イザベラ・ニコルズ(AUS)が優勝。前田9位。都筑有夢路の日本女子初のCT入りへ残された可能性。

優勝したイザベラ・ニコルズとメイシー・キャラハン© WSL / Ethan Smith

ポート・スティーブンス、ニューサウスウェールズ州、オーストラリア(2019年11月17日、日曜日)今シーズン最後の女子QS6000イベント「ポート・スティーブンス・トヨタプロ」が終了。イザベラ・ニコルズ(AUS)がファイナルでメイシーキャラハン(AUS)を倒し見事優勝。有終の美を飾り、QSランキングもトップに躍り出て来季のCT入りを決めた。

 

今シーズン前半の2つのQS6,000イベントで準優勝したニコルズは、エリート・チャンピオンシップツアーへの出場資格を得るための確実なポジションにいた。今回のイベントもランキング3位のまま挑み、その強さを維持して今シーズンのQSチャンピオンとなった。

 

イザベラ・ニコルズ  © WSL / Ethan Smith

 

「自分がいま感じていることを言葉では説明することすらできません。」とニコルズは言った。 「今年はすでに2回ほど2位を獲得しました。それは素晴らしいことでしたが、今年最後のコンテストで優勝することができ本当に嬉しいです。更にQSチャンピオンにもなれて本当に信じられません。」

 

イザベラ・ニコルズ WSL / Tom Bennett

 

今回のイベントを通して素晴らしいパフォーマンスを見せていたニコルズ。ファイナルでもセミファイナルのパーフェクトに近い9.77をはじめとする高得点の数々をたたき出した。キャラハンとのファイナルでは、終始追いかける形となったニコルズだったが、残り5分で大逆転。そのまま逃げ切り勝利を決めた。

 

「ここは私が今までサーフィンした中で最も楽しいビーチブレイクの1つです。今週は波があり、今日は最高にいい波でした。ファイナルでメイシーと戦えて素晴らしかったです。彼女は一週間ずっと良いサーフィンをしていて、強敵だと思っていたので、勝てて本当に嬉しいです。」

 

メイシー・キャラハン   © WSL / Ethan Smith

 

2019チャンピオンシップツアー・ルーキーのメイシー・キャラハンは厳しいシーズンを過ごし、CTツアーとQSツアーの両方で良い結果を残せずに苦しんでいた。そして、シーズン終盤を迎えて、リクオリファイは厳しい状況に追い込まれていた。

 

キャラハンは昨年と同様、2020年のチャンピオンシップツアーでスポットを確保するために、このポートスティーブンス・トヨタプロでファイナルまで勝ち上がる必要があった。そして、土壇場でキャラハンは見事ファイナル進出を果たし、ランキングを12位アップさせ、来年の「ドリームツアー」のスポットを手繰り寄せた。

 

「今日は昨年とまったく同じように感じました」とキャラハンは言った。 「非常に緊張していましたが、何故だか心地良い感じでしたね。ここビルビーが本当に好きだからだと思います。今日何が必要かはわかっていましたが、それはただ良いサーフィンをし、いくつかのヒートを勝ち上がるだけでした。

 

とても長くてつらい一日でしたが、本当に楽しい波でした。ベラ(ニコルズ)とファイナルを共有できて良かったです。来年のツアーに彼女が入れて嬉しいです。彼女はとても素晴らしいサーファーですが、それが難しいことなのは知っていました。結局、彼女は私を倒して、すべてが上手くいったんです。」

 

ブリーサ・ヘネシー WSL / Ethan Smith

 

また、キーリー・アンドリュー(AUS)とブリーサ・ヘネシー(CRI)も2020年のチャンピオンシップ・ツアーのスポットが確実となった。 2018年にツアーから脱落し、今年タイラー・ライトの怪我のリプレイスでサーフしたアンドリューは、今回5位フィニッシュを果たし、2020年にフルタイム・コンペティターとしてCT入りを決めた。ヘネシーもまた3位でフィニッシュし、リクオリファイが確実となった。

 

前田マヒナは最後の最後で悔しい敗退。

 

マヒナ前田  © WSL / Ethan Smith

 

ケアラ・トモダ・バナートと対戦した前田マヒナ。ケアラがレフトに的を絞り、バックハンドで先制攻撃を仕掛け、ベスト2を揃えてヒートをリードしていく。ヒート前半ノーライドだった前田は、残り12分になりバックハンドで4.57をスコア。しかしニード5.77と追い込まれて前田。残り時間10分を切って、ライトブレイクにテイクオフ。バックハンドでオープンフェイスでマニューバーを描き、5.93をスコアして逆転に成功する。

 

残り時間は3分。ケアラはライトでフォアハンドのソリッドなワンターン。それがまさかの5.10。再び逆転される前田。もう波は来ないのかと思った瞬間、残り時間1分を切って、前田が起死回生のグッドレフトをつかんだ。

 

前から迫るスープに当て込むようにブローテールのカーヴィングでスプレーをあげる。しかし厚いセクションにはまりそこでライディングは終了。ニード4.84。しかしスコアは4.00と僅かに届かず。前田マヒナは惜しくもここで敗退となり、今シーズンを最終ランキング15位で終えた。

 

前田マヒナ(JPN)は、2020年のCT入りは叶わなかったが、来シーズンは新しいハイシード・スターティング・スポットで2020チャレンジャーシリーズとQSイベントで再びチャレンジを見せてくれるだろう。

 

 

都筑有夢路のクオリファイはCT最終戦終了まで保留。

 

 

日本の都筑有夢路(JPN)のクオリファイ・シチュエーションは、マウイで行われる最後の女子チャンピオンシップツアーイベント(11/25-12/6 女子CT最終戦「lululemon Maui Pro」)が終了するまで保留となった。

 

 

今回のイベントでランキングを3つ落とした都筑有夢路は、QSランキング8位でCTクオリファイ圏内とされてはいるが、これはCTランキングで10位にいるブリーサ・ヘネシーがCTランキングのトップ10に留まることを想定してのシチュエーション。そのため都筑の2020 CT入りは、ブリーサ・ヘネシーのマウイ島ホノルアベイでの活躍にかかってくるということ。

 

都筑有夢路

 

ブリーサが順位を下げずCTからクオリファイしてくれれば、QSからのクオリファイが一つ繰り下がり、都筑有夢路の日本女子初のCTサーファーが誕生となる。

 

ちなみに2017年のホノルアの試合ではトライアルで優勝してワイルドカードをゲットし見事5位入賞をしたブリーサ。今回もきっと良い成績を残してくれることでしょう!いや絶対にしてくれるに違いない。同じチームライダーとしてきっとやってくれることは間違いない!と願いたい!

 

追記で、今回QSからクオリファイが決定したのは、ブリーサ・ヘネシー、ブロンテ・マコーレー、イザベラ・ニコルズ、メイシー・キャラハン、セージ・エリクソン、キーリー・アンドリュー。ブリーサだけでなく、CTサーファーのブロンテ・マコーレー、メイシー・キャラハン、キーリー・アンドリューらがCTからクオリファイしてくれれば都筑有夢路にCT入りのチャンスが巡ってくる。

 

 

 

https://www.worldsurfleague.com/events/2019/wqs/3167/port-stephens-toyota-pro