TOKUNOSHIMA TOWN PRO JUNIORで長沢侑磨と池田美来がプロジュニア初優勝。WJC内定者決定

優勝した長沢侑磨と池田美来

WSL アジアプロジュニアツアーの第4戦「Tokunoshima Town Pro Junior」は本日が最終日。今大会のチャンピオン及び、ツアー最終となることで年間ランキングも決定する。

 

 

 

会場の波。台風は日本から離れたものの、バックスウェルが届いてサイズアップで、頭から頭半オーバーのサイズも入る。朝は満潮のため、水の量も多くバックウオッシュも入るコンディションのために、運営は8:30AMまでオンホールドをコール。

 

 

ウネリがまとまったことで、9時から試合がスタート。それでもサイズは少し落ち着いたかに見えたが、頭ぐらいのワイドブレイクで速い波。キレた波を選ぶことだけが勝ちにつながるという波の選択勝負。また、波のフェイスが長いためにレールワークも重要となる。ジャッジが求める攻めたリスクある演技をできるかで、勝敗が別れた。

 

川瀬心那

 

まずは女子から。準決勝第1ヒートは、川瀬心那 vs 鈴木莉珠。このヒートを勝ち上がれば、川瀬はランキング2位を確保。負ければ、3位の馬庭彩にチャンスを与えることになるというプレッシャーの中、先攻という作戦で勝負。

 

川瀬心那

 

波と格闘してワイプアウトを続けるも、4本目のライトのセットを上手くつないで、ヒートベストとなる7.17ポイントを叩き出しファイナルへ。これで、川瀬は決勝で負けても、最低800点を確保。馬庭は優勝しても、同点カウントバックとなり、やはり、川瀬が上回ることから、これでWJCアジア代表が内定となった。

 

鈴木莉珠

 

鈴木も大きなセットにトライするも、板を弾かれボードコントロールがままならない。さらに左へ流され、セットを食らう羽目に。なので、一度、上がって走り出すと、すかさずコーチの鈴木仁が駆け寄ってアドバイス。右からパドルバックするも、波とのリズムが合わず、ここで敗退。今大会3位という結果。

 

 

池田美来
馬庭彩
馬庭彩と池田美来

 

第2ヒートは池田美来 vs 馬庭彩。潮が引いてきたことで、波の割れ方が不規則。それでも、馬庭はパワーを活かした演技で、上手くまとめる。池田はフェイスの長い波に手こずりながらも、メリハリある演技で対抗。僅差の戦いとなったこのヒート。

やはり、きれいな波乗りよりも、どれだけ攻めた演技ができたか。これで勝敗が分かれることになって、ここは池田がファイナルへ。馬庭は3位で終了。

 

 

決勝は川瀬心那 対 池田美来。

 

このヒートも川瀬が積極的にアプローチ。無理せず、波に合わせた演技でポイントを重ねて、試合をリード。池田はこのヒートでも自分の限界にトライ。ワイプアウトをするも、当てに行くタイミングや新たな技にもチャレンジを見せる。

 

池田美来
池田美来
川瀬心那

 

これが評価されて逆転。川瀬はまとめに入る演技が足を引っ張ったか。ここはジャッジの相対的な評価で差が出た形に。これで池田はメジャーなタイトルであるプロジュニアを初優勝。さらに昨日のカデットも併せ、ダブル優勝という栄冠を手に入れた。おめでとう!

 

 

I Made Ariyana (IDN)
和氣匠太朗

 

続いて男子。セミファイナルの第1ヒートは、I Made Ariyana (IDN) vs 和氣匠太朗。この試合はI Made Ariyanaがセットの波で、一発目に厳しいところに当て込む演技を連発。和氣匠太朗もデカい波でのアグレッシブな攻めを見せるも、単発だったか。ここはフローの差が出た形、僅差で I Made Ariyana (IDN)に軍配。和氣匠太朗は、今大会3位。

長沢侑磨

 

第2ヒートは山本來夢 vs 長沢侑磨。山本は昨日からの定番の左でポジショニング。長沢は右。山本がレフトの波に絞って演技を構成するも、波がミドルからしか割れず、あまり掘れないために演技が緩慢に。

 

山本來夢

 

片や長沢は右のアウトからのセットにアプローチ。敢えて厳しいところに当て込んでメイク。2本目の演技で7.00ポイントを獲得し、試合をコントロール。スピードある演技に、パワフルな板の返しにスプレーも飛ぶ。6本目にエクセレントの8.83ポイントを出して、山本をコンビネーションに追い込んで完勝。山本は千葉大会と同じ3位という結果。

 

決勝はI Made Ariyana (IDN) vs 長沢侑磨。

 

 

この勝者がWJCアジア代表の座を獲得できるという大事な試合。ここでも長沢の勢いは止まらず。波の選択も間違いなく、アウト、ミドルと優先権は関係なく演技を重ねて、ポイントを積み重ねる。

 

長沢侑磨
I Made Ariyana (IDN)

 

I Made Ariyana (IDN)も沖のセット狙いで当てに行くも、今度はことごとく一発目でワイプアウト。じれたのか、ミドルで波を乗るも波自体がタルいので、レールを合わせてスプレーを飛ばすだけ。これでは点は伸びない。波を探して移動するも、最後までリズムがつかめずに試合終了。長沢はプロジュニア初優勝。嬉しいアジア代表も手に入れた。おめでとう!

 

長沢侑磨
長沢侑磨

 

これで今期のWSL アジアプロジュニアツアーは終了。男子の1位 矢作紋乃丞(2000点)、2位 長沢侑磨(1800点)。女子は1位 中塩佳那(2000点)、2位 川瀬心那(1800点)となった。この男女2名が今年度のWJC(ワールドジュニアチャンピオンシップ)のアジア代表に内定。おめでとう!

 

男子ジュニア アジアランキング
https://www.worldsurfleague.com/athletes/tour/mjun?regionId=6&year=2023

女子ジュニア アジアランキング
https://www.worldsurfleague.com/athletes/tour/wjun?regionId=6&year=2023

 

※ 2023年度WJC大会は来年の1月にカリフォルニアで開催予定。詳細は近日、WSLより発表になります。

 

大会HPはこちら。
https://www.tokunoshimatownpro.com/

 

「TOKUNOSHIMA TOWN PRO JUNIOR」

MENS
優勝:長沢侑磨
2位: I Made Ariyana(IDN)
3位:和氣匠太朗、山本來夢

WOMENS
優勝:池田美来
2位:川瀬心那
3位:鈴木莉珠、馬庭彩

プレゼンター
徳之島町 高岡秀規 町長

「TOKUNOSHIMA TOWN KIDS CHALLENGE」
U-16BOYS
優勝:岡野漣
2位:宮原蕾斗
3位:国重波音
4位:宇野雅晴

U-16GIRLS
優勝:池田美来
2位:山田佳那

プレゼンター
徳之島町 福宏人 教育長

鈴木仁プロがコーチングを受け持つ鈴木莉珠と和氣匠太朗。二人がセミに残っていることで、一緒に海に入って波の状況を自らチェック。

今大会では選手へのボディーメンテナンスを行うブースも設置。選手は自由に診てもらうことができる。

最終日は町内から多くの観客が来場。選手の素晴らしい演技に拍手と歓声で盛り上げてくれました。

 

長沢侑磨、プロジュニア初優勝を果たしWJC出場権を獲得

 

長沢侑磨

 

「目標にしていたワールドジュニア(WJC)への切符が手に入って、とりあえず一つ目標達成できました。これからはワールドジュニアに向けて優勝できるように練習していきたいと思います。」と長沢が言った。

 

長沢侑磨

 

セミファイナルで結構点が出せて、ファイナルもちょっとコンビネーションぐらいイケるかなと思ったんですけど、点数があまり出せなかったんですけど、気持ち的にはみなさんの応援が力になって、テンションぶち上がってたって感じですね。

 

今年最初の方は怪我してて、ISAのジュニアの日本代表に選ばれなかったのが凄く悔しくて。じゃあWSLのワールドジュニアに出て優勝してやろうって思っているので、バチバチ、トレーニングして仕上げたいと思います。

 

こんな素晴らしい波の場所を貸してくれた徳之島のローカルの皆さんにリスペクトで、本当にありがとうございます。今日お母さんが誕生日なんですが、金欠なんで高いモノとか買えないですが、優勝で勘弁してください。笑。誕生日おめでとう!」

 

最後はウイニングラップを披露したユウマ

 

プロジュニア初優勝の池田美来。カデットとW優勝

 

二つの優勝トロフィーを手に入れた池田美来


「優勝できたんですけど、もうちょっと出来たかなと思うんで、ちょっと悔しくて。はい。でも優勝できて嬉しいです。

(昨日のカデット優勝から)気持ちの切り替えとは特になくって、楽しんで出来れば良いなと思って海に入って、2回とも凄く楽しかったんでよかったです。

 

 

プロジュニアの優勝は初めてです。(いつも試合に来てくれる父とは)いろいろ話すんですけど、最終的には自信持って楽しんでやって来いって言ってもらっています。

まだまだ自分のライディングとかも改善点とかがあるんで、特に大きい波とかだと攻めたライディングとかができないので、そこを修正して、もっと世界で活躍できるサーファーになるために、頑張っていきたいと思います。」

 

来年1月に行われるWJCアジア代表に内定した川瀬心那

 

 

「(ファイナルでは)いっぱい波に乗ろうと思っていて、それは出来たんですけど、スコアにつながるような波には乗れなくて、インサイドとかも考えておけば良かったなと思いました。ファイナルは優勝したくて、準優勝だったんでちょっと悔しいです。

 

小さい頃からプロジュニアを回っているんですけど、WJCを目標にしていたので、やっと出場できるので本当に嬉しいです。世界のトップジュニアの集まる大会で、凄くハードルの高い大会なんですけど、自分の実力を発揮できるように残りの期間もしっかり準備していきたいと思います。」

 

 

大会HPはこちら。
https://www.tokunoshimatownpro.com/