取材:永島未知子 WSLチャレンジャーシリーズ第3戦の「Quiksilver and ROXY Pro France」が終了した。日本人選手達は1戦目のカリフォルニア、2戦目のポルトガル、今回のフランスと3カ国を連続して回ってきた。
ここで4戦目のハワイまで(11月26日から12月7日までハレイワで開催)少し時間があくので一度日本へ帰国する。ひと月以上も転戦してきた11名のうち4名の日本人選手に今の心境を聞いた。
フランスが終了した時点での日本勢のCSランキングは、五十嵐カノアがトップ、20位 村上舜 、33位 大原洋人、74位 稲葉玲王、89位 西修司 。女子では15位の松田詩野がトップで、20位 脇田紗良、29位 野中美波、31位 黒川日菜子、37位 前田マヒナ、47位 都筑有夢路というランキングになっている。
CTから既にクオリファイを決めているカノア以外の日本人選手にとっては厳しい戦いとなっているが、最終戦のハレイワがまだ残っている。ランキングによっては出場できない選手も出てくるかもしれないが、最後までチャージを続けて欲しい。
・松田詩野
アメリカ17位、ポルトガル5位、フランス9位、現在のランキング15位
―直近で行われたフランス戦。R 2はプライオリティを持ち続け、耐えて逆転、R 3はちょっと悔しい展開だと見ていて思いました。試合を終えた今、自分のヒートをどうみていますか?
「自分の決めた場所で波に乗れてスコアできたことが自信に繋がりました。マンオンマンでは良い波と良いスコアを狙いに行ったのですがリズムを掴めずで…ですが、悔しさからたくさんの事を学べたので、今回をまたバネにして、もっと上にいけるよう頑張ります!」
ーポルトガルに続きマンオンマンのラウンドまで勝ち上がり、勢いをつけているように感じました。自分の中で、何かを超えた感覚はありますか?
「本当に今回、三戦を通してサポートしてくれた周りの人(の応援)と、このCSのためにしてきたことが大会中、自分の自信になったと思います! ハワイの大会までにも必要なことを明確にして、大会までにレベルアップしたいと思います」
・脇田紗良
アメリカ5位、ポルトガル17位、フランス17位、現在のランキング20位
―(ハワイへ)帰国までに数日あります。どこかフリーサーフィンしに行きますか?
「ちょっと今、首が痛くてムチウチ状態なんです。試合の前、海に入っていたときドルフィンして上がってきたら、空から他の(エアに挑戦した)サーファーが降ってきて。衝撃がけっこう大きくて…サーフボードに(顔に塗っていた)日焼け止めがベッタリついてました。試合の時はアドレナリンが出るので大丈夫ですが、終わったあとから痛みがすぐやってきて」
―紗良ちゃんのR2は2位だった選手と、トータルのスコアが0.4と僅差。とても惜しかったのですが、そのアクシデントがなければ結果は変わっていたかもしれませんね。
「いや、でもサーフィン(それ自体)で勝たないと…。二番の選手もいいサーフィンしてましたし」
―ハワイまで少し時間があります。
「それまでに首の状態を元に戻して、ハワイはまた頑張ります」
新たな課題ができたと思います。
稲葉玲王
アメリカ73位、ポルトガル73位、フランス73位、現在のランキング74位
西修司
アメリカ73位、ポルトガル73位、フランス73位、現在のランキング89位
田中樹コーチ
田中樹コーチには以下の同じ質問をした。
―3戦を終えての大まかな感想をお願いします!
西「初めてこのクラスに出たんですけど、自分じゃ全くかなわないと思いました」
稲葉「ただただ悔しいです。自分の思うような試合が一回も出来ず終わってしまい、凄く悔しいです」
田中コーチ「そうですね。今回全戦コーチで帯同しました。なかなか厳しい結果になってしまいましたが、一年振りのツアーとあって、彼ら彼女らの位置が明確にわかったと思います。そこからまた新たな課題ができたと思います」
―アメリカ、ポルトガル、フランスの3カ国を回ってきた中で、一番印象深かった出来事(試合以外の事でも)を教えてください。
西「コロナの影響で色々大変でした。初めてヨーロッパ来たんですけど好きになった」
稲葉「一番印象深かった出来事は特にないんですが、どこもいい波でサーフィンできた事ですかね! あとは日本と違ってマスクをしている人が少なく、どこも人が凄く多く、コロナって何? みたいな感じでビックリしました」
田中コーチ「1番の思い出は、今回ツアーを回るにあたりコロナを心配していましたが、こっちの方は全然ない感じにわからされました。笑笑」
―今後の抱負があれば一言お願いします。
西「頑張って生きていきたいです」
稲葉「今年は最後、ハワイの試合に出られればチャンスがあるので、最後はいい結果で締め括りたいです。来年CSに出られるチャンスがあれば、CTを絶対狙っていきたいです!」
田中コーチ「自分の目標は常に1人でも多く、世界で戦える選手を育てていきたい。それだけっす」
世界を目指す、彼らの活躍を期待しエールを送り続けたい。がんばれ!日本!