ローワー・トレッスルズ、サンクレメンテ、USA(2022年9月8日)-2022年ワールド・サーフ・リーグ(WSL)チャンピオンシップ・ツアー(CT)の世界チャンピオンを決定する最終イベント「2022リップカールWSLファイナル」は、現地時間の午前8時に開幕。
4~6フィートの美しいスウェルがローワーズのラインナップにヒットし、男女の世界チャンピオンを決定する2022年の最終決戦のための最高のキャンバスが提供された。
男子マッチ1では、2019年WSLチャンピオンで、東京オリンピック金メダリストのイタロ・フェレイラ(BRA)と銀メダリストの五十嵐カノア(JPN)が、オリンピック・メダリスト同士の戦いで、世界タイトルへの挑戦をスタート。この2人の対戦は初めてではなく、勝率では五十嵐が2勝1敗でリードしている。
カノアとイタロのヒートは、ヒート開始からセットが入らずに、両者とも優先権を持たない状態で、こう着状態が続く。しかし、セット間隔が長いが必ず素晴らしい波が入ってくる。その波のリズムをつかみ上手く良い波を手に入れる必要がある。
両者とも優先権を持たない状態で、カノアとイタロが同じレフトの波を奪い合い、交錯するアクシデントが発生。まさかのインターフェアと思える瞬間だった。
その後もセットは暫く入らず両者ともノーライドが続く。残り時間20分になってイタロが4.33をスコア。カノアもファーストウェイブをつかみ、インサイドセクションでテールハイのエアリバースをメイク、5.00をスコアしてヒートを開始する。後半に入りセットが入りだし、両者とも波をつかむもワイプアウト。
そんな中で、カノアはカービングターンのコンビネーションからのエアリバースで6.83をスコアして逆転に成功。しかしすぐにイタロが得意のバックハンドのフルローテーションをメイク。それがエクセレントの8.17となり、再びトップをカノアから奪い取る。残り時間は10分。ニードスコアは5.68、カノアにとっては十分に逆転可能なスコアだ。
しかし、その後ピタリとセットが止む。イタロはスイッチスタンスなど多彩なテクニックを披露してバックアップを上げて、リードを広げていく。残り時間は3分を切り、ニードスコアは6.55と広がった。
優先権を使って波を掴んだカノアだったが、ヨレの入った波でスコアを伸ばせず。そのままタイムアップとなり、カノアはここで惜しくも敗退となった。
今シーズンWSLファイナル5に残り、WSLファイナル出場を果たしたカノア。子供の頃からの夢である世界チャンピオンまであと一歩のところまで近づいたが、無念の敗退。それでも自己最高の世界ランク5位でフィニッシュ。日本人として前人未到の領域へと前進している。
タヒチ前のインタビューで彼は、「もし世界タイトルを獲得できないのであれば、それは自分の努力が足りなかったということで、もっと一生懸命やならくてはならないということなんだと思います。」と言っていた。
今回の試合後のインタビューでは、「今回世界チャンピオンとれなくて悔しかたんですけど、今年を振り返ると素晴らしい年でした。サーファーとして、サーフィンも上手くなって成長できたと思う」と今シーズンを振り返った。
「今回のトップ5は凄くいい経験になりました。みんなの応援のおかげで力をもらえて、今日はファイナルまで行けると思っていたんですけど、サーフィンの試合とはこんなものなので。
この悔しさをエネルギーに変えて、モチベーションを上げて来年2023年に向けて頑張っていきたいと思います。」と答えた。
そして、カノアは、来週からハンティントンビーチで始まるISAの世界選手権の準備を始めなくてはならない。また明日から世界チャンピオンの夢に向かって新たな戦いが始まる。がんばれ!カノア! 日本のファンが応援している。
リップカールWSLファイナルは、WorldSurfLeague.com、WSLのYouTubeチャンネル、無料のWSLアプリでLIVE放送されます。
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