稲葉玲王、歓喜の大逆転勝利。JPSA初優勝。脇田紗良も圧巻のV。さわかみチャレンジシリーズ一宮プロ

優勝した脇田紗良と稲葉玲王

写真、リポート:山本貞彦 JPSA第1戦「さわかみチャレンジシリーズ一宮プロ -Challenge I-」のショートボードは大会3日目で今日が最終日。今日は女子のR-2からスタートして、男女ファイナルまで。

 

大会会場の天候は曇り。朝一の風は弱いオフで面は綺麗でだったが、9時過ぎにはサイドオンに風が変わる。波のサイズは腰腹。あまり張らない波に加え、波数も少なかったことで一日通して、厳しい戦いとなった。

 

 

そこにはプロサーフィンの素晴らしさを示す感動のドラマがあった。

 

男女ファイナルは、共に激しいデッドヒートの末、感動の大逆転劇で幕を閉じることとなった。男子は、親友で同じチームの稲葉玲王と脇田泰地が初めてファイナルで対戦。そして、終始リードされた稲葉玲王が、終了間際にエクセレントをスコアして大逆転。JPSA初優勝を決めた。

 

また女子のファイナルでは、この地をホームとする脇田紗良と川合美乃里という日本のトップが激突。川合美乃里がリード保持する終盤に、脇田紗良が渾身のラストライドで大逆転勝利を収めた。男女共これぞプロサーフィンだと言わんばかりの感動のフィナーレだった。

 

 

男子
優勝:稲葉玲王
2位:脇田泰地
3位:上山キアヌ久里朱、西慶司郎
5位:田中大貴、伊東李安琉、小林桂、加藤翔平

 

女子
優勝:脇田紗良
2位:川合美乃里
3位:都築虹帆、川瀬心那
5位:松永莉奈、野中美波
7位:高橋みなと、庵原美穂

 

終了間際の大逆転で掴んだJPSA初優勝、稲葉玲王。

 

 

パワーの無い波でもレールワークでスピードをつけることができるから、技数も入る。ファイナルではプライオリティのミスがあったものの、脇田泰地が終了1分前にスルーした波で、エクセレントスコアの8.10ポイントを叩き出して逆転優勝。ここぞという時の爆発力はピカイチだ。

 

 

今大会の賞金はラウンドアップマネー方式に加え、スポンサーの「さわかみグループ」様から副賞として35万円が贈られ、賞金総額は¥1,147,500を獲得。JPSAでは初優勝となった。おめでとう!

 

 

JPSAは初優勝なんで、「やっと」っていう感じで本当に嬉しいです。6.50を最初に出せたんで、もう勝ったと思いました。1本目なんで結構出してくれるかなぁと思ったんですけど。

 

そのあと泰地(脇田)がポンポンと決めて、流れ的には完全にタイチの流れだったですね。自分的には終わっている試合運びをしていたかなと思っていたんです。最後は少し諦めかけていたんですけど、最後の最後までわからないですね。

 

最後の8.10で大逆転。ネバーギブアップですね。あの波はあまり良い波には見えなかったんです。だからタイチもやめたんだと思うんですけど。今日は神様がいてくれましたね。地元開催だったということと、弟のようなタイチとのヒートだったので、思い出に残るファイナルになりました。

 

本当はぶっちぎりで勝ちたかったんですけど、これでやっとスポンサーとかに少しは返せたかなって思います。応援ありがとうございました。

 

 

準優勝の脇田泰地。試合運びだけでなく、サーフィンも大きく変わった。

 

 

 昨年から試合への取り組みが変わった脇田泰地。試合運びだけでなく、サーフィンも大きく変わった。今までは力んで一発決める的な演技だったものが、今は止まらないサーフィン。

力加減は緩急つけて、スピードを殺さずにフロウを意識。元々、天性の才能があるだけに試合に慣れてくれば当然の結果。

 

兄妹のダブル優勝はお預けとなったものの、この先が楽しみとなった。

クォーターファイナルでは、今大会のシングルハイエストスコアとなる9.00ポイントを出し、そのまま勢いつけて決勝まで駆け上がる。

 

上山キアヌ久里朱
タフな戦いを勝ち上がったものの、脇田泰地に一歩譲る結果となった。それでも今大会は最後まで諦めないという姿勢がここそこに見えた。他スポーツ選手との交流で刺激を受けたことで、前向きな姿勢になったことも良い結果につながっている。

 

西慶司郎
スキルだけでなく、戦い方を覚えたことで負けない選手になった。大きな違いは、コケなくなったこと。決めるときに決める。これができるようになったことが、今の強さにつながっている。

 

女子優勝は脇田紗良。昨年の特別戦からJPSA負けなし

今日の最初のR-2では、波を選びすぎて乗れず。まさかの敗退かと思われたものの、ギリギリでラウンドアップ。その後、ヒートを戦いながら微調整できるところが、今の紗良の強さの秘訣。

昨年の特別戦の優勝に続き、今年も幸先良いスタートを切った。今大会の賞金はラウンドアップマネー方式に加え、スポンサーの「さわかみグループ」様から副賞として15万円が贈られ、賞金総額は¥500,000を獲得。おめでとう!

 

 

「思っていた波に全然乗れなくて、最後まで心臓バクバクでした。今もヤバいです(笑)。今回の試合では多くを学べて、また次の試合に繋げられたらと思います。あの最後に逆転した波(5.43)は、乗った時に結構張ってきたんで最初に一発入れたいなと思ったんです。

でも前のヒートでは無理矢理2発入れようとして失敗していたんで、今回は1発にフォーカスして、スピードをつけて、大きく決めれるようにしました。今後も試合は続くと思うので、この流れを崩さずに今以上に努力していけたらと思います。

 

準優勝の川合美乃里、スピードと縦への動きはピカイチ

 

川合美乃里
スピードと縦への動きは女子の中でも上位に入る川合美乃里。今大会はライト、レフトと波を見極めて、リズム良くライディング。決勝ではひっくり返されたものの、この勢いは続くと予想。

都築虹帆
試合でも果敢に攻める。それが時折、仇となってワイプアウトの連続となることもあるが、その攻めの姿勢は好きだ。今回はバックハンドでリップからそのまま飛び出して、エクセレントスコアの8.00ポイントを叩き出す。

川瀬心那
線は細いものの、ボードコントロールが上手いから板の返しが早い。特にバックサイドはキレた演技でスプレーを飛ばすところに好印象。

 

男子クオーターファイナルで敗れ、惜しくも第5位 となったのは、田中大貴、伊東李安琉、小林桂、加藤翔平。

伊東李安琉
田中大貴
小林桂
加藤翔平

 

女子は5位に松永莉奈、野中美波、7位に高橋みなと、庵原美穂が入った。

 

松永莉奈
野中美波
高橋みなと

 

庵原美穂

 

 

 

【Surfing for all がんばろう日本!】
JPSA2021 さわかみ Japan Pro Surfing Tour ショートボード第1戦 -CS1-

さわかみチャレンジシリーズ
一宮プロ -Challenge I-

●大会会場
千葉県長生郡 一宮海岸

●スケジュール
ショートボード:5/31(月)〜6/2(水)予備日:6/3(木)
ロングボード :6/3(木)〜6/4(金)予備日:6/5(土)

 

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