歴史に裏打ちされたモノ作り。株式会社サンコーが世界唯一の【魔法瓶効果ウエットスーツAGT210®︎】を発売。

1967年創業の株式会社サンコーは、日本を代表する老舗ウエットスーツブランド「BEWET」を擁し、これまで日本のサーフィンリーグで多くのチャンピオンを輩出し、現在もオリンピック選手やCTサーファーなどから直接指名されてスーツの提供も行っている。

 

そして、保温性や動きやすさというウエットスーツに求められる基本機能に、異業種で使用されている特殊技術や日本が誇る最先端繊維などを積極的に取り入れ、世界をリードする性能を生み出すことを大きな目標に掲げて、毎シーズン、革新的なウエットスーツをリリースする。

 

2023 FWカタログ

 

 

今回は、この株式会社サンコーが、銀(AG)の熱反射とチタン(Titanium)の蓄熱という、異なる金属が持つ特性をウエットスーツに世界で初めて付与することに成功した「#AGT210®︎」の誕生について、その歴史に裏打ちされたモノ作りに対する情熱を説明したい。

 

90年代後半のレジャーダイビングの流行して、創業者である佐藤光三氏が、株式会社サンコーを設立。

 

ウエットスーツの基本構造となるラバースポンジ、ジャージ、そして縫い糸が生地の裏側に貫通しない「スクイミシン」が開発され、ウェットスーツに耐久性だけでなくファッション性を加えることで大衆化しサーフィンを始め多くのマリンスポーツが親しまれる時代の一端を担った。

 

 

【より軽く、暖かく、動きやすい】機能の開発にかけた35年間

 

 

1970〜80年代のサーフィンブームを迎え、ウエットスーツもより身近な存在となり、よりピュアで大きな理想の波を求めるコアなサーファーが未開の地で新しいポイントを開拓し、どんな寒冷地でも海に入る強者サーファーが出現。それに伴いウエットスーツに求められる【より軽く、暖かく、動きやすい】機能が開発のテーマとなった。

 

ウエットスーツの保温性は生地の厚さと比例する。いわゆる「ミリ数」が大きければ大きいほど、暖かいウエットスーツであることを意味する。

 

しかし、本当に優れたウエットスーツは、保温性の高さを維持しつつも着用のストレスなく身体にフィットするものであるべき。

 

最良のウエットスーツを作るための基本は、細かな条件を除けば、①全身に完全にフィットしたサイズであること 、②内部への水の侵入が最小限であること、 ③生地が軽く柔らかく暖かいこと 、この三点を極めることにつきる。

 

保温性の高さを維持しつつ、着用のストレスなく身体にフィットしたウェットスーツを

 

そんな中で、サンコーは1988年、熱を内側に反射し、魔法瓶のように体温が維持されるウエットスーツを実現化するため、当時開発され始めた糸の中がマカロニ状の中空糸繊維に、熱を反射するスパッタリングのテストを(旧)鈴寅(現:SEKISUIナノコーティング社)へ依頼。完成に向けて開発がスタートした。

 

しかし現実は厳しく、目的としていた「熱を効率よく反射するAG(銀)のコーティング」は、実現不能であることが判明。開発は暗礁に乗り上げてしまった。

 

しかし、その後21世紀に入り、同社での開発は続き、高度な真空状態の中、二種類の金属それぞれにアルゴンイオンを超高速で激突させることで、魔法の金属化加工に成功。AG(銀)の特性を損なわない、夢の二層構造が実現。この時点で着想から実に20年以上が経っていた。

 

 

 

厚みを三割減らしても保温性が保たれる【AGT210®︎(エージーチタン210)】が誕生

 

しかし、ようやく実現した魔法の繊維をウエットスーツへ応用するには、理想が高ければ高いほど、その障壁も多岐に渡り困難を極めた。

だが、ウエットスーツのスポンジの厚みを減らしても(薄く軽くしても)、同じ保温力が得られ、圧倒的に動きやすいウェットスーツになるはずだ、という思いはどうしても捨てられず、開発を継続。

 

そして、ついに理想の繊維「高中空構造エアロカプセル®︎」(帝人フロンティア株式会社)と出会い、2022年に量産化の目処が立ち、翌23年正式にAG(銀)とTitanium(チタン)の金属特性を併せ持つ「AGT210®︎」を2023モデルとして発売することとなった。

 

この「AGT210®︎」は、理論上ラバースポンジの厚みを三割減らしてもその保温性が保たれる。つまり、従来5mm厚必要だったものが3.5mmに、3mm必要だったものが2.1mmになっても、同じ暖かさのウエットスーツとなる。

 

これはウエットスーツを着たことがある人なら誰にでも分かる、革命的な進歩と言える。

商品名:BEWET(ビーウエット)SUPERWARM23 / 4.0xX 3.0mm / ¥145,200(税込)

 

【軽く、暖かく、動きやすい】夢のウエットスーツの製造には、20年30年と経験を積んだ熟練の職人技が必要となる。

 

千葉の海沿いにある株式会社サンコーの工場では、ユーザーのサイズ・データから、まるで目の前でその方を見たかのように体型を具現化するパタンナーや、まさに水も漏らさない指先の感覚を持つ熟練の貼り手、さらに、創業者の佐藤光三氏が開発したミシンを愛し、送りベルトの厚みと速度を完全にコントロールする繊細な技術をもった縫い子たちが、世界最高レベルのカスタムウエットスーツを生み出している。

 

理想とするウェットスーツを作るには優れた職人の手が必要。

 


どんなにAIが進みDX化された工場でも、最終的には優れた職人の手がなければ理想とするウエットスーツは出来ない。また、職人自身が海を愛し、海と共に暮らすことを生きがいとし、その生き様を誇りにしてゆくことは今後も変わらない。

優れた技術を持った職人たちが、一着一着、丹精込めて作り上げるスーツの着心地の違いを実感してほしい。

 

オフィシャルウェブサイト:http://www.bpd21.com/