カリフォルニア育ちの日本人プロサーファー、小林桂がローカルモーションとスポンサー契約。独占インタビュー

カリフォルニア育ちの日本人プロサーファーである小林桂は、日本で開催されるJPSAツアーにも度々参戦して活躍。現在は北アメリカのリージョンからCSに出場するなど、そのパフォーマンスは日本のみならず世界的に注目されるサーファーの一人である。そんな小林桂がローカルモーションとスポンサー契約。そんな小林桂にインタビューした。

 

 

小林桂はYouTubeチャンネルやインスタグラムなどで自分のライディング映像なども頻繁に配信する。小林桂というとエアリバースなどの派手な大技が印象的だが、彼がどのようなトレーニングでハイパフォーマンスに繋げっているのか聞いてみた。

 

KEI:日本のウエイブプール(静波サーフスタジアム)には何度か行って、エアーの技術をあげるのに役立ったけど、いつでも行けるところじゃないし、だからサーフィン以外でどうやって練習するかっていうと、やっぱりジムでのトレーニングが大きいと思います。

 

バランスボールがあるんですけど、それを2個使って、一個は地面に置いて、一個はボックスの上に置いて、とかのトレーニングがすごくいいんです。それを週に3回はやってます。朝3時半に起きて。

 

そういうトレーニングがサーフィンに繋がるんですよね。波がアプローチしてくるのを想像して、どこでどうするかっていうのを、まるで本当に起きてるみたいにスチュエーションを想像しながら、ジムでトレーニングする。実際のサーフィンにすごく役立っています。

 

小林桂

 

少し前はスポンサー絡みでコーチがいたんだけど、今は自分でトレーニングしてます。アメリカは結構24時間オープンしているジムがあるんですよ。だから朝3時半からジムに行くんですけど、朝トレーニングしてからサーフィン行った方が調子いいんです。

 

特に3時半にアイスバスに入って、そのまま海っていうのが、メンタルも整うし、自信にも繋がる。8月から試合がまた始まるんで、3ヶ月前からしっかりトレーニングして、準備を整えるようにしています。1ヶ月前だと遅いんです。

 

 

目標はやっぱりWCT入りすることとオリンピックに出ることです。

 

小林桂  © WSL/Tostee

 

 

極限まで絞り込まれた身体。筋力トレーニングで得た鍛え上げられた肉体。その効果は彼のサーフィンに明らかに現れている。なぜそこまでストイックに自分を高めていけるのか。そこには彼にとっての目標があるからだ。

 

 

KEI:目標はやっぱりWCT入りすることと、オリンピックに出ることです。その為に努力しているんです。でも元々俺、朝起きれないタイプだったんです。誰かに「3時半に起きろ」と言われても「えー絶対無理」って感じでした。

 

18歳くらいの時は8時半とか9時とかに起きてたくらいです。その頃僕を知る人からしたら想像できないくらい変わりましたね。3時半に起きれないことがあっても、4時半または5時には絶対に起きてる。そしてトレーニングに向かってる。

 

日本の代表になりたいのかとか聞かれるけど、俺はサンクレメンテで生まれ育ってサンクレメンテが故郷だから、アメリカから出たいなと思っています。

 

日本には長期で住んだことはないけれど、JPSAに出るために日本に何度か滞在したりはしてました。日本のロストサーフとか楽天スポーツからのサポートも受けているし。それにJPSAの試合は何回か優勝してますし、めちゃくちゃ楽しいです。

 

 

小林桂 WSL / Daniel Smorigo

 

 

あの五十嵐カノア同様、小林桂も日本人の両親を持つアメリカ生まれの日本人サーファーである。そんな小林桂にとって、日本とサンクレメンテの好きなところを聞いた。

 

KEI:サンクレメンテのローワーズの夏の波は良いですよ。夏だけじゃなく、一年中波があるし。湘南は特に週末は人がすごいたくさんいて波が小さい。けど、サンクレメンテは週末でもあれほど混んではいないし、波に恵まれている。そういう面では最高です。日本は日本食が好きだから、食べ物が安くて美味しい。生姜焼きとか回転寿司とか。家でもいつも日本食を食べてるんで最高です。

 

日本と比べると、サンクレメンテは波がいつもあるから、サンクレメンテの方が練習になるかな、とも思うんですが、QSの試合の波って日本の波になんか似ていて、日本での波乗りは逆に試合の練習になるんです。

 

 

小林桂 © WSL / Morris

 

E: いま使用しているサーフボードのシェイパーは?

 

K:ロストサーフボードのシェイパーです。日本に行く時は波が少したるいので、少し幅があり厚めの板を削ってもらったり、シェイパーとうまくコミュニケーション取り合いながら、良い板を削ってもらってます。

 

E: ご両親の話も教えてくれる?

 

K:お母さんは東京出身で、お父さんは静波です。ふたりとも全く別の経由で、カリフォルニアに来ていて、お父さんがアッパーズでサーフィンしているところをお母さんに出くわして、お母さんのこと可愛いと思ったみたいで、「デートしよう」って声かけたそうです(笑)

で、結婚して、お兄ちゃんが生まれた。俺とお兄ちゃんのショウは8歳違いです。ショウも以前、JPSAに出てたけど、今はファンサーフオンリー。ロストの会計士とか、普通に働いていて、来年の4月には結婚するんです。

 

E: お父さんとお母さんはサーフィンするの?

 

K:お母さんはしないけどお父さんは毎日入ってます。はっきり言って、パパの方が俺よりサーフィンしてます。

 

E: 日本人のサーファーの親御さんって、子供に強制的にサーフィンさせたりする。押しが強すぎたりするけど、そういうのってあった?

 

K:あった、かもしれないけど、自分が本当にサーフィンが好きだから、それもポジティブに捉えてたようで気になりませんでした。

 

E: 日本語がすごく上手だけど、家では日本語を喋ってるの?

 

K:はい、そうです。家では日本語しか喋りません。週に一度YouTubeを日本語で載せているんで、それも俺の日本語の上達に役立ってるんじゃないかと思います。

 

 

俺にとって何が大切かが、はっきり見えてきたんですよね。

 

 

E: それだけ日本と精通していてJPSAにも出てて、それでも日本だけに留まろうとしていない。世界を目指して頑張ってるわけだけど、自分を客観的に見てみてケイ・コバヤシは、世界チャンピオンになれると思う?

 

K:はい、なれると思います。

 

E: その為に改善しなければならないことって?

 

K:サーフィンの方はイケると思うんですが、なぜ自分が今まで勝てなかったかを考えてみると、メンタルなんですよね。チャレンジーシリーズのベストが17番だけど、メンタルさえ整えれば結果が付いてくるってことに、ようやく気がついんたんです。

 

それと、昨年の一月に車の事故で怪我をしたんです。後から当てられて。。。最近ようやく100%にサーフィンできるようになって、自分がやりたいサーフィンができるようになりました。でも、その事故があったからこそ、俺にとって何が大切か、なんかがはっきり見えてきたんですよね。

 

E: 自分のメンタルのことを説明するのは難しいと思うけど、どういうところで、自分って弱いなって感じたの?

 

K:うーん、そうですね、メンタルっていうのは、自分自身にしかわからない部分ですからね、どうしても上手くなりたいのに、上手くいかなかったのはどうしてか、と考えて、瞑想を始めたんです。それとアイスバスですよね。それをするようになって、もっとフォーカスできるようになりました。

 

それまでは一切、メンタルのことなんて考えてみたこともなかったけど、トップサーファーとかみていると、みんな上手いじゃないですか。結果が出るか出ないかは、ほんとメンタルが整ってるかどうかってところだと思うんです。

 

 

小林桂 (Photo by Thiago Diz/World Surf League)

 

E: 話変わるけど、そういえば、板に日本の漫画のキャラを入れてるって聞いたけど。。。(笑)

 

K:はい、ドラえもんとか、ピカチューとか、クレヨンしんちゃんとか、カービーとか。兄のアメリカ人の奥さんが描いてくれたんです、俺はスマイリーフェイスくらいしか描けないから(笑)で、なぜ日本のキャラかというと、小さい時から馴染んでた日本のアニメキャラ、大好きだからってのもあるんですが、カラーボードを使うっていうのが、とても大切なんです。

 

特にエアーをしたときとか、どれくらい確率があるとか、白いと分かりずらいんですよ、でも、ペイントが入っていると、やっぱりレールを使ってるとか、カービングをちゃんとしてるとか見える。エアーして板のボトムがしっかり見えたりしたら、それはそれで、ジャッジへのアピールにもなるし。

 

みんなが「無理でしょ」と言うと、もっとやりたくなるタイプ。

 

2020年3月フロリダのココア・ビーチでQS初優勝 小林桂 WSL / John Ferguson

自分の夢がまたスパークしたって感じです。

 

 

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E: サーフィン以外の趣味はある?

 

K:トレーニング自体が趣味というか、大好きなんだけど、それ以外で何かって言えば、ゴルフくらいかな。あと、ロッククライミングも。全てがサーフィンの為になるものを選んじゃってます(笑)

 

E: 本当にサーフィン一筋って感じだけど、そこに全く、ネガティブなエネルギーが感じられないんだけど。辛くてやめたいとか思った時期はなかった?

 

K:アスリートだからたくさん負けることもあるし、負け続けていた時もあります。でも、そんな時は、もちろん落ち込むけど、すぐに「次は絶対勝ちたい」と余計燃えるんです。みんなが「無理でしょ」と言うと、もっとやりたくなるタイプ。子供の時からこと競争で勝つことに執着してました(笑)

 

 

E: 最後に、ローカルモーションのライダーになって、どう捉えてる?

 

K:今年からサポートしてもらっているんですが、自分の夢がまたスパークしたって感じです。ただ2年前までは自分の目標に対して真面目に真剣に向かっていたんだけど、車の事故のせいか「真剣だけど楽しく」も忘れちゃいけないんだなって。

逆に楽しむ余裕がなければ勝てないんだなっていうのにサーフィンだけじゃなくって他のアスリート見てて気がつくようになって、そのタイミングで、ローカルモーションが付いてくれたんで、とても感謝しています。

 

E: ローカルモーションのおおらかなオーラの中だからこそケイ、成功に向かって歩んでいけそうな気がするな。頑張ってね。応援してます。

 

K:はい、頑張ります! 今回は、本当にありがとうございました。

 

インタビュー:Emiko Cohen

取材協力:ローカルモーション・ジャパン