の選手に最後の一枠が手渡される事となる。

 

 

波乗りジャパン  PHOTO: ISA Sean_Evans

 

 

また、これまでの予選イベントで暫定的に獲得していた出場枠が、他のサーファーに再配分された。リマ2019年パンアメリカンゲームの金メダリストであるペルーのメシナスとロサスの両選手が、より優先度の高いイベントである今回の2021年ワールドサーフィンゲームを通じて資格を獲得したことから、パンアメリカンゲームの両枠は、同イベントの銀メダリストに再配分された。

 

そのため、アルゼンチンのレアンドロ・ウスナがパンナムゲームの男子枠を獲得し、エクアドルのドミニク・バロナが女子枠を獲得した。

 

 

インドネシアの和井田理央にアジア枠

 

日本でもおなじみの和井田理央  PHOTO: ISA Sean_Evans

 

村上と大原の2人の日本男子が、日本の最後の男子枠を埋めるために競っていることを考えると、村上が2019年ワールドサーフィンゲームズで獲得した2019年のアジア枠は、次に資格のあるアジア人サーファーに再配分されることになり、インドネシアの和井田理央が対象となった。

 

 

ソフィア・ムラノビッチにもアジア枠

 

運命的なことに、2019年ISAワールド・サーフィン・ゲームズの金メダリストであるペルーのソフィア・ムラノビッチは、今週初めのイベント敗退しオリンピック出場の道を閉ざされていたが、日本女子が今回の試合から2名のクオリファイが決定したため、日本の松田詩野が、2019年ワールド・サーフィン・ゲームズで獲得した暫定枠も、次に出場できるサーファーに再配分されることになった。

 

しかし、オリンピック出場資格の基準を満たすアジア人女性サーファーがランキング上位30名に含まれていなかったため、金メダルを獲得したムラノビッチにその枠が与えられることになった。ムラノビッチは、男女各2名の出場枠を最大限に活用し、フルメンバーで臨むチーム・ペルーの一員となる。

 

 

五十嵐カノア PHOTO: ISA Ben_Reed

五十嵐カノアがトップでメインラウンドを勝ち続ける。

 

男子メインラウンド6のH1で波乗りジャパンの五十嵐カノアと大原洋人が、フランスのジョアン・ドゥルーと対戦。今日のカノアはスタートから積極的に波を掴んで行く作戦。ジョアン・ドゥルーはライトブレイクを掴み、バックハンドでソリッドなバックハンドサーフィンを披露し、エクセレントに近い7.50をスコアしてヒートをリードする。

 

五十嵐カノア PHOTO: ISA Sean_Evans

 

リズムよくライトの波を掴んで行くカノアは、高速マニューバーで4.67、6.93とスコアを重ねて行く。エクセレントレンジのスコアを持つドゥルーはバックアップ5.93をスコアしてリードを広げていく。大原洋人は、前半にスコアリングウェイブをつかめず2位を強いられる展開。大原は優先権を持ち波を待ち続ける。

 

 

五十嵐カノア PHOTO: ISA Ben_Reed

 

完全に乗るべき波が見えているカノアは、再びライトブレイクを掴み、ソリッドなダイナミック・サーフィンを爆発させて7.17をスコア。大逆転でトップに躍り出る。コンビネーションに追い込まれてしまった大原は、ヒート終了間際に5.97をスコアしたが、惜しくもリパチャージR10へ回った。

 

 

大原洋人の反撃。

 

大原洋人 PHOTO: ISA Pablo_Jimenez

 

敗者復活のリパチャージ・ラウンド10に回った大原洋人は、チリのマニュエル・セルマン、ドイツチームのレオン・グラッツァーと対戦。後がない大原は、気合いのサーフィンで7.50、5,70をスコアしてトップで勝ち上がった。大原がグランドファイナルまで勝ち上がるにはRP11とRP12の2回を勝ち上がらなくてはならい。

 

大原洋人 PHOTO: ISA Sean_Evans
大原洋人 PHOTO: ISA Pablo_Jimenez

 

メインラウンド負けて、めちゃくちゃ落ち込んでました。

 

「メインラウンドのヒートは情けない試合だったので、自分的にどうやったらもっと高い点が出せるかなとか、どういう波に乗ったらいいかなとかを課題としてリパチャージは挑みました。

あと2回勝って決勝なので、その2回を勝って決勝で一番いいパフォーマンスができるように、もっともっといろんな事にチャレンジして、もっともっと高い点出していこうと思います。

メインラウンド負けて実際、めちゃくちゃ落ち込んでて、でもまだ終わりではなかったし、この試合は優勝しに来たので、まだチャンスは残っているし、切り替えて出来て良かったです。」大原洋人

 

 

村上舜 PHOTO: ISA Sean_Evans
村上舜 PHOTO: ISA Sean_Evans

 

 

村上舜はトップ通過で勝ち進む。3大会連続のグランドファイナルなるか。

 

 

H2に登場した村上舜は、CTサーファーのジェレミー・フローレスとインドネシアのケトゥ・アグスと対戦。村上舜はスタートからレフトブレイクをキャッチ。フォアハンドでドライブの効いたボトムターンからエアドロップ気味にのリエントリーをメイク。フルレールのカーヴィングターンをコンビネーションしコンプリート。そのライディングでエクセレントレンジの7.50をスコアする。

 

 

村上舜 PHOTO: ISA Sean_Evans

 

攻め続ける村上は、空に飛び出すような打点の高いリエントリーからクローズセクションをレイバックスラッシュで粉砕。6.17をスコアし、完全にヒートをリード。そのまま最後までシチュエーションは変わらず、村上舜がCTサーファーのジェレミー・フローレスを抑えてトップでラウンドアップを決めた。

 

 

村上舜 PHOTO: ISA Sean_Evans

 

これでファイナルデイに勝ち上がった村上舜は、メインラウンドのファイナルに進出。同じ波乗りジャパンの五十嵐カノアと、フランスのジェレミー・フローレスとジョアン・ドゥルーと対戦する。これを勝ち上がれば、田原、宮崎に続く3大会連続のグランドファイナル進出となる。

 

 

作戦通りですね。落ち着いてヒートの流れを見て出来た

 

村上舜

 

「作戦通りですね。最初に2本乗れたからリラックスしてやれました。早いスタート切って、そのあと落ち着いてヒートの流れを見て出来たんで良かったです。サーフィン自体の調子が凄く良くなってきていて、このまま行きたいなって思っています。ここの波にも慣れてきたんで、あとはヒートで良い波に乗るだけです。」村上舜

 

 

 

波乗りジャパン、男子残り一枠をかけた戦いは続く

 

 

これで村上舜、大原洋人ともにオリンピック代表権獲得の上位5名に入ることは確実となり、明日のファイナルデイにおいて、ふたりのどちらか上位になった選手がオリンピックの出場資格を獲得することとなる。

 

また、2019 ISA宮崎大会で村上舜がアジア枠として獲得していた暫定的な出場権は、インドネシアの和井田理央に新たに割り当てられる事になった。

 

 

都筑有夢路、前田マヒナのオリンピック日本代表が決定。

 

 

前田マヒナ ©︎日本サーフィン連盟NAMINORI JAPAN

 

女子メインラウンド5の前田マヒナは、前半に2位をキープしていたが、ポルトガルのテレサ・ボンバロが7ポイントをスコアして、3位に押し出され、敗者復活のリパチャージラウンド8を強いられる展開となった。

 

都筑有夢路  PHOTO: ISA Ben_Reed

 

一方、女子リパチャージ・ラウンド7のH2で都筑有夢路は、世界チャンピオンのステファニー・ギルモアとアメリカの新鋭アリッサ・スペンサーと対戦。

 

スタートから都筑は、得意のバックハンドでチャージを見せて4.17をスコア。スペンサーはフォアハンドでビッグマニューバーのコンビネーションで5.83をスコア。続けてライトブレイクにテイクオフし、バックハンドではクリティカルなターンをバックハンドでも披露し5.17をスコア。

 

都筑有夢路 PHOTO: ISA Pablo_Jimenez

 

都筑も再びレフトのビッグセットを掴み、ドライブの効いたボトムターンからソリッドなトップターンを2発決めて4.73をマーク。アリッサに次いで2位につける。その後セットは入らず、シチュエーションは変わらず時間だけが過ぎ、終了間際に都筑がライトにチャージを見せ、見事2位でラウンドアップを決めた。

 

前田マヒナ PHOTO: ISA Pablo_Jimenez

 

リパチャージ・ラウンド8では、波乗りジャパンの前田マヒナと都筑有夢路が、トップCTサーファーのサリー・フィッツギボンズ、アルゼンチンのルチア・インドゥラインと対戦。

 

前田マヒナがスタートから6.00と5.57をスコアしヒートをリード。都筑有夢路もバックハンドでチャージを見せるもスコアが伸びず。サリーがトップに躍り出て、都筑は4位という展開。

 

都筑有夢路  PHOTO: ISA Pablo_Jimenez

 

前田は後半に入り、再びフォアハンドで大きくスプレーをあげる素晴らしい演技を披露。5.80をスコアしてバックアップを塗り替え2位をキープ。都筑も最後に目の覚めるようなバックハンドサーフィンで4.33をスコアして3位となり、タイムアップとなった。

 

前田マヒナは、サリーに次いで2位でラウンドアップ。都筑有夢路は惜しくも3位で敗退で今大会を最終的に9位でフィニッシュ。

 

前田マヒナ PHOTO: ISA Sean_Evans

 

この時点で、上位9名の選手のなかに、CT枠で五輪出場権が確定しているサリーや、すでに2名の出場枠が決定しているアメリカの選手が含まれていたため、上位7名に入ることになった前田マヒナと都筑有夢路が、東京オリンピックのサーフィン日本代表に確定した。

 

一方で、前回のISA宮崎大会でアジア枠として条件付き内定を得ていた松田詩野は、惜しくも代表入りを逃す結果となってしまった。誰よりも多くの重圧のなかで戦ってきた松田詩野。ここまで本当によくやったと声をかけてあげたい。

 

 

東京2020オリンピック出場者

 

女子20名

2019年WSLチャンピオンシップツアー

カリッサ・ムーア(USA)
キャロライン・マークス(USA)
タティアナ・ウェストン・ウェッブ(BRA)
シルヴァナ・リマ(BRA)
ブリサ・ヘネシー(CRC)
サリー・フィッツギボンズ (AUS)
ステファニー・ギルモア (AUS)
ジョアン・ディフェイ(FRA)

2021年ワールド・サーフィン・ゲームズ

ヨランダ・セケリア(POR)
テレサ・ボンバロ(POR)
ダニエラ・ロサス(PER)
レイラニ・マクゴナグル(CRC)
前田マヒナ(JPN)
都筑有夢路(JPN)
ポーリン・アド(FRA)

2019年ワールド・サーフィン・ゲームズ

アナト・レリオル(ISR)
ビアンカ・ブイテンダグ(RSA)
エラ・ウィリアムズ(NZL)
ソフィア・ムラノビッチ(PER)

2019年パンナムゲームズ

ドミニク・バローナ(ECU)

 

 

男子20名

2019年WSLチャンピオンシップ・ツアー

ガブリエル・メディーナ(BRA)
イタロ・フェレイラ(BRA)
コロヘ・アンディーノ(USA)
ジョン・ジョン・フローレンス(USA)
オーウェン・ライト(AUS)
ジュリアン・ウィルソン(AUS)
ジェレミー・フローレス(FRA)
ミシェル・ボレーズ(FRA)
五十嵐カノア(JPN)
ジョーディ・スミス(RSA)

2021年ワールド・サーフィン・ゲームズ

レオン・グラッツァー(GER)
ミゲル・トゥデラ(PER)
ルッカ・メシナス(PER)
マニュエル・セルマン(CHI)
村上舜(JPN)大原洋人(JPN)のどちらか1スポット

2019年ワールド・サーフィン・ゲームズ

和井田理央(IND)
フレデリコ・モライス(POR)
ビリー・ステイルマンド(NZL)
ラムジ・ブキアム(MAR)

2019年パンナムゲームズ

レアンドロ・ウスナ(ARG)

 

波乗りジャパン  PHOTO: ISA Pablo_Jimenez

 

チームジャパンは史上2つ目のチーム金メダルを目指す。

 

明日、大会最終日を迎える波乗りジャパンは、チームとしての金メダル獲得を目指している。金メダルを獲得すれば、田原市で開催されたワールド・サーフィン・ゲームズで獲得した初の金メダルに続き、大会史上2つ目の金メダルとなる。

 

日本は現在、男子は五十嵐カノア、村上舜、大原洋人の3名が残り、女子は前田マヒナが残っているため、最も多くのポイントを獲得できる可能性があり、現在暫定トップを維持している。さあ、今大会も残りはあと1日。頑張って日本を応援していくぞ!

 

がんばれ!日本!

 

 

スケジュール表
LA BOCANA
午前7時30分~午前7時55分
女子リパチャージ・ラウンド9 1ヒート(前田マヒナ)
午前7時57分~午前8時22分
男子リパチャージ・ラウンド11戦、1ヒート(大原洋人)
午前8時24分~午前8時49分
女子メインイベント・ラウンド6、1ヒート
午前8時51分~午前9時16分
男子メインイベント・ラウンド7、 1ヒート(カノアと村上舜)
午前9時18分~午前9時43分
女子リパチャージ・ラウンド10、 1ヒート
午前9時45分~午前10時10分
男子リパチャージ・ラウンド12、1ヒート
午前10時15分~午前10時45分
女子決勝
午前10時50分~午前11時20分
男子決勝
12:45PM
閉会式

現地時間の 2021年6月6日7時30分 は、
日本時間の 2021年6月6日22時30分です。

 

ライブ中継、詳細スケジュールなどは、大会オフィシャルサイトにてご確認ください。

https://isasurf.org/