稲葉玲王がQS10000で9位。WSLメンズQS10000「バリート・プロ pres. by O’Neill」ベスト8が決定。

バリート、サウス・アフリカ(2019年7月6日土曜日)南アフリカのバリート、ウィラード・ビーチで開催中のWSLメンズQS10000「バリート・プロ pres. by O’Neill」は大会5日目。本日はクリーンな朝を迎え、R4(R8)から再開。その後オンショアでコンディションを乱すも、R5までが行われ、ベスト8が決定した。

 

 

優勝候補筆頭の南アフリカを代表するCTサーファーであるジョーディ・スミス(ZAF)がR5で敗退する番狂わせが発生。元ワールド・チャンプのエイドリアーノ・デ・スーザもR4で敗れた。一方でベイリック・デ・ヴィリースが、QSランキングで最高位となったサウス・アフリカンとして、チャンピオンシップ・ツアー(CT)イベント「コロナ・オープンJ-ベイ」のワイルドカードを獲得した。

 

ジョーディ・スミス

 

ここまで破竹の勢いで勝ち進んできた稲葉玲王は、CTサーファーのジェシー・メンデスとウェイド・カーマイケルと3人ヒートで対戦。朝のクリーンなコンディションから風がオンショアに変わり、コンディションが悪化。ロースコアでのスローなヒートスタートとなる。

 

 

そんな中メンデスがバックハンドのワンマニューバーで4.50をスコア。ヒート前半をリードする。カーマイケルはフォアハンドのパワーサーフィンでスコアを伸ばしトップへ、稲葉は3位を強いられる展開。後半に入り、優先権を持ってビッグセットをつかんだ稲葉は4.93をスコア。ニード4.75まで差を縮める。

 

稲葉玲王 (C) WSL / Ryan Janssens

 

しかし昨日までのシャープなターンが見られない稲葉。一方、カーマイケルは圧倒的なサーフィンでトップスコアを伸ばしてリードを広げていく。残り5分を切り、優先権を持って波を待つ稲葉。

 

稲葉玲王 (C) WSL / Ryan Janssens

 

そして、残り時間2分を切り、掘れたライトブレイクをつかんだ稲葉は、起死回生の2つのビッグリエントリーをメイク。7.27をスコアして大逆転で2位にアップ。見事QS10000でラウンド5へ勝ち上がり、ベスト16進出を決めた。

 

メンデスと稲葉玲王

 

ラウンド5(R-9)からはマンオンマン。H8で稲葉玲王は、昨日ラウンドオブ48で対戦して勝ったマキシム・フスナットと再び対戦。

 

 

先ほどとは違い風も収まり、潮も上げて波が割れずらく波数が少ないコンディション。手始めに稲葉が5本の波に乗るがスコアは伸ばせない。波を辛抱強く待ったフスナットはノーライドのまま後半戦へ。そして優先権を持ったフスナットがスコアリングウェイブを掴み、6.00をスコア。

 

ニード4.91で残り時間10分を切り追い込まれた稲葉。時間だけが過ぎ波が入らず焦る稲葉。フスナットはバックアップを上げてリードを広げていく。ニード9.26まで差を広げられてしまった稲葉は、ラストウェイブでエアリバースを試みるもインコンプリート。惜しくもここで敗退となった。

 

最後は自分のサーフィンを出せぬまま悔しい敗退となったが、それでもQS10000で9位、3700ポイントと賞金$3,350を獲得。今シーズンの稲葉の勢いを象徴する結果となった。

 

 

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Next R5👍 かなり、ワイプアウト先行して焦りましたけど最後逆転👍 もう一回今日ある予定です。 応援よろしくお願い致します📣

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「今世紀最大のズボリ。でもプライムで勝てる自信に繋がった試合になったので、次のUSオープンが本当に楽しみです。応援してくださった皆さんありがとうございました。またCTへ一歩近づきました。」と、稲葉玲王のコーチとして、今回の南アフリカもレオと二人三脚で戦った田中樹コーチが言った。

 

 

南アフリカ前の稲葉の獲得ポイントは8910で今回の3700を足すと12610ポイントにアップ。上位の選手が既に敗退しているため、ポイントが把握できる。トップのアンドレが16000、同率2位のマット・バンティング13250、ナット・ヤングは11,650、4位5位のアレックス・リベイロ、ジャック・ロビンソンは初戦敗退でランキングを落とし、ここだけを見ると稲葉は3位にアップする。

 

ここまでイベントに残っている選手の半数がCT選手で、QSイベントにほとんと出場していない選手であることを考えると、今回の稲葉の9位は十分にランキングを上げることのできる結果と言えそうだ。

 

ただベスト8に残っている、QSランク10位のジョーガン、20位のカルロス、31位のゴーベイア、44位のフスナットが、すでに5200ポイント以上の獲得ポイントが確定しているので、彼らがどこまで上位に入るかで稲葉の順位が変わってきそうだ。

 

 

今シーズン絶好調の稲葉玲王。次につながる素晴らしい試合であった。7月27日からカリフォルニアのハンティントンビーチで開幕する次のUSオープンでの稲葉玲王の活躍が今から楽しみだ

 

世界を目指す彼らの活躍を期待しエールを送りたい。頑張れ!日本!

 

オフィシャルサイトはこちら。https://www.worldsurfleague.com/events/2019/mqs/3067/ballito-pro-pres-by-oneill