五十嵐カノアがアメリカのローカル紙のインタビューでオリンピックの延期についてコメント。

日本を代表するサーフスターの五十嵐カノアは、カリフォルニア州オレンジ・カウンティのコミュニティにサービスを提供するロサンゼルスタイムズが発行する日刊新聞「デイリーパイロット」WEB版のインタビューに応え、2021年まで延期されることになったオリンピックと新型コロナウイルスの感染拡大についてコメントした。

 

「オリンピックは素晴らしいです。物凄くビッグなチャンスで、巨大なイベントですが、長期的な見地に立ってみると、いま私たちには直面する遥かに大きな問題があります」とカノアが言った。

 

「私たちが直面している危機から、世界を元の状態に戻さなくては。自分のことを心配している時ではありません。人として出来るだけ多く、コミュニティを助けるために何ができるかを考えることに力を注いでいます。オリンピックは二の次です。」

 

五十嵐カノア WSL/ Masurel

 

今週初めにオリンピック延期の知らせが来たとき、カノアは、それほど驚きではなかったと言った。「なにか1か月前のようにでした」とカノアは言った。

 

「ウイルスが急速に広がっていく様子を見ていてました。僕はヨーロッパにたくさんの友達がいて、明らかにヨーロッパは打撃を受けていました。そして、彼らのタイムラインは僕たちより約3週間は進んでいると感じていました。そんな状況になっていること、そして、それがどれほど急速に進んでいるかを見れば延期は想像できることでした。でも心配すべきことは、もっともっとたくさんあります。」

 

 

いまはできるだけ家族と一緒にいて、みんなが安全で健康であることが、最も重要なことです

 

彼が今年5年目を迎えるサーフィンのワールドツアー。オーストラリアのゴールドコーストで3月26日に開始される予定だった開幕戦はキャンセルされ、4月に予定されていたベルビーチとマーガレットリバーのコンテストは延期され、ツアーが開始できない状態が続いている。そのためカノアはハンティントンビーチで家族との時間を過ごしている。

 

「いまはできるだけ家族と一緒にいて、みんなが安全で健康であることが、最も重要なことです」とカノアは言った。「外に出てサーフィンできるのは素晴らしいことですが、今は二の次です。サーフィンができるか心配するのは、ちょっと自己中心的だと思います。現時点での優先事項は家族と一緒にいて、健康で安全であることです。」

 

「サーファーとして、我々は他のスポーツよりも少し上手く対処することができます。僕たちはいつも自然に依存しています」とカノアは言った。 「僕らにとって、このウエイティング・ゲームは、いつも経験しているものです。でも通常は、日数の面でそれほど多くはありませんけど。

 

「確かに少しトリッキーです。モチベーションを高め、トレーニングを行い、決められた日程の準備をする方がはるかに簡単です。 …いずれにせよ、明日からでもいいようにトレーニングをしています。それが家族と過ごす時間の中で僕が現在持っている考え方です。」

 

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、首都圏の1都4県の知事は3月28日と29日の外出自粛を住民に要請したが、まだ日本と世界では温度差がある。世界各地で外出禁止令が出て、カノアのいるカリフォルニアでは海は全てクローズ。日本もそんな状況になる日が迫ってきているように感じる。