リベイラ・ディリャス、エリセイラ、ポルトガル:2021年10月7日(木)、2021年チャレンジャーシリーズ第2戦「MEO Vissla Pro Ericeira」大会5日目は、しっかりとしたグランドスウェルが入り、まさにエピックなコンディションで男女共ラウンド3が行われた。
そして、そんな素晴らしいコンディションで、日本の大原洋人はラウンド3のH3でナット・ヤングとジェイコブ・ウィルコックスと対戦。松田詩野は女子ラウンド3のH3でアリッサ・スペンサー(USA)と対戦。素晴らしい演技を披露した。
3人ヒートのR3で大原は、H3でナット・ヤングとジェイコブ・ウィルコックスと対戦。大原洋人は、スタートから3発のクリティカル・リエントリーとレイバックスラッシュを組み合わせ、6.67という高得点をスコアして素晴らしいスタートを見せる。
ナット・ヤングはバックハンドで6.50をスコア。大原は続けて3つのカービングとリエントリーで6.07をスコアする。好調なナット・ヤングは2本目で7.77という高スコアを叩き出してトップに躍り出る。
ヒートは後半に入り、今回非常にキレのあるサーフィンを見せている大原は、優先権を使ってグッドセットをキャッチ。ビッグリエントリーを決めるも、その後スープに捕まりワイプアウト。トップを走るヤングは最後に8.83というエクセレントを叩き出し、リードを広げて1位通過。大原洋人は2位で見事ラウンド4へ勝ち上がった。
ラウンド4で大原洋人はヒート4でカルロス・ムニョスと対戦する。
松田詩野が9.67をスコアして、スペンサーに大逆転勝利。
松田詩野はラウンド3のヒート3で、今大会好調なアリッサ・スペンサー(USA)と対戦。ヒートは松田から先制攻撃を仕掛け、バックハンドのスタイリッシュなクイックスナップのコンビネーションで5.83をスコア。今回好調にハイポイントを出しているスペンサーは、インサイドでワイプアウトするも6.33をスコア。スペンサーはすぐにバックアップを掴み7.83をスコア。ヒートをリードしていく。
優先権を持って波を探していた松田は、グッドセットをキャッチ。テイクオフから滑り落ちるようにボトムへ降り、そこからドライブの効いたボトムターンで一気にトップへ上がり、波の際目がけてサーフボードを蹴り出す。リップの内側には大きなトラックが残り、空中に大きな扇型のスプレーが吹き上がる。そんなターンを繰り返した松田は8.47のエクセレントをマーク。スペンサーを僅差ながら逆転しトップに躍り出た。
後半に入り、スペンサーも仕掛けるがワイプアウトしスコアが伸ばせない。それに対して勢いに乗った松田はクローズセクションでのビッグリエントリーをメイク。バックアップを7.97に塗り替えてリードを広げていく。
そして、残り時間8分を切り、スペンサーがグッドセットをキャッチ。ファーストターンからスピード、パワー、コミットメントの要素が感じられる素晴らしいライディングで本人もガッツポーズ。それがなんと9.43となり再びスペンサーがトップに。
このヒートは後半は、凄まじいデッドヒートになった。残り時間5分。逆転に必要なスコアは8.80。完全に追い込まれてしまった松田。しかし、最後まで諦めなかった松田は、巨大な波にテイクオフ。そしてダブルアップしてくるクリティカルセクションで、ハイリスキーなアンダーザリップでのリエントリーをメイク。それが9.67となり、最後の最後に大逆転の大逆転でトップを奪い取った。
スペンサーも最後までチャージするも届かず。松田がスペンサーとのスーパーヒートを制し見事、準々決勝へと勝ち上がった。
「大きなスコアが必要でしたが、必ずその波が来ると信じていました」と松田詩野がコメント。「楽しんでサーフィンしたかったので、この結果にはとても満足しています。最終的には絶対にクオリファイしたいと思っていますが、ストレスを溜めずに、むしろ旅を楽しみたいと思っています」。
目の前にあった東京オリンピックの日本代表の座を逃した松田詩野は、相当な悔しい思いをしたに違いない。その悔しさを力に変えて、この強さを手に入れたんだと思う。
今回のように追い込まれた時のメンタルの強さとフィジカルの両方で、これまで見たことのない松田詩野の底力を見たような気がした。本当に凄いヒートだった。
松田詩野は、準々決勝のH2でハワイの新鋭ガブリエラ・ブライアンと対戦。大原洋人はラウンド4でヒート4でカルロス・ムニョスと対戦する。がんばれ!松田詩野!がんばれ!大原洋人!
ネクストコールは、現地金曜日の午前7時35分(WEST)日本時間の 2021年10月8日15時35分。同じようなコンディションが予想され、さらにサイズが大きくなる可能性がある。
オフィシャルサイトでライブ中継が行われます。