五十嵐カノアと都筑有夢路がR3に進出。ファニングがCTヒートに復活。コナーはR2へ。ナラビーン初日

五十嵐カノア PHOTO: © WSL / Miers

オーストラリア、ニューサウスウェールズ州ナラビーン(2021年4月17日土曜日)-WSL2021チャンピオンシップツアー(CT)第3戦である「リップカール・ナラビーン・クラシック Pres. by Corona」がスタート。女子と男子のオープニング・ラウンドがトリッキーなコンディションで行われた。

女子の上位4名の選手は、不安定なスタートを切ったが、男子ではハイシード選手が活躍を見せた。

 

 

3度の世界チャンピオン、ファニングが復活。

 

ファニング PHOTO: © WSL / Miers

 

ワイルドカードとして出場のミック・ファニングが、ラウンド1のヒート6に登場。これは、2018年にフルタイムのコンペティションから引退したファニングにとって、CTジャージを着た初の試合となる。

 

ファニング PHOTO: © WSL / Dunbar

 

奇しくもファニングは、2018年の引退試合で最後に対戦した現役世界チャンピオンのイタロ・フェレイラ(BRA)と、オージー・ルーキーのモーガン・シビリックと対戦した。しかし、ファニングリズムを掴めずに3位でラウンド2の敗者復活戦へと回った。

 

トップで勝ち上がったイタロ・フェレイラ PHOTO: © WSL / Dunbar

 

「このようなファンのみんなに再び会えて本当に嬉しいです。パドリングする前にビーチを走っていると、たくさんの声援が聞こえてきて、とても感動しました。でも、これ以上のショーを見せられなかったのは本当に残念です。前回の大会で1位と3位を獲得したイタロ(フェレイラ)とモーガン(シビリック)を相手にするのは、とても難しいことでしたが、彼らは絶好調です。次のヒートでは、もう少しチャンスを得て、もっとショーを見せたいと思っています」と、ファニングがコメント

 

 

 

また、前回はCTルーキーのモーガン・シビリック(AUS)に、ラウンド・オブ・32で敗れた、2度のWSLチャンピオンであるジョン・ジョン・フローレンス(HAW)。本日のヒートでは、ヒート終了間際のバックハンド・エアリバースで逆転、2位でラウンドアップを決めている。

 

 

女子トップ4の不安定なスタート

 

カリッサ・ムーア PHOTO: © WSL / Dunbar

 

ステファニー・ギルモア(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)、タイラー・ライト(AUS)の3人の世界チャンピオンにとっては、オープニング・ラウンドのヒートで遅れをとる厳しい朝となった。ギルモアとムーアは、2位で勝ち上がるも、ライトは3位で敗者復活戦へ。ライトは、エリミネーション・ラウンド2の第1ヒートで、タティアナ・ウエストン-ウェブ(HAW)とイベント・ワイルドカードのローラ・エネバー(AUS)と対戦する。

 

都筑有夢路が、ついにチャンピオンシップ・ツアーのスタートを切った。

 

PHOTO: © WSL / Miers
都筑有夢路 PHOTO: © WSL / Miers

 

都筑有夢路(JPN)は、キャリア初となるCTヒートで、ついにチャンピオンシップ・ツアーのスタートを切った。都筑有夢路は、レイキー・ピーターソン(USA)が腰を痛めて棄権したため、ヒートの数時間前にメインステージへの招集を受けた。

 

都筑有夢路にとっては、CT初出場となっただけでなく、日本人女性がCTに出場するのは20年ぶりという素晴らしい日となった。他のCT選手と対等に戦った都筑有夢路はラウンドオブ16に進出した。

 

都筑有夢路 PHOTO: © WSL / Miers

 

「今日の試合を楽しみにしていましたが、緊張もしていたので、勝ち上がれてホッとしています。オーストラリアでの生活をとても楽しんでいますし、世界のトップレベルの人たちと戦う機会を得られたことは、私にとって特別なことです」とコメントした。

 

ヒートの詳細はこちら。都筑有夢路がCTデビュー戦で見事な戦いぶりでR3進出。日本女子としては1996年の小野里以来初のCT出場

 

 

レイキーはオーストラリア・レッグ全戦を棄権。都筑有夢路が引き続き出場なるか。

 

 

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世界ランキング8位のレイキー・ピーターソンは、チャンピオンシップ・ツアーのオーストラリア・レッグを全て欠場することを決断した。この決定は、リップカールWSLファイナル・イベントのラインナップに重大な影響を与えることになりそうだ。

 

長年、世界タイトルを争ってきたピーターソンは、腰を痛めており、医師の助言に基づき、今回のリップカール・ナラビーン・クラシックだけでなく、ブースト・モバイル・マーガレット・リバー・プロ、リップカール・ロットネスト・サーチ・プレゼンテッド・バイ・コロナの出場を辞退することになった。

 

ピーターソンは、ニューカッスルで好調なサーフィンを見せ、9位でフィニッシュ。いつ怪我をしたのかは不明だが、2021年シーズンの後半戦に向け回復にフォーカスしていると自身のSNSでコメントしている。彼女の早い復帰を願いたい。

 

 

「残念ながら腰を痛めてしまい、ここオーストラリアでの大会を辞退することになりました。この決断は非常に難しいものでしたが、医師やチームと話し合った結果、サーフィンを続けることは医療上のリスクが高くなり、最高のパフォーマンスを発揮できるとは思えません。リハビリにフォーカスし、シーズン後半にはこれまで以上に強くなって戻ってきたいと思っています。」とコメント。

 

 

また正式な発表はないが、その事により、今回ピーターソンのリプレイスで出場している都筑有夢路が、今後のCTイベント(マーゲレットリバーとロットネスト)にも引き続き出場できる可能性が濃厚になってきている。

 

五十嵐カノア PHOTO: © WSL / Miers

 

五十嵐カノアはラウンド3進出。コナーはラウンド2へ。

 

前回のニューカッスルを9位でフィニッシュした五十嵐カノアは、ラウンド1の第1ヒートで、ブラジルのヤゴ・ドラと日本とオーストラリアの国旗を背負うコナー・オレアリーと対戦。

 

レフトハンダーのコナーとヤゴ・ドラが先制攻撃を仕掛け、両者ともグッドスコアでヒートを開始。ヤゴ・ドラは得意のフルローテーションエアで6.83をマークした。フォアハンドの二人は、ワンマニューバーながら難易度の高いリエントリーでスコアを伸ばしていく。

 

一方カノアは、ファーストライドのエアでワイプアウトしリズムを掴めない様子で、ヒート後半に入ってもカノアらしいライディングを見せることが出来なかった。しかしヒートも終盤に差し掛かり、バックハンドでセットのレフトにチャージしたカノアは5.67をスコア。ジリジリと追い上げるも、バックアップがないカノアは3位を強いられ追い込まれていた。

 

優先権も持たないカノアは、二人の乗り過ごした波をつかんで最後のクローズセクションで起死回生のエアリバースをメイク。その難易度の高いテクニックはワンマニューバーながら4.30をスコアし逆転に成功。2位に浮上したカノアはそのままラウンドアップ。コナーは惜しくも3位でラウンド2へ回った。

 

カノアは、現在のランキングは4位で更なる上位を目指す。コナーはここまで2戦とも17位で、ランキングが28位。今回のイベントで巻き返しを図りたいところだ。頑張れ!日本!がんばれカノア&コナー。

 

 

明日から4日間、コンディションは期待できるようで、コンテストは続きそうだ。

 

ネクストコールは、日本時間の2021年4月18日午前5時45分。

 

 

詳細については、WorldSurfLeague.comをご覧ください。

男子:Rip Curl Narrabeen Classic presented by Corona

女子:Rip Curl Narrabeen Classic presented by Corona