バンザイパイプライン、オアフ島/ハワイ/アメリカ(2020年12月20日日曜日)-ワールドサーフリーグ(WSL)2021チャンピオンシップツアー(CT)の開幕戦が男女ともファイナルデイを迎え、今年50周年を迎える「ビラボン・パイプ・マスターズ in Memory of Andy Irons presented by Hydro FlasK」でハワイのジョン・ジョン・フローレンスが初のパイプマスターに輝き、女子の「マウイプロ pres. by ROXY」では、タイラー・ライトが優勝して幕を閉じた。
2021年の開幕戦は男女共、想定外のアクシデントに見舞われ、一時中断を余儀なくされたが、ウエイティング期間の最終日に大会を終えることが出来た。
今回、活躍が期待されていた日本の五十嵐カノアがファイナルデイのR4のヒート7に登場。ブラジルのジャドソン・アンドレと対戦した。
カノアはファーストウェイブからバックドアのディープなバレルをメイクして5.50をスコア。パイプラインでもバックハンドのグラブレールでバレルをメイクし6.83をスコア。ジャドソンの追い上げを振り切ってクオーターファイナル進出を決めた。
続いて行われたクオーターファイナルでは、2度の世界チャンピオンであるガブリエル・メディーナと対戦したカノア。しかし、コンディションが悪化して両者ともスコアを伸ばせないまま後半戦へ。
カノアはバックドアでバレルをメイクし4.33をスコアしてヒートをリード。しかし、残り時間5分を切り、メディーナがパイプにプルイン。サイズはないもののディープでクリティカルなバレルをメイクして大逆転勝利。カノアは惜しくもここで敗退となったが、開幕戦で5位入賞を果たし、まずまずのスタートを切った。
「このようなコンディションの時のパイプは難しいです。良い波を探さなければならなかった。そのチャレンジも楽しいものでした。これからもっと大きなスウェルも入ってきて、風もオフショアの日が多くなると思うので、次のサンセットの大会も楽しみにしています。」と、五十嵐カノアがインタビューに答えた。
2016年に行われた「ビラボン・パ イプ・マスターズ in Memory of Andy Irons.」では、ミシェル・ボレーズ(PYF)とファイナルを戦った五十嵐カノア。CTツアー初年度のパイプマスター初出場でファイナル進出という快挙を成し遂げた。
その時は惜しくも優勝を逃したものの、ファイナルまでに11回のWSLチャンピオン・ケリー・スレーター(USA)とジョディ・スミス(ZAF)を下し勝ち上がった。
「それは確か2016年だと思うんですけど。その時は、今日とはちょっと違うコンディションで、バックドアが良いコンディションでした。今日は西うねりが強い感じでパイプのコンディションしたね。パイプはすごく綺麗に見えても難しい。長い板を使わなければならないしトリッキーです。」
「今回の試合は、コロナの影響でビーチにギャラリーの人が誰もいなくて、ちょっと寂しい感じでしたけど、ライブ中継を見てくれているファンのみなさんの応援があって頑張れました。これからも引き続き応援よろしくお願いします。」とコメント
ファイナルは、ジョンジョンとメディーナの対戦。先制攻撃を仕掛けたのはメディーナで、スタートからパイプとバックドアでバレルをメイクしてヒートスコア11.10でヒート前半をリードする。後半に入りエンジンが掛かりスコアを重ねていくジョンジョンは、パイプで6.17をスコアして戦いは振り出しに戻る。
しかしメディーナが依然としてリードし優先権を持ったまま。ヒート終盤に入り、ジョンジョンは優先権のない状況で、パイプにテイクオフ。ディープでクリティカルな難しいバレルを高速でメイクして大逆転。そのまま逃げ切り、悲願の初パイプマスターの称号を手に入れた。
次回の第2戦となるWSL男女CTイベント「サンセット・オープン」は現地時間で1月19 – 28日のウエイティング期間で行われる予定。
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