現地からオーストラリアの最新情報を伝える【SURFMEDIAオーストラリアSURFNEWS】。今回はレノックスヘッドで行われたWSLプロジュニアと混合のイベントであるオージー・グロム・オープン、コフスハーバーで行われたリップカール・グロムサーチ・OZカップなどをリポート。
取材、文、写真:菅野大典
7月のゴールドコースト。
南半球は真冬ですが、晴れた日の日中は暖かく上半身裸でジョギングをしたり散歩したりする人を多く見かけます。


冬の時期は鯨が東海岸を移動する季節。海沿いの丘に行けばたくさんの人が芝生に座りながら、ホエールウォッチングを楽しんでいました。

ここ数年建設ラッシュのゴールドコーストの街中は、どんどんと姿を変えていっています。
2032年ブリスベン・ゴールドコーストオリンピックに向けてのインフラ整備の一環でもある、トラムの開発は大掛かりな工事を何年も続けており、人口増加と共に以前は全くなかった渋滞も今では当たり前のように発生しています。

サーフタウンであるクーランガッタ。街中の雰囲気は昔とさほど変わってなくとも、海沿いにはおしゃれなカフェが並んだり、新しい店が増えたりとしながら、少しずつ様子が変わってきています。

北部から繋がるトラムの線路を伸ばす開発もこの街まで検討されており、街中だけでなく、海沿いの施設にも改装計画が出ています。今後この自然と街が融合する街の将来がどのように変化していくのか気になります。
ゴールドコーストの波の状況は、上旬は先月末にまとまったうねりが入ったのが残りファンなコンディションが継続。中旬はサイズのない日々が続きましたが、下旬には再びうねりが入りサーフィンを楽しめる月となりました。




東海岸の南部だけでなく、今月は次々と大きなうねりが入りオーストラリア全土でサイズのある月となりました。しかし良いコンディションにも限らず、今年は南オーストラリアや西オーストラリアを中心にサメの目撃情報も多いため、地域によっては比較的にサーファーの数も少ないと言われています。
先月末にはキャバリタビーチでもシャークアタックがあり、ビーチから約20m程の距離の場所で泳いでいた16歳の少年が、右腕と右足を噛みつかれるという事件もありました。命には別状はなかったものの数日間ビーチがクローズされ、近隣に住むサーファーにとっては目の離せないような状況が続きました。
今月もオーストラリア全土で様々なイベントが行われました。
7月3日から8日にレノックスヘッドでWSLプロジュニアと混合のイベントであるオージー・グロム・オープンとプロジュニアのイベントが開催。

毎年オッキーグロムコンプの次の週にレノックスヘッドで開催されるOZグロムオープン。途中からWSLのプロジュニアイベントと混合になったり、フォーマットが変わりながらも今年で14年目。

イベント期間前半はサイズのあるグッドコンディションに恵まれ、素晴らしいバトルが展開されたが、イベント中盤以降はサイズが小さくなりファイナルデイは極小のコンディションでの試合となった。

元CTサーファーであるマット・ウィルキンソンやチェルシー・ヘッジス、ロブ・ベイン、ポーリーン・メンツァー 、アダム・メリング、グレン・ケーシー、ジェームズ・ウッドといったレジェンドサーファーによるヘリテージイベントも開催。
ローカルサーファーであるジェームス・ウッドが10ポイントライドのエアーを見せるなど盛り上がりを見せた。

アンダー14ディビジョンのスポットを獲得し、日本からイベントに出場していた飯田翔斗が、素晴らしいサーフィンを見せ、初めてのオーストラリアでの大会にも関わらず3位という好成績収めた。



2025年7月17日〜21日には、コフスハーバーでリップカール・グロムサーチ・OZカップが開催。世界各国で予選が開催され国際シリーズとなっているこのイベントは、若手の育成と発掘を目的としたイベントで、過去にはステファニー・ギルモアやガブリエル・メディーナが出場し優勝するといった、グロメッツサーファーにとって登竜門として知られるイベント。

イベント前半は小さなコンディションだったものの後半にかけてはサイズのあるコンディションとなり、ファイナルデイは会場を移して行われました。

2歳差ごとにクラス分けされるグロメッツイベントとなれば体格差もはっきり。成長盛りの中で選手が何を武器に戦うかはそれぞれ違う。今回のアンダー16以下のディビジョンのファイナリストはシドニーのアーバンサーフで行われるナショナルファイナルの出場権を獲得。
2025年7月22日〜27日には、ツイードコーストでThermos オーストラリアン・ロングボード・タイトルが開催。


オープンメンズの優勝ジョッシュ・コンスタブル。44歳のジョッシュが初めてオーストラリアンタイトルを獲得したのは20年以上前の2003年。過去にはISA世界選手権で準優勝の経験もあるので、今回は金メダルを狙うとコメントしていました。
先月にWSL チャレンジャーシリーズが終わり、今月はサーフィンオーストラリアの国内シリーズのイベントが目立った月となりました。
冬のゴールドコーストは、うねりを拾いやすい場所はコンスタントにサーフィンできるものの、サイズのあるコンディションはあまり長く続かず、インドネシアなどの海外や違う場所に行く人も多くいます。普段見かけるサーファーの数もこの時期は少なく感じました。
それでも、週末にはボードライダーズのイベントが行われたり、グロムを中心にトレーニングを行われている光景が日常にあり、波がない日でも混雑のないビーチに行けばジェットスキーが数台出ていてトーインでエアーの練習をしていたりと、環境に応じて質の高いトレーニングをしている姿が目につきました。

ジェットスキーを使ってエアーの練習をする丸山ハルタと高橋花音。この日は同じ場所でもシェルドン・シムカスがジェットスキーを使ってキッズ達にエアーのトレーニング合宿を開催していました。ゴールドコーストではすでに当たり前になっているトレーニング方法です。


シドニーのアーバンサーフでは、サーフィンNSWのコーチである元CTサーファーのジャラッド・ホースによるアンダー12ジュニアガールズ育成セッションが開催されていた様子。
オーストラリアでは各州ごとに若手育成プログラムが行われており、またそこから選ばれた選手はサーフィンオーストラリアのアカデミープログラムに参加できるようなシステムになっています。
夏、秋のハイシーズンだけでなく、1年を通して環境に合った活動が見られるオーストラリアのサーフシーン。冬のオフシーズンでもサーフィン大国の環境を感じさせられる月となりました。
日本人オーストラリアサマーセッション2025。
今年もたくさんの日本人サーファーがオーストラリアに来ました。
2025年のオーストラリアサマーセッションの動画です。 SURFER: AMURO TSUZUKI 、SHINO MATSUDA、 NANAHO TSUZUKI、KANA NAKASHIO、KANON TAKAHASHI KARIN TAKAHASHI 、MIKU IIZUKA 、HINAKO KUROKAWA 、MIO SUGANO 、RIARU ITO 、JO AZUCHI 、TAKUMI NAKAMURA 、YUJI MORI 、SOMA HIRAHARA 、RAIHA ONOU 、TOY TANAKA、MONNOJO YAHAGI 、HINATA AIZAWA 、KAITO KUROKAWA 、YUMA NAGASAWA 、RYUICHI INOUE 、ZEN TSUZUKI 、MASAMUNE ARAKAWA 、KAITO SATO 、YUITO NAGAI 、KOTARO KOBAYASHI 、TAJI KIKUCHI 、SHUNNOSUKE TAKUSARI 、IORI ARAKAWA 、REO KANAO 、KOTA IIDA 、HIROTO OHHARA
菅野大典:オーストラリアのゴールドコーストを拠点にして13年余り。サーフボード・クラフトマンとして働きながら、サーフィン修行のために来豪する日本のサーファーをサポート。写真や動画撮影のほか、昨年は大村奈央の試合に帯同、大会のジャッジやサーフコーチなどマルチに活動している。
INSTAGRAM :https://www.instagram.com/nojiland/





