和井田リオを含む、5人の男子がオリンピック出場権を獲得。パリ五輪最終予選ISA-WSG大会8日目

アレシボ、プエルトリコ – 2024年3月2日

2024年ISAワールド・サーフ・ゲームズは大会8日目、5人の男子のパリ五輪出場枠が決定。明日のファイナル・デイを戦う選手は、ラストリアルのウインディな2~3フィートの波で決定された。

 

 


ヤゴ・ドラ(BRA)は、このコンディションを最大限に生かし、レフトにスレートに吹き込む強いトレードウインドを利用して、彼が世界最高のエアリアリストである理由を証明。

 

チームブラジル Credit: ISA / Jersson Barboza
ヤゴ・ドラ Credit: ISA / Jersson Barboza

 

ドラは、常に激しいバトルを披露し、世界でも数人しかできないような信じられないマニューバーを見せた2本の9ポイントライディングで、パーフェクトに近い18.46のヒートトータルを記録した。

 

惜しくも敗れたトリード Photo: Sean Evans

 

今日、フィリッペ・トリード(BRA)を失ったブラジルは、男子チームランキングでフランスの後塵を拝することになったが、ヤゴ・ドラとガブリエル・メディーナ(BRA)のふたりは、上位に食い込むことに照準を合わせている。

またディフェンディング・ゴールドメダリストのタティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)とタイナ・ヒンケル(BRA)は、女子が2人残っている唯一のチームとして、ブラジル女子チームの1位をキープしている。

 

和井田リオ(INA)Credit: ISA / Pablo Franco
和井田リオ(INA) Credit: ISA / Jersson Barboza

 

東京2020オリンピック代表のインドネシアの和井田リオ(INA)は、2024年パリオリンピックの出場権を3度逃している、 そのうち2回は、あと一歩のところで果たせなかった。そして今日、24歳の彼はついに両手でそれを掴んだ。

 

セバスチャン・ウィリアムズ(メキシコ)がリパチャージ・ラウンド9、ヒート1でヒート・トータル7.50で敗退。

 

ラムジ・ブーキアム(MAR) Credit: ISA / Jersson Barboza
ラムジ・ブーキアム(MAR)Credit: ISA / Pablo Franco

 

和井田、ラムジ・ブーキアム(MAR)、ティム・エルター(GER)の3名は、このラウンドの第2ヒートで、それぞれウィリアムズの合計スコアを上回る2つのスコアを記録すると、ウィリアムズを抑えてヤゴ・ドラ(BRA)と共に勝ち進んだアンディ・クリエール(ESP)と共に、オリンピックへの出場権を獲得した。

 

和井田リオ

 

「険しい道のりでした」と和井田は言った。「パリ五輪にクオリファイするために4つのイベントがあり、最初はCT(WSLチャンピオンシップ・ツアー)でトップ10に入らなければならなかったが出来なかった。

そしてISAのハンティントン大会では勝たなければならなかったが、物凄い僅差で敗れて。あれは本当に痛かった。 そして昨年のエルサルバドル大会は本当にひどい結果でしたたね。

この大会に臨むにあたって緊張していましたが、昨年のオフシーズンにはハードワークをしました。それが何であれ、予選通過のためなら何でもします。この10日間は、ただ成り行きに任せて、ただ楽しんで、ただサーフィンする、それだけでした。

タヒチが楽しみですね。オリンピックは選手にとって最大のイベントのひとつ。オリンピックが待ち遠しいです。タヒチではまた自分のレベルをプッシュすると確信しています。世界で最も美しい場所のひとつなので、行くのが楽しみです」

 

フランスのチームメイトであるジョアン・ドゥル(FRA)とマルコ・ミニョ(FRA)は、ガブリエル・メディーナ(BRA)とメイン・ラウンド5で激しい戦いを見せた。

 

ガブリエル・メディーナ(BRA) Photo: Sean Evans

 

メディーナは、フルローテーションで9.23をスコアし、今大会の男子ヒートトータルで最高となる17.06を記録した。ミニョはヒート序盤に7.17をスコアし、ヒートの大半を2位をキープした。

 

残り5分、ドゥルはレフトを掴んで7.23をスコアしたが、それでも3位に留まった。残り数秒で、彼はメディーナとピークを分けて、ライトにテイクオフ。バックハンドの連続ターンを決めて6.23をスコアしてラウンドアップ。チームメイトのマルコ・ミニョをリパチャージに送り込んだが、そこでミニョは敗退となった。

 

ジョアン・ドゥルPhoto: Sean Evans

 

2021年WSGのゴールドメダリストであるドゥルは、2024年パリへの切符を受け取り、オリンピックに出場した後、コンペティティブ・サーフィンから引退することを発表した。元WSL CT選手であるドゥルは、その実力を証明し、チョープーでも侮れない存在となるだろう。

 

フェルナンド・アギーレISA会長とジョアン・ドゥル(フランスチーム) / Credit: ISA / Pablo Franco

 

「今、それは終わったよ」とドゥルは言った。「マルコが負けたのは残念だけど、素晴らしい試合だった。でも、彼のために3位を勝ち取るために最後まで戦うつもりだ。オリンピックがフランスで開催されることにとても興奮している。

フランスでキャリアを終えたかったし、8月のチョープーはフランスでサーフィンをするには最高の場所だから、素晴らしい波になるだろう。バレルになるレフトで、僕の好きな波だから、そのためにトレーニングしてくるよ」。

 

ヨーロッパのアンダードッグ、ティム・エルターとアンディ・クリエールがパリへの切符を手にした。ティム・エルター(ドイツ)とアンディ・クリエール(スペイン)は、無名というわけではないが、知名度はほとんどない。しかし、この2人のヨーロッパを代表するチャージャーが、オリンピック選手として新たな道を歩み始めたのだ。

 

ティム・エルター(ドイツ)Credit: ISA / Pablo Franco

 

エルターはもともとドイツの補欠選手で、2カ月前にチーム入りの連絡を受けたばかりだった。この20歳のオリンピックへの夢は、レオン・グラッツァー(ドイツ)が東京2020への出場権を獲得し、ドイツ人サーファーがスポーツの最高レベルに到達する可能性に目を開かせたことから始まった。

カナリア諸島で生まれ育ったエルターにとって、チョープーのようなアイランド・ウェイブの大ファンで、オリンピック・サーファーとして出場するためにトレーニングに向かう。

 

「チョープーのことを考えると鳥肌が立つよ。」とエルターが言った。「チョープーのような会場でオリンピックのサーフィンができるなんて、超ストークで興奮してるよ。僕はもっとヘビーな波で育ったから、スラブとか、みんなが好きな波とは違う波が大好きなんだ。僕は叩かれるのが好きだし、バレルになるのも好きだ。アドレナリンが出まくるんだ。」

 

アンディ・クリエール(スペイン)

 

クリエールは長年ヨーロッパのサーフィンの主役だった。スペインのナショナル・チャンピオンに2度輝いた28歳の彼は、そのキャリアで多くの成功を収めてきたが、今週彼が達成したことの足元にも及ばない。

 

「信じられないよ」とクリエールは言った。「夢がかなった。長い道のりだった。多くの人に助けられて今がある。彼らは、ただ信じてサーフィンをするように言ってくれた。ここに来ることはすでに大きなことで、ただヒートをメイクして、世界の大好きなサーファーとサーフィンをし、チーム全員のサポートを受け、チョープーへの切符を手に入れた。」

 

スーパーヒートでジョアン・ディフェイ(FRA)が女子メインラウンドのスコアトップをキープした。

 

タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)、ジョアン・ディフェイ(FRA)という3人のISAメダリストと、新たにパリ2024選手となったタイナ・ヒンケル(BRA)が出場したスーパーヒートは、WSL CTサーファー3人の間で常にリードが入れ替わり、激しいバトルが繰り広げられた。

 

ディフェイは7.67をマークしてリードを広げ、ウェストン-ウェブは2位をキープした。しかし、フィッツギボンズが最後にブザービーターを決めてメインラウンド進出を決め、ウェストン-ウェブとヒンケルをリパチャージに追いやった。

 

メイン・ラウンドで常に最高得点を記録しているディフェイは、チーム・チャンピオンの金メダルをプッシュしている強力なチーム・フランスの一員だが、銀メダルと銅メダルに加え、WSGでの個人金メダルも狙っている。

 

長かった試合もいよいよ明日が最終日となる。ヒートは明日現地時間8:00から男子リパチャージ・ラウンド11から再開され、ファイナルまで行われる予定だ。

 

 

今大会でパリ五輪出場権を獲得した選手

女子
アナト・レリオール(ISR)
カミラ・ケンプ(GER)
ジャニレ・ゴンザレス・エクスタバリ(ESP)
ナディア・エロスターベ(ESP)
スーチー・ヤン(CHN)
ソル・アギーレ(PER)
タイナ・ヒンケル(BRA)
ヨランダ・セケイラ(POR)

男子
アロンソ・コレア(PER)
アンディ・クリエール(ESP)
ジョアン・ドゥル(FRA)
ラムジ・ブーキアム(MAR)
和井田リオ(INA)
ティム・エルター(GER)

 

既にパリ五輪出場権を獲得した選手

女子

2023年ISA WSGからの予選通過
サフィ・ヴェット(NZL)
サラ・バウム(RSA)
松田詩野(JPN)
ヴァヒネ・フィエロ(FRA)

WSLチャンピオンシップ・ツアー選手
ブリサ・ヘネシー(CRC)
カリッサ・ムーア(USA)
キャロライン・マークス(USA)
ジョアン・ディフェイ(FRA)
モリー・ピックラム(AUS)
タティアナ・ウェストン-ウェブ(BRA)
テレサ・ボンバロ(POR)
タイラー・ライト(AUS)

 

男子

2023年ISA WSG予選通過
アラン・クレランドJr(MEX)
ビリー・ステアマンド(NZL)
カウリ・ヴァースト(FRA)
稲葉玲王(JPN)

WSLチャンピオンシップ・ツアー選手
イーサン・ユーイング(AUS)
フィリッペ・トリード(BRA)
グリフィン・コラピント(USA)
ジャック・ロビンソン(AUS)
ジョアン・チアンカ(BRA)
ジョン・ジョン・フローレンス(USA)
ジョーディ・スミス(RSA)
マシュー・マクギリブレイ(RSA)
五十嵐カノア(JPN)
レオナルド・フィオラバンティ(ITA)

 

 

NAMINORI JAPAN 日本代表選手

 

男子:五十嵐カノア、稲葉玲王、コナー柄沢オレアリー
女子:松田詩野、都筑有夢路、前田マヒナ

 

大会名:2024 ISA World Surfing Games
主 催 :国際サーフィン連盟(ISA)
期間. :2024年2月23日〜3月3日
場所. :プエルトリコ

https://isasurf.org/event/2024-isa-world-surfing-games/