【速報!】大逆転で頂上を掴んだ都筑。日本人初のWSLジュニア世界チャンピオン。脇田、安室も3位

ジュニア世界チャンピオンとなった都筑有夢路 WSL / Matt Dunbar

 

ジンズン・ハーバー、台東/台湾(2019年11月29日、金曜日)-台湾で開催されてたジュニアの世界チャンピオンを決める「2019WSLワールド・ジュニア・チャンピオンシップ(WJC)」が終了。

 

またもや都筑有夢路がやってくれた。強豪選手をなぎ倒して、遂に頂上を取ってしまった。WJCワールドジュニア・チャンピオンシップで日本人として初優勝。WSLジュニア世界チャンピオンに輝いた。

 

都筑有夢路 WSL / Matt Dunbar

 

ラウンド1から圧倒的なサーフィンで勝ち上がっていた都筑有夢路は、クオーターで現ジュニア世界チャンピオンであるキラ・ピンカートンと対戦。終始リードを許していたが、ラストウェイブで 8.50をスコアし大逆転でセミファイナル進出を決めた。

 

セミファイナルではハワイのパワーハウス、ガブリエラ・ブライアンと対戦。彼女も言うまでもなく優勝候補の一人であった。

 

都筑有夢路 WSL / Matt Dunbar

ブライアンはスタートから7ポイントをスコア。都筑にプレッシャーをかける。バックアップも6.70をスコアしたブライアン。都筑はバックアップを持たないままヒート終盤。ニード8.37と追い込まれたラストウェイブでリスキーなバックハンド・フリーフォール・リエントリーにチャージ。

 

背丈の倍はあるようなホワイトウォーターに飲み込まれた都筑だったが、不死鳥のようにスープから現れ、大きく手を広げてメイクをアピール。そのライディングは9.27をマーク。終了間際の大逆転でファイナルへ勝ち上がった。これで流れは完全に都筑有夢路になった。

 

田中樹コーチとヒート前に作戦を立てるアムロ  WSL / Matt Dunbar
都筑有夢路のボトムターンが凄過ぎる WSL / Matt Dunbar

 

ファイナルでは、セミファイナルの勢いそのままの都筑有夢路が、カリフォルニアの強豪アリッサ・スペンサーと対戦。QSランクで都筑が8位、スペンサーが10位というまさにライバル対決となった。

 

都筑はスタートからバックハンドでチャージを見せて、掘れたセクションでビッグターンを繰り返し、6.00ポイントをスコアしてファイナルを開始する。

 

ウェイブセレクションが悪くスコアが伸ばせないスペンサーに対し都筑有夢路は、再びライトブレイクでフォアハンドのお手本のような素晴らしいライディングを披露する。そのスコアは7.00となり完全にファイナルをコントロール。

 

そのまま圧倒的なサーフィンで強敵アリッサを抑えて日本人初のWJCワールドジュニア・チャンピオンシップで優勝。金字塔を打ち立てた。この勢いはCT入りを予感させるもので、都筑の日本記録は更に更新されていくに違いない。

 

PHOTO:JJP YAMAMOTO

 

安室丈,3位入賞。

 

コーチの河村海沙と波を見つめる安室丈 photo:yamamoto

 

安室丈は、ザビエル・ハックスタブルと対戦。安室はスタートからビッグセットのエンドセクションで豪快なレイバックを決め、幸先の良いスタート切る。セカンドウェイブでは5.17をスコアしてリードを広げていく。対戦相手のザビエルは全く波とリズムが合わずスコアが伸ばせない。

 

 

安室丈はヒート終盤カーヴィングとオフザリップのコンビネーションで6.07をスコア。ラストウェイブではバックハンドでヴァーティカルなオフザリップで6.93をスコア。圧倒的なヒート運びでクオーターファイナルへ勝ち進んだ。

 

 

安室丈 WSL / Matt Dunbar

 

クオーターでは南アフリカのイーライ・ビュークスと対戦した安室。ヒートを終始リードしたのは安室だった。しかし終了間際に逆転されて追い込まれた。だが最後まで諦めない安室はラストウェイブで7.67をスコアして大逆転でSF進出を果たした。

 

安室丈 WSL / Matt Dunbar

 

セミファイナルでは、ルーカス・ビセンテと対戦した安室丈。ビッグレフトにチャージして6.5をスコアしてアドバンテージを取る安室。しかしバックアップを探す安室は2位を強いられる。ヒート終盤に入り再びソリッドなレフトで会場が大感染に包まれほどのビッグリエントリーを決めた安室は6.90 をスコアし逆転。しかしルーカスが8.33をスコアして再び逆転。

 

ラストにエクセレントの8.20をマークした安室だったが、惜しくも2度目となるファイナル進出を目前に3位でフィニッシュとなった。

 

 

 

村田嵐 WSL / Tim Hain

 

村田嵐は、ルーカス・ビセンテと対戦。ヒートはルーカスがバックハンドでチャージを見せて先行する形でスタート。カレントが強いタフなコンディションに良い波を掴めない村田。ヒート中盤はこう着状態が続き、ヒート後半に入り村田がビッグセットにチャージ。2つのビッグリエントリーを決めて5.10をスコア。トップに躍り出る。続けてレイト気味にテイクオフし、得意のカーヴィングをコンビネーション。4.27をスコアした村田はリードを広げる。

 

村田嵐 WSL / Tim Hain

 

優先権を持ってビセンテをマークする村田。しかし残り時間2分を切ってマークの隙を縫ってビセンテが波を掴み、バックハンドでリエントリーを決める。その波が5.80となり、まさかの逆転。村田嵐は終了間際の大逆転を喰らい悔しい敗退。9位でフィニッシュとなった。

 

WSL / Tim Hain

 

今回WJC初参戦の村田嵐。世界の舞台で自分のサーフィンが通用することが理解できたはずだ。逆に戦術の甘さが露見し、今後の明確な課題が見つかった。来シーズンは更にパワーアップした村田嵐に期待したい。

 

 

脇田紗良、WJC自身初の3位入賞。

 

脇田紗良と田中樹コーチ  WSL / Tim Hain

脇田紗良は、ペルーのソル・アギーレと対戦。ヒートはアギーレがバックハンドで4.17をスコアして開始。脇田は優先権を使い波をキャッチし、得意のカーヴィングをコネクトして4.33をスコアし応戦。続けて波を掴む脇田はカーヴィングからラフなホワイトウォーターへのアプローチも決めて5.33をスコア。ヒートをリードする。

 

脇田紗良 WSL / Matt Dunbar

 

残り10分を切って、グッドライトをつかんだ脇田は彼女らしいフォアハンドの素晴らしいコンビネーション・サーフィンを披露。その波が7.67となり、アギーレをニード8.83と大差に追い込み、見事セミファイナルへ勝ち上がった。

 

脇田紗良

 

セミファイナルでは、アリッサ・スペンサーと対戦。脇田はサイズのあるライトでスパイシーなオフザリップを決めて7.33をスコア。しかし先制攻撃を仕掛けてフォアハンドでエクセレントの8.33をスコアしたスペンサーにわずかに及ばず。それでもWJC自身初の3位という好成績でフィニッシュとなった。

 

 

タフなコンディションにもかかわらず、来年のオリンピックイヤーを前に、日本のサーフシーンの未来を感じさせる素晴らしい活躍を見せてくれたジャパン・ジュニア・チーム。今シーズンを締め括る感動のフィナーレとなった。来年も彼らの活躍が本当に楽しみだ。

 

 

https://www.worldsurfleague.com/events/2019/mjun/3175/wsl-junior-championships

https://www.worldsurfleague.com/events/2019/wjun/3176/wsl-junior-championships