WSL-CT第2戦「リップカール・ニューカッスル・カップ」開幕。五十嵐カノアは第3ラウンド進出

五十嵐カノア PHOTO: © WSL / Dunbar

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州ニューカッスル(2021年4月1日木曜日) – ワールド・サーフ・リーグ(WSL)2021年チャンピオンシップ・ツアー(CT)第2戦となる「リップカール・ニューカッスル・カップ presented by Corona」が本日開幕。メレウェザーの小さくトリッキーなコンディションの中、男女のシーディング・ラウンド1を終了した。

 

Rip Curl Newcastle Cup Presented By Corona – Day 1

世界チャンピオンのイタロ・フェレイラ PHOTO: © WSL / Miers

 

初日は波に恵まれず、それを補うような素晴らしいパフォーマンスが繰り広げられ、世界のトップ選手たちが約2年ぶりにオーストラリアでのCTイベントに戻った。

 

ライアン・カリナン(AUS)PHOTO: © WSL / Dunbar

 

地元出身のライアン・カリナン(AUS)は、初日のヒートで最高の2ウェイブ・コンビネーションを獲得し、地元でのキャンペーンをスタート。カリナンは、ローカルナレッジを生かして、各セットの最高の波を見つけ出し、バックサイドのテクニックを駆使して、ヒートトータルスコア15.26(20点満点中)をスコアしてRound of 32に進出した。

 

ライアン・カリナン(AUS)PHOTO: © WSL / Miers

 

「世界中の観客がいつも応援してくれますが、自分の国の観客となると何か特別な感じがします」とカリナンが言った。「これまでやってきたような波ではありませんでしたが、それでも試合が出来て、良いスコアを出せて、とても楽しかったです。ファンの皆さんが来てくれるのはとても嬉しいですね。たとえコンディションが悪くても、ファンの皆さんはイベントに良い雰囲気をもたらしてくれます。僕にとっては特別な経験なので、このイベントをとても楽しみにしています」。

 

カリナンと同じ地元出身のモーガン・シビリック(AUS)、ワイルドカードのジャクソン・ベイカー(AUS)とフィリッパ・アンダーソン(AUS)も今日の試合では成功を収め、第3ラウンドに進出。

 

メレウェザーに移住したジュリアン・ウィルソン(AUS)は、2020年にはニューキャッスル・サーフェストで優勝したが、ラウンド1で3位敗退を喫しエリミネーション・ラウンドからの起死回生を目指す。

 

ジョン・ジョン・フローレンス PHOTO: © WSL / Miers

世界No.1のジョン・ジョン・フローレンスがニューキャッスルで勢いに乗る

 

現在の世界No.1であるジョン・ジョン・フローレンス(HAW)は、ビッグ・サーフや素晴らしい波でのパフォーマンスで世界中から称賛されているが、今日のメレウェザーでは、2度のWSLチャンピオンは、波が小さいときにも素晴らしいテクニックを持っていることを示した。

 

フローレンスは、厳しいコンディションの中、カーボンファイバー製のボードを選択したが、これが功を奏し、トレードマークであるレールカービングを駆使して、今日の2ウェーブコンビネーションで2番目に高いスコアを記録。

 

ジョン・ジョン・フローレンス PHOTO: © WSL / Dunbar

 

フローレンスは、14.56(20点満点中)のスコアでラウンドオブ32に進出し、今年開催されるサーフィンのオリンピックデビュー戦では、予想以上に大きな脅威となるだろう。

 

「復帰第1ヒートはいつも緊張するものですが、正直なところ、数日前の方が緊張しました」とフローレンスが言った。「昨日はウォームアップで良い波に乗れたので、今日はとても落ち着いて臨めました。波が小さいと確かに難しいですが、自分のボードはこのような弱い波でも機能しますし、小波はここ数年取り組んできた分野でもあります。このような波では、今までとは違った面白さがあるので楽しいですね」。

 

五十嵐カノア PHOTO: © WSL / Dunbar

 

日本の五十嵐カノアはR1のヒート1にクレジットされ、コナー・コフィン(USA)、デイビッド・シルバ(BRA)と対戦。厳しいコンディションのなか、スタートから優先権を維持してスコアリング・ウェイブをじっくりと待つ作戦に出た。

 

他の選手がスコアを重ねる中、前半はノーライドのカノアが残り10分でファーストライド。ライトを掴み掘れたセクションでフォアハンドの2ターンで3.83をスコア。一方、シルバはバックハンドでラディカルなマニューバーを描き、5.33をスコアして、ヒートをリード。

ラストウェイブでは5.77をマークして、ヒートスコア11.10をマークして1位でラウンドアップ。カノアはコンパクトながらセクションのある波をセレクトし、ターンを繰り出すもスコアは伸びず、2位となるもラウンド3へ勝ち進んだ。

 

コナー・オレアリーPHOTO: © WSL / Miers

 

コナー・オレアリー はJPSAグランドチャンピオンの経験もある柄沢明美さんを母に持つハーフのオーストラリア人サーファー。ツアーへの復帰をはたし今シーズンの活躍が期待されている。今シーズンから彼のゼッケンの左肩には、日本の国旗が記されている。これは母の母国&日本の応援団へのリスペクトということで、スポンサーも一新。新生コナーの活躍に期待したい。

キャロライン・マークスが初日のメレウェザーを制す

 

キャロライン  PHOTO: © WSL / Dunbar

 

コロナ偽陽性騒ぎで、一時は出場も危ぶまれたキャロライン・マークス(アメリカ)は、今大会のシングルウェイブでの最高得点をマークし、圧倒的な強さを見せた。マークスは、クリティカルなバックハンド・スナップをショアブレイクまで決め、8.00(10点満点中)のエクセレント・スコアをたたき出した。

 

「 数年ぶりにオーストラリアに戻ってくることができて嬉しいです。ここに来るまでは確かにストレスがありましたが、健康で自分の好きなことができるのは嬉しいですね。試合に出るのがとても恋しくなりました」。

同じくオリンピック予選を勝ち抜いた、4度のWSLチャンピオンであるカリッサ・ムーア(HAW)もまた、最高のパフォーマンスを見せた。ムーアは、メレウェザーのオープニング・ヒートでパワー・サーフィンを披露し、フィリッパ・アンダーソンとセージ・エリクソン(USA)を抑えて勝利を収めた。

 

ステファニー  PHOTO: © WSL / Dunbar

 

また、ステファニー・ギルモア(AUS)も小さい波で見事に勝利を収めた。7度のWSLチャンピオンであるギルモアは、ラウンド1のヒート4でブロンテ・マコーレー(AUS)とジョアン・デフェイ(FRA)を抑えラウンドアップ。サリー・フィッツギボンズも大会初日に好調なスタートを切った。

 

 

ネクストコールは、現地時間の 2021年4月2日7時30分、日本時間の 2021年4月2日5時30分です。

 

 

Rip Curl Newcastle Cup pres. by Corona Men’s Seeding Round 1 Results:
HEAT 1: Deivid Silva (BRA) 11.10 DEF. Kanoa Igarashi (JPN) 7.20, Conner Coffin (USA) 4.96
HEAT 2: Filipe Toledo (BRA) 11.00 DEF. Morgan Cibilic (AUS) 10.70, Jadson Andre (BRA) 9.30
HEAT 3: John John Florence (HAW) 14.56 DEF. Yago Dora (BRA) 12.73, Mikey Wright (AUS) 12.00
HEAT 4: Frederico Morais (PRT) 12.27 DEF. Jordy Smith (ZAF) 11.17, Matt Banting (AUS) 10.90
HEAT 5: Crosby Colapinto (USA) 10.74 DEF. Gabriel Medina (BRA) 10.27, Matthew McGillivray (ZAF) 8.16
HEAT 6: Italo Ferreira (BRA) 12.23 DEF. Jackson Baker (AUS) 11.50, Jack Robinson (AUS) 9.33
HEAT 7: Jeremy Flores (FRA) 11.84 DEF. Adrian Buchan (AUS) 11.67, Connor O’Leary (AUS) 8.53
HEAT 8: Peterson Crisanto (BRA) 10.84 DEF. Alex Ribeiro (BRA) 8.67, Owen Wright (AUS) 8.13
HEAT 9: Ethan Ewing (AUS) 11.77 DEF. Wade Carmichael (AUS) 10.60, Julian Wilson (AUS) 10.53
HEAT 10: Ryan Callinan (AUS) 15.26 DEF. Griffin Colapinto (USA) 12.50, Leonardo Fioravanti (ITA) 8.37
HEAT 11: Miguel Pupo (BRA) 10.50 DEF. Jack Freestone (AUS) 9.40, Michel Bourez (FRA) 7.77
HEAT 12: Caio Ibelli (BRA) 10.54 DEF. Seth Moniz (HAW) 8.86, Adriano de Souza (BRA) 8.84

Rip Curl Newcastle Cup pres. by Corona Men’s Elimination Round 2 Matchups:
HEAT 1: Owen Wright (AUS) vs. Adriano de Souza (BRA) vs. Matt Banting (AUS)
HEAT 2: Julian Wilson (AUS) vs. Jack Robinson (AUS) vs. Mikey Wright (AUS)
HEAT 3: Michel Bourez (FRA) vs. Matthew McGillivray (ZAF) vs. Connor O’Leary (AUS)
HEAT 4: Conner Coffin (USA) vs. Jadson Andre (BRA) vs. Leonardo Fioravanti (ITA)

Rip Curl Newcastle Cup pres. by Corona Women’s Seeding Round 1 Results:
HEAT 1: Sally Fitzgibbons (AUS) 14.00 DEF. Nikki Van Dijk (AUS) 10.27, Macy Callaghan (AUS) 8.44
HEAT 2: Tyler Wright (AUS) 13.37 DEF. Lakey Peterson (USA) 10.50, Keely Andrew (AUS) 8.90
HEAT 3: Carissa Moore (HAW) 13.73 DEF. Philippa Anderson (AUS) 10.70, Sage Erickson (USA) 10.13
HEAT 4: Stephanie Gilmore (AUS) 13.50 DEF. Bronte Macaulay (AUS) 9.27, Johanne Defay (FRA) 8.56
HEAT 5: Caroline Marks (USA) 14.93 DEF. Courtney Conlogue (USA) 11.10, Brisa Hennessy (CRI) 10.10
HEAT 6: Isabella Nichols (AUS) 9.84 DEF. Tatiana Weston-Webb (BRA) 9.73, Malia Manuel (HAW) 8.14

Rip Curl Newcastle Cup pres. by Corona Women’s Elimination Round 2 Matchups:
HEAT 1: Malia Manuel (HAW) vs. Brisa Hennessy (CRI) vs. Keely Andrew (AUS)
HEAT 2: Johanne Defay (FRA) vs. Sage Erickson (USA) vs. Macy Callaghan (AUS)

 

詳細については、WorldSurfLeague.comをご覧ください。

 

男子:Rip Curl Newcastle Cup presented by Corona

女子:Rip Curl Newcastle Cup presented by Corona