プエルトリコ、アレシボ – 2024年2月25日
2024年ISAワールド・サーフィン・ゲームズ(WSG)2日目は、55カ国から集まったチームが、チーム・チャンピオンシップのメダル、個人メダル、そして重要な2024年パリ・オリンピックの出場権獲得を目指して熱戦を繰り広げた。
マルガラとエル・ピコの両ディビジョンとも3~4フィートのコンディションで、両ディビジョンのメイン・ラウンド1と2が終了し、リパチャージ・ラウンド1が開始され、エリミネーションが始まった。
1998年にWSGに初出場した地元プエルトリコの38歳のブライアン・トスは、多くのギャラリーの応援を力に変えて、ホームで初のISAヒートに勝利し、ラスト30秒でブザービーターを決め、元WSLワールドNo.5のモーガン・シビリック(AUS)を抑えて勝ち上がった。
女子では、ハバナ・カブレロ(PUR)が、好調のカリッサ・ムーア(USA)、2022 WSLワールド・ジュニア・チャンピオンのフランシスカ・ベセルコ(POR)らと対戦し、メイン・ラウンドを勝ち進んでいる。
オリンピック・ゴールドメダリストのカリッサ・ムーアがイベント・ハイ・ヒート・トータルを記録、ヤゴ・ドラがシングルウェイブ・ハイエスト・スコアをマークした。
2日連続で、カリッサ・ムーア(USA)とヤゴ・ドラ(BRA)がベストデーとなった。ドラの8.83はエル・ピコで、ムーアのヒートトータル16.00はマルガラでトップスコアをたたき出した。
WSLチャンピオンシップ・ツアーから離れ、今週コンペティションに臨んだムーアは、マルガラのライトを攻め続けた。オリンピック・ゴールド・メダリストであり、5度のWSLチャンピオンである彼女は、イベント・ハイとなるヒート・トータルと共に、女子の今日のシングルウェイブ・スコアである8.50を記録するためにパワーを解き放った。31歳の彼女は、プエルトリコでの時間とワールド・サーフ・ゲームスの経験を楽しんでいる。
「ISAは本当に楽しくて、美しいエネルギーをもたらしてくれます。サーフィンと海が、ワールド・サーフ・クラブと世界中のサーファーたちを結びつけていて、サーフィンを愛する私たちの気持ちが、このイベントで本当に伝わってきます。それは素晴らしいことだと思います。」
過去のオリンピアンと未来のオリンピアンが、タフなコンペティションの1日で際立っていた。
東京2020オリンピアンのレイラニ・マクゴナグル(CRC)は、銅メダリストの都筑有夢路(JPN)、ドミニク・バロナ(ECU)、そして今週パリ2024への出場権を獲得する有力候補であるノア・クラップ(GER)という2人のオリンピアンが出場したヒートで勝利をつかんだ。残り1分の時点で4位につけていたマクゴナグルは、与えられたウェイブを活かし、プライオリティを適切なタイミングで実行し、そのまま1位となり、バロナとともに優勝し、メイン・ラウンド進出を決めた。
もうひとつのスタック・ヒートでは、ヴァヒネ・フィエロ(フランス)とサラ・バウム(南アフリカ)の2人のパリ2024クオリファイ・サーファーが2人のホープを倒し、エリン・ブルックス(カナダ)とアリス・バートン(イギリス)をリパチャージに追いやった。フィエロは、2023年のWSGで銅メダルを獲得したフォームを取り戻し、ソリッドなバックハンドヒットを連発し、この日の女子のシングルウェイブで最も高いスコアとなる7.67をマークした。
パリ2024出場サーファーのジョーディ・スミス(RSA)と東京2020オリンピアンのレオン・グラッツァー(GER)は、オリンピック銀メダリストで2022年WSG金メダリストの五十嵐カノア(JPN)をリパチャージに送り込んだ。
一方、パリ2024出場権を獲得したジョン・ジョン・フローレンス(USA)とイーサン・ユーイング(AUS)は、ビリー・ステアマンド(NZL)とルッカ・メシナス(PER)と同様にヒート勝利を収めた。
東京2020パークスケートボード銅メダリストのスカイ・ブラウン(イギリス)は、東京2020オリンピアンのジョアン・ディフェイ(フランス)とともに、最後の1秒にブザービーターを決めて勝ち進んだ。
スケートボードですでに2024年パリ大会の出場権を獲得したブラウンは、今度はサーフィンの出場権獲得に照準を合わせている。
「最後の最後にもう1本波が来るかどうかわからなかった」とブラウンは言った。「だから、波が来てくれたことにすごく感謝しているし、すごくラッキーだった。超ストークしています。自分の目標はステイビジーすることでした。でもベストウェイブには乗れなかったから、あの波に乗れたのは超ラッキーだった。サーファーたちと一緒にここにいるのはとてもクールです。たくさんのアイドルと一緒にサーフィンをしているんだから。」
中国のスーチー・ヤンがWSGで再び力強いパフォーマンスを見せた。
過去2回のWSGで傑出したパフォーマンスを見せた15歳のスーチー・ヤン(CHN)は、2度のWSLチャンピオン、2度のISAワールド・ジュニア・チャンピオンのタイラー・ライト(HEAT)を抑えてメイン・ラウンド3に進出し、若いキャリアで最大のヒート勝利を収めた。
ヤンは、その印象的なパワー・サーフィンを武器に、マルガラのリップを打ち抜き、ベスト・シングル・ターンを披露した。
「マルガラでサーフィンをするのは初めて」とヤンは言った。「イベントの前は完全にフラットだったから、エル・ピコでサーフィンしていたんです。この波は素晴らしくて、自分はただ流れに乗っただけです。自分としては、2度のワールド・チャンピオンと一緒にサーフィンした経験から学ぼうと、控えめにしていたんです。プエルトリコは美しく、波も素晴らしい」。
がんばれ!日本!
マルガラでは、男子メインラウンド1からスタート。H36に稲葉玲王が登場し、得意のバックハンドで4.83と4.67をスコアして1位でラウンドアップ。
ラウンド2もエルピコで行われH18に登場した稲葉は、今度はレフトに的を絞りフォアハンドのカーヴィングをコンビネーション。5.17を3.90でバックアップして2位でメインラウンド3へ勝ち進んだ。
「これでオリンピック出場が決まったと思うんですけど、このまま個人的にもメダル目指して頑張りたいと思います。」と稲葉が言った。
稲葉はメインラウンド3に進出した唯一の日本選手としてH8でマルコ・ミニョ、フレデリコ・モライス、コディ・ヤングと対戦する。明日はリパラウンドのためにヒートは行われない。
女子メインラウンド2のH4に都筑有夢路、H5に松田詩野、H14に前田マヒナが登場。
都筑はヒート後半に入り、アンダーザリップのビッグ・リエントリーをメイクし、5.07をスコア。その後バックアップ・スコアを求め、スコアリング・ポテンシャルのある波を探し続けたが惜しくも3位で敗者復活のリパチャージへ回った。
松田詩野もスコアリング・ポテンシャルのある波を探し続けたが、波とのリズムが合わずにセットの波を掴めず、自分のサーフィンを見せられないまま4位でリパチャージへ。バックハンド、フォアハンドと最後までチャージを続けた前田マヒナも惜しくも3位でリパチャージへ回った。
エルピコで行われた男子メインラウンド2のH2に五十嵐カノアが登場。ジョーディ・スミスらと対戦して惜しくも3位でリパチャージラウンドへと回った。
明日の大会3日目は現地時間の午前7時30分(AST)に試合が再開され、女子のリパチャージ・ラウンド1がラストリアルで、男子のリパチャージ・ラウンド1がエル・ピコで再開となる。
コナー柄沢オレアリーはリパチャージ1のH14 (エルピコ)、
五十嵐カノアはリパチャージ2のH2(ラストリアル)、
女子リパチャージ2のH3に都筑有夢路、
H6に松田詩野、H14に前田マヒナが登場する(エルピコ)。
NAMINORI JAPAN 日本代表選手
男子:五十嵐カノア、稲葉玲王、コナー柄沢オレアリー
女子:松田詩野、都筑有夢路、前田マヒナ
大会名:2024 ISA World Surfing Games
主 催 :国際サーフィン連盟(ISA)
期間. :2024年2月23日〜3月3日
場所. :プエルトリコ
https://isasurf.org/event/2024-isa-world-surfing-games/