伊東李安琉が大原洋人を下しQS初勝利。地元対決の女子は佐藤李が池田美来を抑えてQS初優勝。OMAEZAKI PRO

伊東李安琉と佐藤李

8/24から静岡県御前崎ロングビーチでスタートした WSL Asia / Men‘s &Women’s QS1000「Omaezaki Pro」は、本日が最終日。

 

 

朝は雲が多く、雨の予報も出ていたが降らず。しかし、湿度が高く、空気が体にまとわりつく感じ。風は西風のサイドオン。今まで左から右に吹いていた風が全く逆の方向から吹く。なので、面が若干、乱れる。

 

 

肝心の波は、朝一がコシハラだったものが、引きに向かってハラムネに。さらに9時過ぎには上げに転じて、カタからムネ、セットで頭と台風10号のウネリが入るコンディション。大会最終日にふさわしいステージが整った。

 

東北沖を北上する台風だったために、スウェルはこの御前崎には回り込んで入る。なので、会場正面の沖からストレートに入るものではなく、ウネリは斜め左から。波はほぼレフトオンリーというものの、このスウェルの入り方だと、若干、開き気味で少しクセがあるか。

 

大原洋人
Touma Cameron(AUS)

 

大原洋人 vs Touma Cameron(AUS)

 

まずは男子のセミファイナル第1ヒート。原洋人 vs Touma Cameron(AUS)。先攻はTouma Cameron。ミドルの波で様子見。大原は狙っている波が来ないのか動かず。その間にToumaが波に乗るものの、突き放すほどの決定打にはならず。見計らったように大原が動けば、メリハリのある演技で難なく逆転。結果、スキルの差を見せて大原が決勝進出。

 

アーリーウープをメイクした伊東李安琉
新井洋人

 

新井洋人 vs 伊東李安琉

 

第2ヒートは新井洋人 vs 伊東李安琉。ここは試合開始すぐに伊東が仕掛ける。サイズアップした波を楽しむが如く、フリースタイル全開。試合序盤に高さのあるアーリーウープ、着地も決まって8.00ポイント。これでもう伊東の勢いは止まらない。当てる、走る、飛ぶ。

 

伊東李安琉

 

全てアグレッシブな攻めるサーフィンで、トータル15.00ポイントでラウンドアップ。新井もサーフィン自体は悪くなかったものの、バックアップを決めきれずここで敗退。今大会は3位という結果で終了。

 

池田美来
芳田花瑚

 

池田美来 vs 芳田花瑚

 

続いて女子のセミファイナルの第1ヒート。池田美来 vs 芳田花瑚。この試合は池田、芳田のシーソーゲームという展開。宮崎出身の芳田は大きい波でも動じない攻めの姿勢を見せれば、池田もこの大会にかける思いから、一歩も引かず。

 

池田美来
池田美来と芳田花瑚

 

2人ともアウト、ミドルと波を探しながらの駆け引き。そこに終止符を打ったのは池田。インサイドでクリティカルに回し込んでの1発を武器に6点台を2本揃えて、ファイナルへ。

 

佐藤李
鈴木莉珠

 

鈴木莉珠 vs 佐藤李

 

第2ヒートは鈴木莉珠 vs 佐藤李。池田が前のヒートで勝ち上がったこともあり、佐藤がまず仕掛ける。リズム良く技を繰り出し4.50ポイント。鈴木も負けじと1発当てて、素早く切り返し当て込んで着地。これが5.00ポイントとやり返す。しかし、この試合の時間帯が上げこみに変わったことと台風からのスウェルもあり、波がバンバン入る。

 

佐藤李

 

それでも佐藤が沖からのセットを上手く繋いで、技数入れれば 7.75ポイントとハイスコア。鈴木のニードは7.26ポイントと跳ね上がる。乗ってパドルバックするにも時間が取られるという厳しい展開の中、鈴木も残り5分で3発入れるも、5.40ポイントで逆転ならず。ここは佐藤に軍配。

 

 

伊東李安琉
大原洋人

 

男子ファイナル:大原洋人 vs 伊東李安琉

 

決勝は男子から。大原洋人 vs 伊東李安琉。やはり、最初の演技は伊東。当てる、走る。飛ぶ。セミと同じ作戦か。ただ、決勝ではそれほど決めきれずに点は伸びない。片や大原はスピードを活かしたレールサーフィンでやり返す。

それでも伊東は、来た波に乗って、波を見ながら技を仕掛けるスタイル。サイズはあるものの、波が開いていることもあり、タメが作れる波だからか。

 

伊東李安琉

 

止まらないサーフィンで大原を逆転。大原をニード 7.51ポイントと追い込む。大原もこの点差だとリスキーな技を仕掛けるしかなく、結果、決めきれず。そのまま伊東が逃げ切って、嬉しいQS初優勝!おめでとう!

 

伊東李安琉

この御前崎のグーフィーの良い波でやれたことが一番嬉しい。

伊東李安琉
「久しぶりに優勝出来たのでとても嬉しいのと、この御前崎のグーフィーの良い波でやれたことが一番嬉しいですね。ファイナルの対戦相手となった大原選手は、CSを回っている日本のトップ選手なので、結構緊張したんですけど、緊張せず自分の持っている力を100%出せたかなと思っています。

 

ファイナルは作戦通りに行ったかなと思っています。本当は最初にマニューバー決めて点出したらエアーにどんどんチャレンジしていこうと思っていたんですけど、最初に思ったより決めれなくて、なので次はエアーをチャレンジしていきたいですね。前半は時間が経つのが遅くて、後半がめちゃくちゃ早かったんで、気持ちが楽でしたね。

 

 

優勝出来た理由は、御前崎に来た初日にエボシクラゲに刺されたことと(笑)、友達達の応援とか、ローカルの人たちもみんな優しくしてくれてたんで、それが一番応援になったかなと思っています。次はニアスのQS5000なので、そこでも応援よろしくお願いします。」

 

佐藤李
池田美来

 

女子ファイナル:池田美来 vs 佐藤李

 

続いて女子の決勝。池田美来 vs 佐藤李という地元、幼馴染対決。試合は波がバンバン入るものの、乗れる波選びの様相。序盤は一進一退だったものの、最終的には佐藤がリードし、池田が追う展開に。乗れば点を出せるのが、今の池田の強さであったものの、最後まで逆転できず。

 

佐藤李

 

勝敗はやはり波の選択か。パドルにも現れていたように、池田の「勝ちたい」という気持ちが強過ぎたか。これで波を取り逃がすことが何度もあった。一方、佐藤は冷静にノンプライオリティでも技数入る波を選んでポイントを重ねていったことが勝因。これで佐藤はまた一つ栄冠を手に入れた。QS初優勝おめでとう!

 

池田美来
しゃがみこんでしまう池田美来
美来の瞳から悔し涙が溢れ出す。

 

 

池田は最後まで諦めず。ビーチを走って戻り、パドルアウトを試みるも無情にもタイムアップ。その表情には悔しさと涙が溢れていた。試合には必ず勝ち負けがあるもの。辛い敗戦だからこそ強くなれるチャンスなんだ。この経験が美来を強くする。頑張れ!美来!

 

互いの健闘を讃え抱き合う李と美来
いいファイナルだったね。がんばった。おめでとう。ありがとう

 

地元開催だったので、絶対優勝したいと思っていた

佐藤李
「地元開催だったので、絶対優勝したいと思っていたので優勝出来て良かったです。セミファイナルで息が上がっていたんですけど、何もせずに深呼吸して整えてました。コーチの三輪紘也プロからは、今日は左から入ってくる切れた波を狙うという戦略でした。

 

練習中は調子が悪くて心配なところもあったんですけど、ずっと一緒に波に乗ってくれてアドバイスもくれたので、安心してヒートに挑めました。

 

 

6.00の波は2発だったんですけど、掘れたところには入っていたので良かったです。同じ地元で子供の頃から知っている池田美来選手とのファイナルについては、ずっとニードが7点とかだったんですけど、美来だったら、今回調子が良さそうだったので、7点はすぐに出されると思っていたので、ドキドキしていました。

 

この後は4日からインドネシアに行って、その後もいくつも試合があって、12月にISAの世界ジュニアに選ばれたので、それも優勝目指して頑張ります。応援ありがとうございます。みんなが見ている前で優勝出来て本当に嬉しいです。まだこれからも頑張るので応援よろしくお願いします。」

 

 

大会HP
https://www.omaezakipro.com/

WSL HP
https://www.worldsurfleague.com/events/2023/qs/177/omaezaki-pro/main

 

WSL Asia / Men‘s &Women’s QS1000「Omaezaki Pro」

Men’s

優勝:伊東李安琉($2,500 , 1,000pts)
2位:大原洋人($1,500 , 800pts)
3位:Touma Cameron(AUS) 、新井洋人($1,000 , 650pts)


Women’s

優勝:佐藤李($2,500 , 1,000pts)
2位:池田美来($1,500 , 800pts)
3位:芳田花瑚、鈴木莉珠($1,000 , 650pts)

プレゼンター
男子: WSL御前崎プロ実行委員会 藪田宏行 副会長
女子:おまえざき痛みのクリニック 松井 弦一郎 院長

特別賞(CITIZENプロマスター賞):伊東李安琉 15.30ポイント
シシチズン プロマスター を贈呈。

特別賞(サーフスタジアムベストサーファー賞): 伊東李安琉、佐藤李
貸切無料チケットを贈呈。

特別賞(スカルキャンディーベストサーファー賞):伊東李安琉、大原洋人、佐藤李、池田美来
スカルキャンディーヘッドフォンを贈呈。

プレゼンター
シチズン時計株式会社 宣伝部 広瀬氏