徳田昌久が日本初開催の「THE BOARD ROOM SHOW JAPAN 」のシェイピング・コンテストで優勝

優勝した徳田昌久

雑誌NALU、サーフトリップ・ジャーナルなどの株式会社エイ出版社主催のイベント「THE BOARDROOM SHOW JAPAN 2019」が、東京平和島にある「東京流通センター第一展示場 Aホール」で2019年5月17日(金)~18日(土)までの2日間に渡り開催された。

ザ・ボードルームショー代表のスコット・バスさん(写真右)と日本イベントの中核的役割を果たしていた枡田琢治氏もこのイベントのために来日。(写真左)

 

2007年にカリフォルニアでスタートし、今年で12年目を迎えた「THE BOARDROOM SHOW」。 イベントでは、ハンドシェイプ・カスタムサーフボードのカルチャーを中心に、 最新テクノロジーで生み出されるサーフエクイップメントを紹介。 波乗りを愛する人々と、 波を感じる道具を生み出す職人とのコミュニケーションの場を提供し、 その交流をサポートし続けてきた。

 

 

アメリカ以外で初開催となる今回は、ウェイン・リッチ、クリス・クリステンソン、リッキー・キャロルというホストシェイパーによるトークセッションから開幕。

 

 

ガラス張りのシェイプルームで多くのギャラリーに囲まれてシェイプする。植田義則氏

 

その後、ファン待望のサーフボード・シェイピングのデモンストレーションがスタート。マイク・ウォルター(CHANNEL ISLANDS Surfboards)、ジョシュ・ホール(Josh Hall Surfboards)、植田義則(YU Surfboards)の3名が、それぞれの持ち時間でデモシェイプを披露。

 

ガラス張りのシェイプルームを多くのギャラリーが取り囲み、食い入るように名シェイパーたちの妙技に見入っていた。

 

また、ホストシェイパー・デモンストレーションとして、ウェイン・リッチ、クリス・クリステンソン、リッキー・キャロルの3名が一つのボードをシェイプ。完成したディープチャンネルのボードの前で植田氏、スコットさん、タクジくんを交えて記念撮影。

デイブ&オースティン・カラマ来日!話題のフォイルを語る

Welcome Partyとして、が、世界のトップシェーパーのサーフボードを乗り比べるというショートムービー「スタブ・イン・ザ・ダーク」上映会も行われた。会場には実際にミックが使用したサーフボードも展示されており、非常に興味深い映像に仕上がっていた。

 

 

2日目には、「THE BOARDROOM SHOW」のメインイベントとなる、 シェイピングコンテストが日本人シェイパ−3人によって行われた。 これは、 サーフボードの歴史を築きあげてきたレジェンドシェイパーを審査員として迎え、 会場内に設置されたシェイピングルームで現在のサーフボード・シェイピングの第一線で活動しているシェイパーたちが削り出すボードのフォルムの美しさを競い合うコンテスト。

 

「シェイプ・オフSupported by US BLANKS」参加シェイパー

植田 義則(YOSHINORI UEDA / Y.U SURFBOARDS)(写真中央)
小川 昌男(MASAO OGAWA / OGM SURFBOARDS)(写真左)
徳田 昌久(MASAHISA TOKUDA / HARLEM SURFBOARDS)(写真右)

 

サーファーにとってなくてはならない重要なサーフボード。サーファーにとって大事なことは波と、どんなボードで波にのるか。今回はそのサーフボードに特化したエキシビジョンが「THE BOARDROOM SHOW」。

 

サーフボードのシェイプ・コンテストで日本を代表するシェイパー3人に与えられたシェイプ時間は90分。ロッカーを測るツールとブランクス、そしてテンプレートが用意されて、その他のプレーナーやシェイプに必要な道具はすべて自分で用意。

 

お題となるサーフボードが用意され、ボードのアウトライン、ロッカー、ボトム・コンツアー、レールなどを忠実に再現できたシェイパーが勝つというコンテスト。

今回お題となって、3名のシェイパーたちが再現することとなったサーフボードは、五十嵐カノアが乗るシェイパー、マルシオ・ゾウビのシャープアイサーフボード(Sharpeye Surfboards)。

ジャッジに手渡された3本のサーフボードは、匿名で誰がシェイプしたものかわからない状態で審査。

 

ジャッジするのは、今回ホストシェイパーとして来日した、このコンテストで2度優勝したウエイン・リッチ、クリス・クリステンソン、ジョシュ・ホール、3度優勝のリッキー・キャロルという4名。

 

優勝した徳田昌久

じっくりと時間をかけて審査を行い、4名の審査員がナンバー1に選んだサーフボードは徳田 昌久(MASAHISA TOKUDA / HARLEM SURFBOARDS)がシェイプしたサーフボード。

ウイニングボードにシェイパーサインを加えた徳田。

ウイニングボードを前に勝利を喜ぶ徳田昌久さんと仲間たち。プロライダーの安井拓海の姿もあった。

 

 

「最高です。感無量ですね。嬉しくて言葉がありません」と、優勝後に徳田昌久さんが言った。「ずっとやってきたことが、こうやって評価されることは本当に嬉しいですね。シェイパーは箱の中で一人で黙々とやる仕事なので、このような機会を得て、最高でした。そして、大先輩たちの胸を借りるつもりで挑戦させてもらって、このような結果を出せて本当に嬉しいです。

 

今回の結果は今後の自分の頑張りにつながりますね。世界の人たちは本当にレベルが高いし、自分はまだまだなので、一歩一歩上を目指して、努力を続けていきたいと思っています。」

 

 

 

「自分はハンドシェイプをずっとやってきて、その評価につながる腕試しがしてみたいと思って今回参加しました。実際シェイプに関しては、制限時間や環境の違いなどはあっても、いつも自分がやっていることをやるだけなので、時間内にやるということはあまり意識しないで、いつもの力を出し切ることだけ考えてやっていました。」

 

「今回使ったブランクスは、正直言って何年も使っていなかったものだったので、最初は緊張しましたけど、削っていくうちにだんだん慣れてきてました。100%とはいきませんけど、納得のいくものは出来たかなと思っていました。

 

これで来年、本場カリフォルニアで行われるコンテストに出場できることになったんですが、まだ少し時間があるので、もっともっと腕磨いて挑戦したいです。本当に今日はありがとうございました。」と、サーフメディアのインタビューに答えてくれた。

 

 

植田義則さんがシェイプするYUサーフボードに乗る松田詩野も来場。YUさんのシェイプする姿を見学。

ロストのブースには、来日していたメイヘムに直接サーフボードをオーダーしていた脇田紗良。

WAYNE RICH

80年代にJacobsのヘッドシェイパーとして14年ほど過ごし、その後は親友であるデューイ・ウェーバーのもとで5年間シェイピングするなどカリフォルニアのなかでもベテランシェイパーの域。2011年のシェイピングコンテストで優勝を飾る。

RICKY CARROLL

フロリダ出身のリッキーは、40年以上のシェイピングのキャリアの持ち主。ザ・ボードルムショーのコンテストでは、過去に3度の優勝を飾っている。

ジョシュ・ホールとクリステンソン

CHRIS CHRISTENSON

巨匠ディック・ブリューワーを師に仰ぎ、ディックのスキル、そしてスキップ・フライの影響を完璧なものにし、あらゆるサイズのサーフボードをデザインして生み出す能力を手に入れた敏腕シェイパー。

Josh Hall

サンディエゴのリーダー的存在であり、名匠スキップ・フライの愛弟子であるジョシュ。現在のフィッシュブームの火付け役である彼は、スキップから受け継いだサンディエゴ・フィッシュやフィッシュ・シモンズといった名作で多くのサーファーを虜にする。今回のデモも注目が集まっていた。

 

 

今回、12年目にして日本初開催となったイベント。正直言って、このイベントにどこまで集客力があるのかは見えなかったが、予想を上回る人が会場に詰めかけていた。ガレージシェイパーやクラフトマンはもとより、マニアたちのハートを射止めた。特に海外から来たシェイパーたちのシェイプする姿に注目が集まっていたようだった。今後の展開が非常に楽しみなイベントである。

 

 

THE BOARD ROOM SHOW JAPAN

■開催概要
イベント名 :ザ・ボードルームショー・ジャパン 2019
(英字)THE BOARDROOM SHOW JAPAN 2019

日    時:2019年5月17日(金) 10:00~18:00/18日(土)10:00~17:00
会    場:東京流通センター 第一展示場 Aホール 〒143-0006 東京都大田区平和島6-1-1
入    場:無料
主    催:株式会社エイ出版社
後    援:Scott William Bass Inc. (THE BOARDROOM SHOW) ※他予定
協    力:Surf in MUSIC実行委員会、WSL Japan ※他予定
公式HP:https://japan.boardroomshow.com