プラヤ・デ・パンティン、バルドビーニョ/ガリシア-スペイン(2019年9月4日水曜日)スペイン北西部のガリシアで開催中のWSL男女QS10000「パンティン・クラシック・ABANCAガリシア・クラシック・サーフPRO」は大会4日目。
Historic Japanese Win for Amuro Tsuzuki, ABANCA Galicia Classic Surf Pro Highlights
男子R2がヒート17から再開。本日は女子はクオーターからファイナルまで行われ、日本の都筑有夢路がファイナル進出。CTサーファーのブロンテ・マコーレーを下し、見事QS10000で日本女子初優勝の快挙を達成した。
クオーターファイナルでシルバナ・リマと対戦。
今回、素晴らしいバックハンドサーフィンで、クオーターファイナルまで勝ち上がった都筑有夢路は、CTベテランのシルバナ・リマと対戦。ヒートはリマがスタートからパワフルなバックハンドで6.83をスコアして先制攻撃を仕掛ける。
それに対し都筑も力強いバックハンドのパワーハックで6.17をスコア。決してCTサーファーに引けを取らないパフォーマンスを見せる。優先権を持って波を待ったリマはセカンドウェイブでもソリッドなターンをコンビネーション。6.60をスコアする。
都筑もサイズのあるセットをキャッチ。クリティカルなセクションで板を返し、クローズセクションでビッグリエントリーを決めた。その波はエクセレントに近い7.27となり、リマを逆転してトップへ躍り出る。
後半に入り、ニード7.08と追い込まれたリマは焦ったのかウェイブ・セレクションを誤る。優先権は都筑に移り、じっくりと波を待った都筑は、残り時間6分でビッグセットをキャッチ。フィンを抜く2つのビッグターン・コンボで今大会3本目の9ポイント、9.23をスコア。圧倒的なパフォーマンスで強敵リマを粉砕し、セミファイナルへ勝ち上がった。
セミファイナルはチェルシー・トゥアックと対戦。
セミファイナルで都筑有夢路は、クオーターで、セージ・エリクソンを倒し勢いに乗るバルバドスのチェルシー・トゥアックと対戦。ここまでの二人のスコアを見ると、完全に都筑のスコアがはるかに上。都筑がここまでの調子でサーフィンできれば勝てる相手ということである。チェルシーはライトブレイクでヒートを開始。4.5をスコアする。じっくりと波を待った都筑は再びグッド・レフトをキャッチ。6.67をスコアしてヒートをリード。
クオーターファイナル同様、全く焦りや緊張を感じさせな都筑。淡々とやるべきことをヒート内でこなしている感じだ。再びビッグセットを掴むと、都筑はドライブの効いたボトムターンからトップでパワーを解放させて大きなスプレーを上げる。ファーストターンからスピード、パワー、コミットメントが感じられる素晴らしいライディングで、7.93をスコア。トータル14.10でチェルシーとの差を広げ、そのまま都筑有夢路がQS10000でファイナル進出を決めた。
ファイナルは、CT世界ランク11位のブロンテ・マコーレーと対戦。
ファイナルは、都筑有夢路とCT世界ランク11位のブロンテ・マコーレーと対戦。こんなカードを誰が想像できただろうか。スタートからライトブレイクでカットバックからのリエントリーをコンビネーションし5.67をスコアし、
リードを取る都筑。マコーレーも5.17をスコアし都筑を追撃する。
ハイタイドで波がブレイクしなくなってスローな展開。ブロンテはピークを変えて波を掴むがスコアを伸ばせない。残り10分、優先権を持って波を待つ都筑。両者ともコンディションの急変に波を見つけられず困惑を隠せない。
ヒート終盤、都筑は再びレフトを掴み、バックハンドでチャージするもトップスコアを塗り替えることはできない。
しかし、終了間際にヒートのベストウェイブを掴んだ都筑は、緩慢なセクションを見事に切り抜けてインサイドまでコンプリートしてファイナルの最高点となる6.50をスコア。そしてタイムアップとなり都筑有夢路が日本人初となるQS10000イベントで優勝という偉業を成し遂げた。
「これは夢で、今は信じられません。」と感極まる都筑が言った。 「ここに辿り着くために一生懸命トレーニングし、努力しましたが、本当に信じられない感じです。」日本選手の10000イベントでの優勝は、2015年の大原洋人のUSオープン優勝以来の快挙。
来年にオリンピック開催を控え、単なるポイントや賞金以上に、彼女の功績の重要性は、彼女の母国である日本に大きな影響を与えるものとなるはずだ。
「日本のほとんどの人は、サーフィンをスポーツだと考えていません。」と都筑は付け加えた。 「今日の私の勝利が、そんな心を変え、もっと多くの人が私たちの国でサーフィンに興味を持ち、注目してくれることを期待しています。」
今回の優勝で都筑は世界QSランク8位までジャンプアップ。これで今シーズンのCTクオリファイも夢の話ではなくなってきた。今年残っているビッグイベントは日向の3000と最終戦となるオーストラリアの6000が開催予定。夢のCTサーファーに向かって邁進する都筑有夢路にエールを送りたい!がんばれ!アムちゃん!
クオリファイング・シリーズ・ウイメンズ・トップ10:
1-ブロンテ・マコーレー(AUS)
2-セージ・エリクソン(USA)
3-イザベラ・ニコルズ(AUS)
4-タティアナ・ウエストン-ウェッブ(BRA)
5-キャロライン・マークス(USA)
6-ブリーサ・ヘネシー(HAW)
7-アリッサ・スペンサー(USA)
8-都筑有夢路(JPN)
9-キーリー・アンドリュー(AUS)
9-チェルシー・トゥアック(BRB)
また男子では、稲葉玲王がマルコス・コレア、アンディ・クリエール、チャーリー・マーティンと対戦。チャーリーがスタートからバックハンドでチャージ。7.50のエクセレントレンジのスコアでヒートを開始する。バックアップもバックハンドの2ターン・コンボで6.63をスコアしてヒート開始直後から完全ヒートをコントロール。
稲葉もセカンドウェイブで、大きなスプレーを上げる3つのソリッドなターンで5.43をスコア。稲葉は更に6.07をスコアして、トータル11.50をマークし3位につける。ヒート残り10分となり、稲葉はクローズセクションでエアリバースをメイク。7.03をスコアするも逆転ならず。チャーリーは最後に8.57のエクセレントで駄目押し。稲葉は最終4位となり、初戦敗退となった。
世界を目指して戦い続ける、日本のサーフ・アスリートたちの活躍を期待し、エールを送り続けたい。がんばれ!日本!
https://www.worldsurfleague.com/events/2019/wqs/3109/abanca-galicia-classic-surf-pro