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文、写真:山本貞彦 NSA(日本サーフィン連盟)が開催する「第30回 ジュニアオープンサーフィン選手権大会(2022)」は、4/16-17の日程で千葉県千倉で開催。この大会は、2022年に開催されるISA国際大会の選考対象大会にもなっている。
今大会も感染対策のために無観客開催。今回もライブ中継(2バンク)及びライブスコアの配信と万全の対策で臨んだ。
また、この大会では今まで定員制だったものを変更し、エントリーの人数制限を撤廃した。そこでキッズ 53名、ボーイズ 96名、ジュニア 51名、ガールズ 49名の合計計249名、前回大会の222名からさらに増えることとなった。
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そして、国際大会選考も兼ねていることで、プロも参加可能であり、男子は岩見 天獅、加藤 翔平、佐藤 利希、辻岡 堅太朗。女子は中塩佳那、畑ハイネ、松野 杏莉、池田美来、川瀬心那、佐藤 李、江口 彩花、松岡亜音がエントリー。(岡野漣はアメリカのNSSAの大会出場のために欠場)改めてジュニア選手のプロが増えていることを実感することとなった。
大会初日は、会場は台風1号の影響を受け、頭半以上のサイズがブレイク。サイズはあるものの、ショルダーがないダンパーが、ここかしこで割れる。なので、キッズ、ガールズにはハードということで、ボーイズ、ジュニアのカテゴリーだけを消化することに。
2日目は風が変わって良くなるかと思いきや、朝からオンショアのドン吹き。サイズは頭から頭半で変わらず。波数も多いけどズブズブと崩れる波で、さらに流れもあるから、パドルしっぱなし。キレた波を選ばないと演技すらできない状況で、2本揃えるのが大変なコンディションとなった。
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まずジュニアから。プロだけでなく、実力者が揃っているこのカテゴリー。決勝は先日のWSLのプロジュニアで優勝した岩見 天獅、前回優勝の岩瀬 裕哉、準優勝の加藤 翔平に森 大斗という組み合わせ。このヒートでは岩見が難しいコンディションながら、ぶっちぎりの強さを見せて優勝。この1ヶ月試合が続いた中で、岩見が実戦で学んだ試合運びは見事。勝つぞ!オーラ出まくりの優勝でした。
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ボーイズは人数も多く、才能、個性あふれるメンバーが揃ったクラス。一番見ていて面白いクラスになった。ファイナルは自由奔放の閃きサーフィンの長沢 侑磨とコンペに目覚めた渡邉 壱孔の 一騎討ち。
2人ともスピード溢れる止まらないサーフィンを展開するも、渡邉の技の組み立てと完成度が評価され逆転。前回大会の雪辱を果たして優勝を決めた。
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ガールズは一番プロが多かったクラス。また、プロだけでなく、この1年で目覚ましい成長を見せた選手が増えた。ただ戦い方に慣れていなかったり、波次第になっているところも見受けられるので、今は試合経験を増やすことが必須か。
決勝は中塩 佳那と松岡 亜音のマッチアップの様相。お互い引けない戦いだったが、2本揃えた中塩が前回に続き優勝。なんと大会4連覇を達成!おめでとう!
第30回 ジュニアオープンサーフィン選手権大会(2022)
KIDS
優勝:宮原 雷斗(宮崎)
2位:松野 太郎(千葉東)
3位:宇野 雅志(宮崎)
4位:藤原 大(湘南藤沢)
BOYS
優勝:渡邉 壱孔(千葉銚子)
2位:長沢 侑磨(横浜)
3位:金沢 太規(徳島)
4位:足立 海世(静岡伊豆)
JUNIOR
優勝:岩見 天獅(プロ)
2位:加藤 翔平(プロ)
3位:森 大斗(静岡3区)
4位:岩瀬 裕哉(愛知)
GIRLS
優勝:中塩 佳那(プロ)
2位:松岡 亜音(プロ)
3位:松山 黎音(千葉南)
4位:佐藤 李(プロ)
ベストライディング賞:GIRLS / 川瀬 心那(プロ)
敢闘賞:KIDS / 宮原 雷斗(宮崎)
副賞:タコせんべい(ちがさきや十代様より)
岩見 、渡邉 、中塩 佳那が代表に決定。
今年度の「ISA World Junior Surfing Championship」は5/27-6/5 エルサルバドルで開催される。これにに選出される 2022 NAMINORI JAPAN/日本代表選手は、U18Boys:3名、U16Boys:3名、U18Girls:3名、U16Girls:3名。
このうち今大会で優勝したジュニアの岩見 天獅(プロ)、ボーイズの渡邉 壱孔(千葉銚子)、ガールズの中塩 佳那(プロ)がまず代表に決定。残りのメンバーは、後日、NSAのホームページにて発表される。
岩見 天獅
今年からボーイズからジュニアのクラスへ上がった岩見天獅。先日のWSL「ASIA OPEN」のプロジュニアでも優勝と今シーズンはこのカテゴリーは負けなし。
十分な練習とフィジカルトレーニング。このところの試合で感じるのは、それに加えての自信。常にアグレッシブな攻めのサーフィンを魅せて、それをメイクする。この気持ちの強さが、今の岩見の調子を物語っている。これからの活躍にさらに期待だ。
「(ファイナルで)最初に8点台を出した時は、良いリードを取れたなと感じました。(ISAジュニア選手権)出たかったのですが2年間開催されなくて、(出場が決まって)嬉しいです。大きい波の方が得意なので頑張ります」
渡邉 壱孔
サーフィンのスキル向上に加え、スムースなレールワーク。スピードを殺さずにボードをコントロールすること覚えた。技のメイク率も上がったことで、さらにバラエティな演技を心掛ける。こちらも楽しみな存在となった。
中塩 佳那
プロ転向後のNSAの試合とはいえ、この大会には松岡亜音、川瀬心那、佐藤季、池田美来など多くのプロも参戦。その激戦の中で、中塩の安定した試合運びが際立った。大きな波から小さい波まで、どんな波でもこなすことができるスキルに加え、さらにそれを助けているのがパドルの速さ。あとはパワーがつけば、常勝は間違いなし。
「最後の年のジュニアオープンで優勝したかったので、最後優勝できてすごく嬉しいです。ジュニアオープンは本調子ではなかったんですけど、世界戦(ISAジュニア)では外国人選手が相手なので、残りあと1ヶ月、自分のサーフィンをもっと磨いて金メダル取れるように頑張ります。」
髙井 汰朗
昨年はキッズながらポイントランキングでトップに立った高井も、今大会からボーイズに鞍替え。体格ではまだ兄貴たちに負けるものの、持ち前の積極的なサーフィンでクォーターファイナルまで進出。ベーシックな基礎ができているから、このクラスでの活躍も時間の問題。
マルハニチロではビーチクリーンキャンペーンを行い、掃除の後に参加者全員に自社製品をプレゼント。
アマチュアの試合とはいえ、プロも参加する今大会。個人取材も含め、メディアも多く集まった。
キッチンブースも出店。GuriGuriのBBQチキンとThe Street Stand タコスで減ったお腹を満たす。
今回NSAでは通常の掲示板だけでなく、オンライン掲示板を作成。各所でQRコードを張り出し、アクセスするように指示した。これでタイムリーに進行スケジュールが把握できる。
大会2日目、急遽、2バンクから3バンクで進行することとなり、ジャッジブース、ビーチマーシャルを設置。この臨機応変ができるのが、NSAの強み。
辻岡 堅太朗は古傷の左足首の怪我で救助。それでも捻挫で済んだようです。お大事に。
● 出場資格
<アマチュア選手>
1.2022年度日本サーフィン連盟正会員の選手であること。
2.開催クラスの登録選手であること。
3.開催クラスの年齢基準を満たしていること。
<プロ選手>(18歳以下のプロ資格を有するNSA正会員外選手)
1.開催クラスの年齢基準を満たしていること。
2.日本国籍を有していること。
※プロ選手は現年齢で出場可能なクラスへのエントリーとなります。NSAオープン会員登録が必要となります。
● 開催クラス
■キッズ 2010年1月1日以降生まれの男子
■ボーイズ 2006年1月1日~2009年12月31日生まれの男子
■ジュニア 2004年1月1日~2005年12月31日生まれの男子
■ガールズ 2004年1月1日以降生まれの女子
第30回ジュニアオープンサーフィン選手権大会(2022)
期間:2022年4月16日(土)~17日(日)
会場:千葉県 南房総市 千倉海岸
主催:一般社団法人日本サーフィン連盟
公認:国際サーフィン連盟 International Surfing Association(ISA)
後援:スポーツ庁、海上保安庁、環境省、千葉県、千葉県教育委員会、南房総市、南房総市教育委員会、一般財団法人 南房総市観光協会、一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会
協賛:一般社団法人日本サーフィン連盟 オフィシャルパートナー各社,、株式会社デイトライン、有限会社湘南ちがさき屋十大、CRYSTAL GEYSER
協力:日本サーフィン連盟 千葉南支部、 一般社団法人ウォーターリスクマネジメント協会
NSA ホームページ
http://www.nsa-surf.org
NSA ジュニアオープンの大会ページ
https://www.nsa-surf.org/match/30th_jropen2022/