現在、QS世界ランキング15位で、日本人選手の中で最もCT入りに近いポジションにいる稲葉玲王。そして、そんな彼をコーチという立場で支える田中樹。彼らの二人三脚でチャンピオンシップツアーという世界最高峰の舞台が手の届く場所にある。
今年7月に南アフリカで行われたQS10000で9位となり、3700ポイントを獲得し、一時はQS世界ランクで5位に浮上しトップ5入りを果たした。
高ポイントを獲得できるQS10000も、残り3戦という状況下で、夢のCTクオリファイが充分可能なポジションにいる。そんな稲葉玲王と田中樹コーチに、今シーズンを振り返りながら、シーズン終盤の意気込みを語ってもらった。
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稲葉:「前半戦、結構調子が良かったんですが、南アフリカのQS10000が終わって、8番のままUSオープンとスペインという大事な試合を戦ったんですけど、両方とも1コケしちゃって。
スペインは、試合のギリギリまで使うサーフボードが決まらなかったり、今年一番乗っているマジックボードで試合に出て、サーフィンの調子は良かったんですが、他の選手より良い波乗れなくて負けちゃいました。」
ここから結果を残してCT行きます。
今回のポルトガルのQS6000には日本のトップ選手が出場している中で稲葉玲王の名前がないと不思議に感じている日本のファンも多くいると思うけど、今回6000をパスした理由を教えてくれますか?
稲葉:「今回のポルトガルの6000をパスしたのは、次にQS10000の試合が同じポルトガルであるというのと、クオリファイするためのポイントを稼ぐには、ファイナルまで残って1位とか2位にならないと意味がないのです。なので、その分早く開催地のエリセイラに入って、早めの準備をして10000で結果を出せるようにと考えました。」
今年もプライム(QS10000)が残り3戦なので、ちょっと気合いを入れ直して、ここから結果を残してCT行きます。」
田中樹コーチ
田中樹:「1年間、レオとツアーを回らせてもらったんですが、今シーズンは、これまでにない調子の良さで前半を折り返して、10番以内という結果は本当に素晴らしかったと思います。
そして、USAオープンは取りたいところだったんですが一回戦負け。次のスペインもヨーロッパ・レッグの大事な初戦だったんですが取れず。」
トリプルクラウンの前のポルトガルで決めたい。
田中樹:「彼の調子からしたら、全然勝てる試合だったんですが、サーフィンの試合で常に勝ち続けるのは本当に難しいことで、1年間のツアーの中で1コケも一度や二度があるのは仕方ないと受け止めています。」
「次のポルトガルは、彼が最も得意とするバックハンドで高得点が期待できる場所で、上手くいけば良いポイントが取れるんじゃないかと思っています。
自分的には、ハワイのトリプルクラウンの前のポルトガルで決めて、ハワイでは逃げるぐらいの気持ちで入られたらと思っています。まぁ、それがハマれば、2020年度、CTのツアーを回れるかと思ってポルトガル頑張ります。」
ツアーは1年間の長丁場だ。どれだけ前半に良い結果を残せても、年末に上位にいなければクオリファイはできない。最後までモチベーションを切らさず、戦い抜く強い体と心が求められる。だがハワイもチャンスというレオだから、最後に決めてくれるに違いない。CTでもう一人、日の丸を背負って戦うサーファーを見る日が迫ってきている。がんばれ!稲葉玲王!がんばれ!日本!
2019 Men’s Qualifying Series Rankings
https://www.worldsurfleague.com/athletes/tour/mqs?year=2019
稲葉玲王が参戦するQS10000イベントQS10,000 : 9月24日- 29日QS10,000 : 11月13日- 24日QS10,000 : 11月25日 – 12月7日
Vans World Cup
サンセットビーチ、オアフ島、ハワイ