五十嵐カノアが今週、緊急帰国。9月8日(金)に所属先である木下グループに来社し、社員交流報告会イベントに参加した。パリ 2024 オリンピックの条件付き出場権を獲得している五十嵐カノアが、2023 シーズンのこと、今後の目標、パリ五輪の会場でもあるタヒチについてなどを話した。
社員交流報告会イベントに登場したカノアは終始、笑顔で、会場に集まった約200人の社員に対し「みなさんに来てもらって、本当にありがたいです。みなさんのサポートが、モチベーションやパワーになっています」と言った。
「一年中ツアーで世界を回って疲れるんですけど、日本に帰ってきたときはリセットできて、美味しい日本食も食べて、みんなに会えてパワーがもらえる感じです。
日本に帰ってくると忙しいんですけど、毎朝起きるとパワーアップしています。明日にはカリフォルニアに戻るんですけど、そのまま来年の準備が始まります。日本の滞在時間は短いですけど、本当に大切だと思っていて、今回も来れて本当に良かったと思っています。」
またオリンピックに行けるということは嬉しい気持ちです。
条件付きでパリ五輪出場枠を獲得した五十嵐カノア。去年のISA選手権(ハンティントン)で優勝して1枠、今年はISA選手権(エルサルバドル)アジア勢1位で1枠、CTランキングで自身の枠を1枠。自分で3つの枠を獲得したことについて質問されると。
「有り難い気持ちですね。周りのサポートのおかげです。家族のサポート、スポンサーのサポート、ファンのサポートのおかげで、毎日毎日モチベーションになってパワーもらって、皆さんに応援の声が聞こえるぐらい力をもらっています。
今年もいい年になって、またオリンピックに行けるということは嬉しい気持ちです。今年サポートを特に感じたので、サポートのおかげで毎日いい成績が取れるんだと思います。また来年もみんなと一緒に頑張りたいと思います。」
パリ五輪の会場となるタヒチの波について
「東京オリンピックの会場とはちょっと違う感じで、東京はサーフィンのパーフォーマンスを見せられたイベントだったんですが、パリオリンピックは、ビッグウェイブのイベントなので、美しい海、きれいな水、パワーがある波でのサーフィンをみんなに見せられるんじゃないかなって思っています。
サーフィンは他のスポーツとは、ちょっと違い、やる場所でサーフィンのスタイルが変わるので、今回はまた違ったサーフィンをみんなに見せられるのをすごく楽しみにしています。」
タヒチは『恐怖をどうやって力に変えるか』です。
タヒチは世界で一番危ない波って言われていて、初めてタヒチでサーフィンしたのが12歳のときで、怖い思いをしてタヒチで一生サーフィンしたくないと思いました。
16歳ぐらいまで怖い気持ちが続いて、どうにかして克服したいと思って。オリンピックは当時はなかったんだけど、自分の気持ちとしてはサーファーとして怖い波は少なくしたいと思ってました。
怖い気持ちを力にしたい。東京オリンピックのときは『緊張を力に変える』ことを学んだんですが、タヒチは『恐怖をどうやって力に変えるか』です。16、17歳ぐらいのときに勉強して、いっぱい練習して、その怖い波を自信をもって出来るようになったので、来年のオリンピックが楽しみです。
オリンピック選手は、あと20年ぐらいやりたい。
サーフィン競技を何歳ぐらいまで続けていくのか。
あまり考えたことはないんですけど、一生サーフィン続けたいですね。海に入っていることが一番疲れが取れる感じなので。オリンピック選手は、あと20年ぐらいやりたいなて思っています。
オリンピックは、これからたくさんあると思うので。サーフィンも2年前が初めてのオリンピックだったので、これからパリ、ロサンゼルス、オーストラリアと続く予定なので、何回もオリンピックに行ってメダルもいっぱい取って金メダル取りたいです。自分にはそういう夢があるので。
今後の目標。
「これからも、来年のパリオリンピックもあるんですが、このまま世界チャンピオンになるために毎日頑張っていきます。メダルやトロフィーを取ることも大切で幸せになるけど、一番大切でメインの夢、フォーカスは、人間として毎日毎日良くなりたいというのがあって、良い息子、良いお兄ちゃん、良い友達というのが一番大切だと思って。それさえ出来ていれば、サーフィンとかオリンピックとは付いてくるのかなと思って。人間として毎日良くなりたいと思います。
来年はオリンピックでみんなの応援をもらって頑張りたいと思います。」
世界チャンピオンになれるサーフィンが出来るようになって来た。
チャンピオンシップツアー9年目に対する思い。
「もう9年目かとびっくりするぐらいです。まだまだ25歳で、ピークまで遠いと思うんですが、ピークじゃないから頑張らないとかではなくて、ピークに近づいてきたからこそ、もっと頑張りたい。
17歳からチャンピオンシップツアーに入って、最初の5年6年ぐらいは、こどもで世界チャンピオンになる目標もなかったので、ちょっとづつ勉強してうまくなって、世界チャンピオンになれるサーフィンをしたいなって思ってました。
この2、3年で世界チャンピオンになれるサーフィン、金メダルを取れるサーフィンが出来るようになって来たので、これからがスタートという感じですごく楽しみです。」
タヒチの波の攻略について。
「タヒチの波は凄くシンプルで、波を読んで、良い波を探すことが大事です。なので準備が違う感じになります。でも目標は同じ。世界で一番怖い波、危ない波なので、その怖い気持ちを自信に変えること。こどもの頃に怖かった波を毎年繰り返し練習することで克服し、自信を持ってやれる波になった。
銀メダルが取れるなら、金メダルも取れる
東京オリンピックは凄く勉強にもなったし、良い経験にもなった。メダルを取れるサーフィンが出来るレベルがあるという自信を持てた。銀メダルが取れるなら、金メダルも取れると思っている。経験とサーフィンと準備をしっかりして、金メダルを取れるように頑張ります。」
今シーズンは4回ぐらいコーチが変わり、来年は新体制で挑む。
今シーズンは、ISAの試合では好成績を収めたカノアだったが、2018年からトップ10入りを続けてきたがCTランキングでは今年14位とトップ10を外れた。ミッドシーズンカットも危うい状況に陥っていた。その原因についてカノアが説明した。
「今シーズンは4回ぐらいコーチが変わって、同じコーチではなかったことが難しかったですね。シーズン中盤ぐらいからコーチが決まって、それが良かったのかなって感じですね。
CT入ってから同じコーチだったんですが、今年は一人でやろうかなと思っていて、でもシーズン開始直前にコーチを雇ったんですけど、合わなくって。違うコーチを雇っても合わなくて。オーストラリアに行ったときに良いコーチと会えたんです。
シーズン前半はコーチとのリズムが合わなくて、最後の方にリズムがあって、良い結果も残せるようになった。来シーズンは100パーセントで出来るようにオフシーズンにコーチと話してしていきたいです。」と言った。来シーズン、カノアの更なる飛躍に期待したい。頑張れ!カノア!