現地時間12月20日日曜日に終了した。ワールドサーフリーグ(WSL)2021チャンピオンシップツアー(CT)の開幕戦「ビラボン・パイプ・マスターズ in Memory of Andy Irons presented by Hydro FlasK」。
ハワイのジョン・ジョン・フローレンスが初のパイプマスターに輝き、幕を閉じた。そのセミファイナルでジョンジョンとケリーが対戦。親子ほどの年齢差のあるパイプのベストサーファーである二人のマッチアップに注目が集まった。
しかし、そのヒートは、スタートからジョンジョンがパイプとバックドアで9.23と8.93という2本のエクセレントをスコア。ケリーは精彩を欠き、大差を付けられる展開となって、ジョンジョンが圧勝した。
ヒートで終了間際に、ジョンジョンが優先権を持ち、万事休すのケリー。ラストウェイブでジョンジョンの乗る波にケリーがテイクオフ。もちろんインターフェアがコールされたが、ケリーは見事なバックドア・バレルを抜けた。
セミファイナルのスーパーヒートでジョン・ジョン・フローレンスとケリー・スレーターがバトルする様子をご覧ください。
そんな二人のヒート表を見て疑問に思った人も多いと思うが、スコアをカットされる罰則ではなく、ケリーのスコアが全て0になっている。
これはどうしたことなのかと、調べてみたところ「CTやCSイベントでは、ジャッジの過半数が最後の5分間のインターフェアレンスが故意によるものであったと判断した場合はインターフェアしたサーファーは失格となる。」とあった。
ケリーは失格となったのである。そんなケリーの時の気持ちを語った記事がWSLに掲載されたので紹介したい。
Worth the interference?
Full replay of the @billabong1973 Pipe Masters pres. by @hydroflask, https://t.co/ie0ZfMVLPY. pic.twitter.com/J0a1DcYe1y— World Surf League (@wsl) December 21, 2020
「ジョンとは親友だ。あの時点でヒートの結果は出ていた。だから、最後に彼がプライオリティを持っていたので、もしも良い波が来たらパーティーウェーブだって伝えたんだ。残り30秒で他に選択肢はなかった。最後の数分で優先権を持っているべきだったかもしれないが、ヒートを楽しんだよ。」
以前、彼は Instagramでも「みんなは僕らが楽しんで試合をしているとは思っていない。ジョン・ジョンと僕は楽しい時間を過ごすのが好きなんだ。」ともコメント。
今回の件では、ケリーのコンペティターとしての心の中にあるものを浮き彫りにした。48歳で11回のワールドチャンピオンであるケリー・スレーターは、友人とサーフィンをするのが大好きで、パーティー・ウェーブも楽しみたいと思っている。彼の心の中は、たとえそれがビラボン・パイプマスターズであったとしても、ただの元気なキッズサーファーと変わりはないということなのかもしれない。