ベルズビーチ、ビクトリア、オーストラリア(2022年4月14日木曜日) – ワールドサーフリーグ(WSL)2022チャンピオンシップツアー(CT)の第4戦「リップカールプロ・ベルズビーチ」は大会4日目。ベルズビーチのパンピングする3~5フィートのコンディションで男子ラウンド3(ラウンドオブ32)が行われ、ベスト16が決定した。
大会4日目ハイライト映像
本日の大注目のヒートとなったのは、ワイルドカードで出場したベルズの覇者、ミック・ファニング(オーストラリア)と、世界ランキング1位の五十嵐カノア(日本)のヒート。
ヒートは最後まで勝敗が分からない手に汗握る展開となった。強烈な波で幕を開けたファニングは、序盤からリードを奪い、ヒート後半には8.77(10点満点)をマークしてその地位を固めた。五十嵐は最後の波に渾身の力を込めたが、ベルズでの4度の優勝者を倒すには十分ではなかった。
五十嵐カノアは、スタートからサイズあるセットを掴み、得意のレイバック・スラッシュとカービングターンのコンビネーションで6.33をスコアしてヒートを開始する。
それに対しファニングは素晴らしいカービングターンの連続で7.00をスコアして応戦。さらにファニングは、バックアップを6.67としてヒート前半をリードした。
優先権を持って波を待つカノアに対し、ファニングは手前でスコアを重ねていく。後半に入り、ようやく波を掴んかだカノアは、際どいセクションでのフルレールのレイバック・スラッシュで大きなスプレーをあげ、6.83をスコアするもニード6.85と追い込まれていた。
勢いにあるファニングは、終盤にエクセレントの8.77をスコア。会場は3タイム世界チャンピオンのライディングに湧き上がり、残り時間も刻一刻と少なくなってくる中で、カノアのニードスコアは8.94と広がってしまう。
ラストウェイブでビッグセットをつかんだカノアは、最後の1本で大逆転を狙う。しかしサイズはあるものの思うように波が切り立ってこない。そこに巧み技を仕掛けてインサイドまでコンプリートし、最後はガッツポーズを見せたカノア。しかしスコアはエクセレントの8.00となるも、僅かに逆転ならず。惜しくも僅差で敗退となった。
ベルズの波は癖があり、カノア自身もベルズ攻略に時間がかかったというだけあり、ベルズボウルでの経験がものを言ったヒートとなった。そして、現役時代を彷彿させる勢いのあったファニングのサーフィンはリタイヤした選手とは思えないパフォーマンスであった。
「ワイルドカードとして、パフォーマンスをしたいんだ」とファニングは言った。「世界No.1と対戦するのだから、失うものは何も無いし、ただ楽しむためにここに来ているのだから、いくつか波をつかめて最高だった。ただ、波乗りができたことに満足している。
最後はタイトな展開になり、2本連続で波に乗ることができて楽しかった。それが本当にやりたいことなのかもしれない。終盤はタイトな展開で、2本連続で波に乗ることができた。僕にとっては、ただ楽しんでいるだけだし、二人だけでパンピングするベルズでサーフィンができたことは、最高のプレゼントだよ」。
ジョンジョンがパーフェクトヒート
これまでのシーズンで最もクレイジーなヒートの1つで、ベルズ優勝者であるジョン・ジョン・フローレンス(HAW)は、ブラジルのルーキー、ジョアン・チアンカを破るためにパーフェクトに近い9.93を含むヒート・トータル18.86を記録し、驚くべきパフォーマンスを披露した。
「波は素晴らしいです」とフローレンスは言った。「ジョアンとのヒートはハードでしたね。今年はすでに本当に良いヒートがいくつもあり、彼とのバトルはいつもとても楽しくて、とても興味深いものです。
ルーキーとの対戦は、相手が何をしでかすかわからないから、いつも大変なんですよ。パイプでは彼とクレイジーなヒートを繰り広げましたが、波がどうであれ、彼はとても上手いんです。またここで勝ちたいですね。波がこうだと海にいる時間が長くなって楽しいよ」。
まだ試合は進行中だが、カノアをはじめ、ランキング2位のケリー、バロン・マミヤ、セス・モニーツといたトップ5のうち4名がここまでに敗退。唯一ランキング4位のフィリーペ・トリードだけがラウンドオブ16へ勝ち上がっている。この結果はカノアがランキングを維持するために有利に働くことだろう。
11タイム・ワールド・チャンピオンのケリー・スレーターは、ルーキーのイマイカラニ・デボルト(HAW)に僅差で敗れた。スレーターは、ベルズボウルとの相性は良かったが、元世界チャンピオンがラウンドオブ32で勝つ流れを継続させることはできなかった。
コナー・オレアリーが大逆転勝利。
ジャクソン・ベイカー、イーサン・ユーイング、コナー・オレアリー、モーガン・シビリック、カラム・ロブソン、ジャック・ロビンソンというオーストラリアの若手サーファーがラウンドオブ16進出を決めたベルズボウルでの一日となった。ユーイングは、トータルスコア15.73(20点満点)でラウンドアップ。
一方、コナー・オリアリーはヒート終了間際の波で0.2ポイント差でハワイアンのイズキール・ラウに大逆転勝利し、ヒートを勝ち抜いた。
オレアリーは、ラウンドオブ16でマイキー・ライト(オーストラリア)を倒したフィリーペ・トレード(ブラジル)と対戦する。また、ルーキーのジャクソン・ベイカーは、元ベルズ優勝者でこのイベントの人気者ジョーディ・スミス(ZAF)を破るという素晴らしいパフォーマンスを見せた。
リップ・カール・プロ・ベルズビーチ・メンズ・ラウンド・オブ・32結果
HEAT 1:オーウェン・ライト(AUS)13.67 DEF. グリフィン・コラピント(USA)12.34
HEAT 2:ナット・ヤング(USA)13.50 DEF. カイオ・イベリ(BRA)8.60
ヒート3.ジャクソン・ベイカー(AUS)14.60 DEF. ジョーディ・スミス(ZAF)10.90
HEAT 4:イーサン・ユーイング(AUS)15.73 DEF. ルッカ・メシナス(PER)9.90
HEAT 5:フィリーペ・トリード(BRA)15.16 DEF. マイキー・ライト(AUS)14.67
HEAT 6:コナー・オレアリー(AUS)13.46 DEF. イズキール・ラウ(HAW)13.26
HEAT 7:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)18.86 DEF. ジョアン・チアンカ(BRA)17.73
HEAT 8:モーガン・シビリック(AUS)14.93 DEF. バロン・マミヤ(HAW)13.50
HEAT 9:ミック・ファニング(AUS)15.77 DEF. 五十嵐カノア(JPN)14.83
HEAT 10:カラム・ロブソン(AUS)15.27 DEF. フレデリコ・モライス(PRT)13.43
HEAT11:ミゲル・プポ(BRA)15.80 DEF. デイヴィッド・シルヴァ(BRA)15.53
HEAT12:コロヘ・アンディーノ(USA)14.10 DEF. ジャドソン・アンドレ(BRA)14.06
HEAT 13:イマイカラニ・デヴォルト(HAW)13.84 DEF. ケリー・スレーター(USA)13.77
HEAT 14:ジャック・ロビンソン(AUS)16.17 DEF. レオナルド・フィオラバンティ(ITA)9.90
HEAT 15:サミュエル・プポ(BRA)10.10 DEF. ジェイク・マーシャル(USA)9.17
HEAT 16:イタロ・フェレイラ(BRA)14.00 DEF. ライアン・カリナン(AUS)13.00
リップ・カール・プロ・ベルズ・ビーチ・メンズ・ラウンド・オブ16のマッチアップ。
HEAT 1:オーウェン・ライト(AUS) vs. ナット・ヤング(USA)
HEAT2:ジャクソン・ベイカー(AUS) vs イーサン・ユーイング(AUS)
ヒート3 フィリペ・トレド(BRA) vs コナー・オレアリー(AUS)
HEAT 4:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW) vs. モーガン・シビリック(AUS)
HEAT 5:ミック・ファニング(AUS) vs. カラム・ロブソン(AUS)
HEAT 6:ミゲル・プポ(BRA) vs. コロヘ・アンディーノ(USA)
HEAT 7:イマイカラニ・デ・ボルト(HAW) vs. ジャック・ロビンソン(AUS)
HEAT 8:サミュエル・プポ(BRA) vs. イタロ・フェレイラ(BRA)
リップ・カール・プロ・ベルズビーチ・ウイメンズ・クオーターファイナル・マッチアップス。
HEAT 1:コートニー・コンローグ(USA) vs. サリー・フィッツギボンズ(AUS)
HEAT 2:ブロンテ・マコーレー(AUS) vs. タイラー・ライト(AUS)
ヒート3 カリッサ・ムーア(HAW) vs ステファニー・ギルモア(AUS)
HEAT 4:ブリサ・ヘネシー(CRI) vs. ジョアン・ディフェイ(FRA)
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