プエルトリコ、アレシボ – 2024年2月24日
2024 ISAワールド・サーフィンゲームス(WSG)はプエルトリコの素晴らしいコンディションで大会初日を迎えた。男子メインラウンド1がキックオフされたマルガラと女子メインラウンド1がスタートしたエル・ピコはクリーンな4~6フィートのコンディションとなった。
パリ五輪の最終予選となる今大会には、元WSGメダリスト、オリンピアン、ワールド・チャンピオン、アンダードッグ・ヒーロー、新興サーフィン国のナショナル・チャンピオンなど、ワールド・ベスト・サーファーが勢揃い。
現在WSL世界No.1のモリー・ピックラム(AUS)は、ハワイからプエルトリコに到着し、シングルウェイブでこの日最高のスコアとなる8.67をマークした。ノースショアでの圧倒的なパフォーマンスに続き、ピックラムはこの日一番の強烈なターンを披露、バックハンドでエル・ピコのリップを完全に粉砕した。
東京2020オリンピアンのアナト・レリオル(ISR)は、一連の鋭いターンで8.00を獲得し、パリ2024予選のキャンペーンを開始。
同じオリンピアンのドミニク・バロナ(ECU)、ヨランダ・ホプキンス(POR)、レイラニ・マクゴナグル(CRC)、日本の都筑有夢路(JPN)、テレサ・ボンバロ(POR)、タティアナ・ウェストン-ウェッブ(BRA)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)、 カリッサ・ムーア(USA)、ブリサ・ヘネシー(CRC)、キャロライン・マークス(USA)、前田マヒナ(JPN)、ジョアン・ディフェイ(FRA)、そしてダニエラ・ロサス(PER)も素晴らしいパフォーマンスを見せ、メインラウンドを勝ち進んだ。
マルガラのパワフルなリーフで行われた男子は、バレルが午前中の大きな流れだった。フランスのチームメイトで、2021年WSGゴールドメダリストのジョアン・ドゥル(FRA)とパリ2024クオリファイサーファーのカウリ・ヴァースト(FRA)は、クリティカルターンに裏打ちされたバックハンドのバレルを見つけ、7ポイント台のハイポイントを獲得した。
現在WSLワールドNo.2のジャック・ロビンソン(AUS)は、初のISAイベントに登場し、この日最も高い数字を記録した。
一方、元WSG金メダリストのレアンドロ・ウスナ(ARG)、アラン・クレランド・ジュニア(MEX)、五十嵐カノア(JPN)、ジョーディ・スミス(RSA)、サンティアゴ・ムニーツ(ARG)ら、ISAイベントでもお馴染みの選手もメイン・ラウンドに進んだが、同じWSG金メダリストのジョニー・コルソ(MEX)は、マクシミリアン・ミチャレフスキ(POL)からまさかのブザービーターを受けて、リパチャージ・ラウンドに回った。
3度のWSLチャンピオンであり、2010年ISA U/18ワールド・ジュニア・チャンピオンのガブリエル・メディーナ(BRA)は、最も大きなプレッシャーを背負って大会に臨む。
今大会で最も注目されているサーファーでありながら、現在2024年パリ・オリンピックへの出場権を獲得していないメディーナは、チョープーへの切符を獲得するために、2度のWSLチャンピオン、フィリッペ・トリード(BRA)とWSLチャンピオンシップ・ツアーの重鎮、ヤゴ・ドラ(BRA)という男子ブラジル・チームが、最も上位にランクされる必要がある。その上、メディーナは男子ヒートトータルでは今日最高の14.67を記録したドラよりも個人的に上位に入る必要がある。
「このイベントで良い成績を残せる事は分かっている」とメディーナは言った。「波は素晴らしいし、フィリッペ、ヤゴ、そして自分という素晴らしい選手がいる。自分の使命に集中している。ヒートをメイクしなければならないし、ベストを尽くすつもりです。お互いにプッシュし合うのは素晴らしいことだし、ベストが勝つ。競技はそういうものだし、その一員であるみんなは、どんなことにも準備ができていると思う。」
がんばれ!日本!
大会初日、ゼッケンを受け取りパドルアウトした日本の五十嵐カノアと松田詩野は、今大会に出場することがパリ五輪代表の最終的な条件となっていたことにより正式に日本代表確定となった。
また五十嵐カノアと松田詩野に加え、東京五輪銅メダルの都筑有夢路、前田マヒナはいずれも1位で勝ち上がりラウンド2へ勝ち進んだ。
男子ではオーストラリアから日本に登録変更したCTサーファーのコナー柄沢オレアリーは、惜しくもラウンド1で3位となり敗者復活戦に回った。稲葉玲王は本日の出番はなく25日にラウンド1に臨む。
ラウンド1ではH4に登場した五十嵐カノア。ハワイのサンセットから中2日という強行スケジュールにも関わらず、プエルトリコのクリーンな波を確かめるようにサーフ。高速ターンで早いセクションを切り抜けて、カーヴィング。バレルライドも初日から披露して、ハワイからの勢いそのままに圧倒的なサーフィンを披露した。
「今日はみんな良いサーフィンを見せてくれて、グッドスタートという感じで、これからが勝負。コナーがリパチャージに行ってしまったけど、チームジャパンで応援します。
今大会の目標は、自分の成績のこともそうだけど、チームのサポートということで、ISAは長い大会なので、皆のモチベーションや力を上げたい。」とカノアが記者会見で言った。
「今回は初めてのプエルトリコの大会で、昨日の夜に着いて。この前のサンセットビーチが終わったばかりだから、3日間の中でリセットして。今日の大会に向けて、集中することは難しかったけど、その中でも、今日ゼッケンを着て、オリンピック出場が決まったことは嬉しい気持ち。これからも頑張りたいと思います。」
夕方のヒート28に登場したコナーは、スタートから5.67をスコアするも、対戦相手にセットの波に乗られ、その後にスコアを伸ばすことができずに3位で敗者復活のリパチャージへと回った。
個人競技でありながら、団体戦でもあるISAのフォーマットが初めてだったことで、コンセントレーションや短いヒート時間の中での時間配分が難しかったか。リパチャージでの巻き返しに期待したい。
「今日のヒート、負けてしまってビックリでした。でもまだチャンスがあるから、頑張って、もっと良い波乗って、良いサーフィンを見せられるよう頑張ります。」とコナーが言った。
競技は明日7:00am ASTにマルガラで男子メインラウンド1、エルピコで女子メインラウンド1の続きが行われ、男子のリパチャージも行われる予定。
男子メインラウンド1のH36 稲葉玲王、女子メインラウンド2のH4に都筑有夢路、H5松田詩野、H14前田マヒナ。(マルガラ)
男子メインラウンド2のH2五十嵐カノア、リパーチャージ1のH14コナー・オレアリー(エルピコ)
NAMINORI JAPAN 日本代表選手
男子:五十嵐カノア、稲葉玲王、コナー柄沢オレアリー
女子:松田詩野、都筑有夢路、前田マヒナ
大会名:2024 ISA World Surfing Games
主 催 :国際サーフィン連盟(ISA)
期間. :2024年2月23日〜3月3日
場所. :プエルトリコ
https://isasurf.org/event/2024-isa-world-surfing-games/