五十嵐カノアとコナーは敗者復活ラウンドへ。CT最終戦「SHISEIDOタヒチ・プロ Pre by Outerknown」 開幕

カノアとコナー

チョープー、タヒチ、フランス領ポリネシア(2023年8月11日金曜日)ワールド・サーフ・リーグ(WSL)2023チャンピオンシップ・ツアー(CT)の最終戦となる「SHISEIDOタヒチ・プロ Presented by Outerknown」が開幕。

 

チョープーは、4~6フィートのクリーンな波がブレイクし、女子のオープニング・ラウンドから開始され、男子のオープニング・ラウンド、女子のエリミネーション・ラウンドと続いて行われた。

 

 

 

タイラー・ライトはオリンピック暫定出場権を獲得。

 

タイラー・ライト: © WSL / Dunbar
モリー・ピックラム© WSL / Dunbar

 

オーストラリアのモリー・ピックラムとタイラー・ライトは、SHISEIDOタヒチプロでクオーターファイナル進出を決め、トップ5入りを果たした。両選手とも、オープニング・ラウンドの敗退から敗者復活ラウンドに回るも、タヒチでのキャンペーンを存続させるために、フェイスとバレルの両方でコミットメントを示し、見事ラウンドアップを決めた。

 

タイラー・ライト: © WSL / Ryder

 

「チョープーはとてもハードで、たくさんの思い入れがあります」と言ったライト。「最初のヒートから今に至るまで、ここでの自分がどれだけ怖いかを正直に認めなければなりませんでした。今日は強烈な波ではありませんが、まだリスクは存在します。自分がこの場所を怖がっていることを受け入れ、認めることができれば、私はまだコミットすることができ、計算して行動することができるのです」

 

タイラー・ライト
タイラー・ライト: © WSL / Ryder

 

このヒート勝利により、ライトは2024年パリオリンピックへの出場権を暫定的に獲得。「そのために多くの事をしてきました」と暫定資格の知らせを受けてライトが言った。

 

「このような特別なイベントでは、言ったように、ステアリングから手を離さないことが鍵になります。特に、このあたりでは多くの感情が渦巻いていたので。ええ、そうですね。たくさんの努力。そして自分の美しい妻とチームに感謝。クールです!」

 

モリー・ピックラム© WSL / Ryder

 

クオーターファイナルでピックラムは、ファイナル5進出を狙う2023年CTルーキーのケイトリン・シマーズ(USA)と対戦し、ライトは、今日のオープニング・ラウンドで圧勝したタティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)と対戦する。

 

ステファニー・ギルモア(AUS)© WSL / Ryder

 

この日の最終ヒートは、WSLファイナル5へのクオリファイをかけた大一番となり、世界ランキング6位のレイキー・ピーターソン(USA)が、世界ランキング7位のステファニー・ギルモア(AUS)と対戦。

 

両者ともルーキーのケイトリン・シマーズ(USA)を追い越す必要があり、このヒートは両者にとって必勝ヒート。2人のナチュラル・フッターはロースコアの戦いとなったが、最終的に7度のワールド・チャンピオンに輝いたギルモアが勝利し、ファイナル5への望みを繋いだ。

 

 

 

カリッサ・ムーアとジョン・ジョン・フローレンスが2024年パリオリンピック出場権を獲得

 

ハワイのジョン・ジョン・フローレンスとカリッサ・ムーアは、本日行われたラウンドを勝ち上がり、2024年パリ・オリンピックに再びアメリカを代表して出場する暫定資格を得た。ムーアとフローレンスは、メダル争いの有力候補となる。

 

 

ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)© WSL / Ryder

 

男子オープニングラウンドのヒート6で五十嵐カノア(JPN)はジョン・ジョン・フローレンス(HAW)と和井田リオ(INA)と対戦。トリッキーなコンディションの中、ヒートはジョン・ジョンがスタートからバレルをこじ開けてメイク。

 

五十嵐カノア

 

7.17 を6.83でバックアップしたジョン・ジョンの一人舞台となった。カノアもバックハンドでチューブライディングを披露し5.33をスコアするも2位となり、ワンライドの和井田リオと敗者復活のエリミネーション・ラウンドへ回った。

 

フローレンスはチョープーでの初優勝を目指し、ここタヒチで好成績を収めればファイナル5進出のチャンスは残されている。

 

五十嵐カノア(JPN)は敗者復活戦で和井田リオ(INA)と戦う。

 

 

コナー・オレアリー(AUS)© WSL / Dunbar

 

コナー・オレアリー(AUS)はヒート7でジャック・ロビンソン(AUS)カラム・ロブソン(AUS)と対戦。このヒートはジャックの一人舞台となり、8.07と7.50という2本のエクセレント・レンジのスコアをまとめたジャックがトップでラウンドアップ。コナーは敗者復活ラウンドへ回った。

 

コナーは、敗者復活ラウンドでハワイのセス・モニーツと対戦する。

 

大会初日、男子ファイナル5レースがヒートアップ

ガブリエル・メディーナ© WSL / Dunbar

 

3度のWSLチャンピオンに輝いたガブリエル・メディーナ(BRA)は、対戦相手に威嚇射撃を一発お見舞い。エクセレントな16.10のコンビネーションで、ディープ・チューブ・ライドの素晴らしいディスプレイを披露し、これまでのイベントで2番目に高い2ウェイブ・トータルをスコアした。

 

メディーナはランキング6位でタヒチ入りし、ファイナル5進出にはクオーターファイナル以上の成績が必要。今日のパフォーマンスを見れば、メディーナはリップカールWSLファイナルに照準を合わせていると言っていいだろう。

 

「ツアーで一番好きなタヒチに戻って来れて本当に嬉しいです。「4年ぶりに戻って来れて気分が良いし、次のラウンドではもう少し波に乗りたい。チョープーは僕の好きな波だし、バレルになるのも大好きだから、結果のことは考えず、ただ楽しみたい。自分が何をすべきかは分かっているので、自分の仕事をすることだけに集中します」。

 

ジャック・ロビンソン© WSL / Dunbar

 

トップ5圏外でリップカールWSLファイナル進出の可能性を残しているのがジャック・ロビンソン(AUS)とレオ・フィオラバンティ(ITA)。ロビンソンは、予想通りホローなコンディションで水を得た魚のよう。しかし、目立ったのはフィオラバンティで、クリティカル・バレルを連発し、今イベントで最も高い2ウェイブ・トータル16.93をスコアしてファイナル5進出の夢を維持した。

 

レオ・フィオラバンティ(ITA)© WSL / Dunbar

 

「夢のようなスタートでしたし、あのようなスタートは滅多にありません。」とフィオラバンティ。「まだやるべきことはたくさんあります。私はタヒチが大好き。いい波、素晴らしい食事、新鮮な魚。しばらくここにいて、楽しい波を得ています。来年はオリンピックのためにここに戻ってくるので、できるだけ多くの時間をここで過ごしたいと思っています。今はトップ5から外れているけれど、この1年に本当に満足しているし、何が起きてもそれはそれですね。」

 

 

ヤゴ・ドラ(BRA)とジョアオ・チアンカ(BRA)は、共にトップ5内に位置しているが、まだリップカールWSLファイナルへの出場権を獲得していない。一方、チアンカはエリミネーション・ラウンドに進んでおり、ラウンドオブ16に進み出場権を勝ち取るには、カウリ・ヴァーストに勝たなければならない。

 

 

フィリッペ・トリード、リップカールWSLファイナルのNo.1シードが決定。

 

 

フィリッペ・トリード(BRA)は、今日のチョープーでのソリッドなヒート勝利でラウンドオブ16進出を決め、再び第1シードをキープしてリップカールWSLファイナルに臨むことが保証された。

 

トリードはターンとチューブライドの両方を駆使し、オーストラリアのリアム・オブライエン(AUS)とローカルトライアル勝者のマタヒ・ドローレ(PYF)を抜き去り、2ウェイブ・トータル11.00を獲得。

 

フィリッペ・トリード© WSL / Ryder

 

「特にマタヒ(ドロレット)戦はトリッキーなヒートでした。」とトリードが言った。「彼はここでのサーフィンが上手で、簡単にビッグスコアを出せるので、ちょっと動揺してしまいました。彼の家に泊まっているので、お互い楽しくやっています。もうファイナルへの出場権を獲得しているので、セーブしてヒートに臨みたいです。スマートにプレーすること。今はプレッシャーはなく、ただクルージングして、ここで良い結果を出して、確実にバレルに持ち込むつもりです」。

 

 

タヒチアンワイルドカードのフィエロとブレイが躍進。

 

ヴァヒネ・フィエロ(FRA)© WSL / Dunbar

 

地元期待のヴァヒネ・フィエロ(FRA)がタヒチ勢をリードし、これまでの女子イベントで最も高い2ウェイブ・トータルを記録。フィエロは、複数のセットウェーブを見つけ、13.43の2ウェーブ・コンビネーションで勝利。彼女はクオーターファイナルに進出し、カレント世界No.1のカリッサ・ムーア(HAW)と対戦する。

 

ヴァヒネ・フィエロ(FRA)© WSL / Ryder

 

「自分のベッドで寝て、お母さんのご飯を食べる、最高ですね」と言ったフィエロ。「今年は他の国での試合が多く、大きな成功を収めました。チャレンジャーシリーズで2位になり、オリンピックの出場権も獲得しました。このイベントでサーフィンをすることは、CTに出場するためのいい経験になると思うし、とにかく楽しんで、楽しみたいです」。

 

ミヒマナ・ブレイ(PYF)© WSL / Ryder

ワイルドカードのミヒマナ・ブレイ(PYF)も、グリフィン・コラピント(USA)とカイオ・イベリ(BRA)を下してヒートを勝ち上がり、エリミネーション・ラウンドをスキップしてラウンドオブ16進出を決めた。ブレイは、我慢強いヒートでセットを待ち、2ウェイブ・トータル12.60をスコア。

 

 

ヴァーストとドローレはエリミネーション・ラウンド。

 

イベント・ワイルドカードのカウリ・ヴァースト(PYF)とトライアル勝者のマタヒ・ドローレ(PYF)は、同じタヒチアンと同じような成功を収められず、エリミネーション・ラウンドで名誉挽回の機会を得ることに。

 

昨年のタヒチ大会で準優勝したヴァーストは、ジョーディ・スミス(RSA)と現在世界ランキング4位のジョアオ・チアンカ(BRA)を相手に、得点のチャンスを見つけることが出来なかった。バーストはチアンカとの再戦を待ち、ドローレは世界3位のグリフィン・コラピント(USA)と対戦する。

 

 

SHISEIDOタヒチ・プロ Presented by Outerknown
女子オープニングラウンド結果:

HEAT 1:ケイトリン・シマーズ(USA)7.00 DEF.
ガブリエラ・ブライアン(HAW)5.27、モリー・ピックラム(AUS)4.50

HEAT 2:タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)8.50
DEF. カリッサ・ムーア(HAW)5.86、アエラン・ヴァースト(FRA)2.96

HEAT 3: ヴァヒネ・フィエロ(FRA)13.43
DEF. ステファニー・ギルモア(AUS)4.73、タイラー・ライト(AUS)0.97

HEAT 4:キャロライン・マークス(USA)6.33 DEF.
ジョアン・ディフェイ(FRA)6.13、レイキー・ピーターソン(USA)4.46

女子エリミネーション・ラウンド結果:
HEAT 1:カリッサ・ムーア(HAW)11.33 DEF. アエラン・ヴァースト(FRA)2.77
HEAT 2:モリー・ピックラム(AUS)10.24 DEF. ガブリエラ・ブライアン(HAW)7.33
HEAT 3:タイラー・ライト(AUS)9.90 DEF. ジョアン・ディフェイ(FRA)7.20
HEAT 4:ステファニー・ギルモア(AUS)4.60 DEF. レイキー・ピーターソン(USA)3.77

 

SHISEIDOタヒチ・プロ Presented by Outerknown

男子オープニング・ラウンド結果:
HEAT 1:ヤゴ・ドラ(BRA)10.50 DEF.
ケリー・スレーター(USA)9.34、イアン・ジェンティル(HAW)9.06

HEAT 2:ジョーディ・スミス(RSA)11.93
DEF. ジョアオ・チアンカ(BRA)6.80、カウリ・ヴァースト(FRA)4.07

HEAT 3:ミヒマナ・ブレイ(PYF)12.60
DEF. グリフィン・コラピント(USA)10.67、カイオ・イベリ(BRA)7.67

HEAT 4:フィリッペ・トリード(BRA)11.00
DEF. リアム・オブライエン(AUS)8.96、マタヒ・ドローレ(PYF)7.07

HEAT 5:ガブリエル・メディーナ(BRA)16.10
DEF. セス・モニーツ(HAW)12.50、バロン・マミヤ(HAW)11.94

HEAT 6:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)14.00
DEF. 五十嵐カノア(JPN)7.66、和井田リオ(INA)0.97

HEAT 7:ジャック・ロビンソン(AUS)15.57
DEF. カラム・ロブソン(AUS)11.70、コナー・オレアリー(AUS)11.33

HEAT 8:レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)16.93
DEF. マシュー・マクギリブレイ(RSA)10.17、ライアン・カリナン(AUS)8.66

 

SHISEIDO Tahiti Pro Presented by Outerknownメンズ・エリミネーション・ラウンド・マッチアップ:
HEAT 1:グリフィン・コラピント(USA)対マタヒ・ドローレ(PYF)
HEAT 2:五十嵐カノア(日本)対 和井田リオ(INA)
HEAT 3.ジョアオ・チアンカ(BRA) vs. カウリ・ヴァースト(FRA)
HEAT 4:バロン・マミヤ(HAW)対カラム・ロブソン(AUS)
HEAT 5:ライアン・カリナン(AUS)対ケリー・スレーター(USA)
HEAT 6:イアン・ジェンティル(HAW)対マシュー・マクギリブレー(RSA)
HEAT 7:コナー・オレアリー(AUS)対セス・モニーツ(HAW)
HEAT 8:カイオ・イベリ(BRA)対リアム・オブライエン(AUS)

 

詳しくは、WorldSurfLeague.comをご覧ください。

オフィシャルサイト:SHISEIDO タヒチプロ