7/21-25の予定で行われている WSL Men‘s & Women’s QS 3000「Bonsoy Chiba Ichinomiya Open」はDAY-2。男子のR-2の残りH-9から16を行い、続いて女子のR-1の8ヒートを消化して、今日のスケジュールは終了。
今日の会場の天候は晴れ。関東も梅雨明け宣言で暑さも本格的なシーズンとなった。しかし、北まじりのサイドオン。なので、日陰なら多少涼しく過ごせる1日となった。
さて、波は昨日よりサイズはコンパクトになってモモコシ。朝の満潮時はまだまとまっていたものの、引きに転じてダンパー気味なブレイクに変化。その志田下は癖のあるポイント。昨日と同じようなブレイクと思いきや、風とうねりの向きで違う表情を見せる。
さらに潮が引いてくると、インサイドに溜まっている海藻にリーシュに絡む。それで足が滑るという厄介な状況も。今日は全体的に選手はバラけてポジショニング。点差が拡がらないコンディションでもあり、離れるこことでプライオリティを気にせず波をチョイスする作戦の選手が多かった。
男子のR-2 後半戦。ハイポイントは現CS選手の大原洋人が 6.00、5.25でトータル11.25ポイント。現QSカレントランキングでトップの大音凛太も 6.50、4.10でトータル10.60ポイントと10点を超す演技で力を見せる。
しかし、ヒート14の山本來夢(15歳)が右に左に波をつかむと、止まらないサーフィンを見せて、6.50、5.25でトータル11.75ポイントを叩き出し、今日のハイエストを獲得。昨日の大場玲遥に続き、調子の良さをアピールして、明日に繋いだ。
あと松原渚生、川俣海徳、稲葉玲王が志田下の難しいコンディションを上手く攻略して、トータル9点台にしてラウンドアップ。
現時点でQSランキングの1位大音凛太、2位伊東李安琉、4位西慶司郎、5位安室丈、7位新井洋人、安井拓海らは順調に勝ち上がっている。
今回の男子、アジアからは韓国が3人、フィリピン1人、インドネシア2人参加。やはり、この難しいコンデイションに苦戦して敗退が続く中、唯一、インドネシアのQSランキング20位の I Made Ariyanaが、R-3へ駒を進めた。
続いて、女子。こちらはシード選手が順当に勝ち上がる結果。現CS選手の松岡亜音、都築虹帆、野中美波は1位でラウンドアップ。その他、佐藤李、中塩佳那、脇田紗良、池田美来らがトップ通過。QSランキング上位で見ると、4位の松永莉奈が取りこぼすも、あとは順当に勝ち上がっている。
注目の試合は松田詩野、馬庭彩、Sky・Brown、松野杏莉のヒート6。Sky・Brown は東京オリンピックのスケートボードで銅メダルを獲得した選手。今期からWSLではAPACに登録をしてサーフィンでも世界の頂点を目指す。
松田詩野もエルサルバドルのISA世界選手権でパリオリンピックへの内定を獲得し、先日タヒチで合同練習に参加したばかり。このラウンドでは絶対負けられないというプレッシャーが、その顔から感じられる。
オーストラリア在住の馬庭彩に加え、JPSA初戦の種子島で5位、新島では3位という成績で成長著しい松野杏莉。決して楽勝なヒートではない。このコンディションで3、4点台、トータル6、8点台勝負となれば、誰が勝ってもおかしくない。
試合は松野が積極的に波をつかむが点は3点台。Skyは1本目から崩れる早い波に合わせて4点、続けて4.5点とリード。松田はじっくり波を選ぶもやはり3点台と3位に甘んじる。馬庭も当てるだけになって、点が伸びず。
このままSky、松野が勝ち上がるかと思いきや、松田は右奥に一人移動。波数は少ないものの張る波が来れば、一発逆転できるライトの波に狙いを絞る作戦。これが功を奏し、綺麗にリエントリーを連発して5.00ポイント。これで逆転して2位にジャンプアップ。メンタルの強さも見せる結果となった。
梅雨明け、高気圧に覆われることで、波のコンディションはこのまま変わらずか。僅差での戦いが続く。明日は6:00AMにファーストコール。6:30AMに試合開始予定。男子、女子ともスタンバイ。試合は男子がR-3から、女子がR-2からの予定。
千葉志田下では、もう恒例の稲葉玲王応援団。歓声と拍手が半端ないです。
インドネシアチーム応援団。こちらも選手へ指示を出していました。(Rizal Tandjungは息子のVarun Tandjungに海から指示)
日本でも選手にコーチがつくのは、もう当たり前の世界に。稲葉玲王に田中樹。脇田紗良には田中英義がアドバイス。
今日はオリンピック候補の選手が出場ということもあり、多くのメディアも集まった。
「一宮町サーフィンフェスティバル」会場の入り口には、流木で作ったモニュメント。
フェスティバルでは一宮町役場やムラサキスポーツなど各ブースが出店。
このサイズなら10回やって9回はエアを決められる自信があります。
複数のエアリバースを成功させ、2ウェイブ・トータル11.25(20点満点)をマークし、この日のオープニング・ヒートでヒート勝利を収めた大原洋人
「ターン出来る波がなかったです。結構乗れそうかなというイメージで入ったんですけど、想像してたような波は来ないような。波のサイズの下がったし、割れる場所も手前になっていて。上げているときインサイドにすごく砂がついちゃっていて、速いブレイクになっています。
どんなに波が小さくても、小波用の板で試合に出ることはないんですが、この新しいモデルは、小波用でも試合に使えるので使いました。このサイズなら10回やって9回はエアを決められる自信があります。今回は優勝してUSオープンにつなげたい。」
たくさんの人が応援に来てくれているので、みんなの見ている前で勝ちたいです。
稲葉玲王「波は思ったよりも小さくて、これ乗るの?みたいな感じもあったんですけど。乗れればサーフィンは出来たんで良かったです。ヒート中にボード交換したんですけど、両方とも同じEPSでサイズが少し違うものなんです。最初に乗っていた板はちょっと大きめで、ボリュームがあって重いんです。
スコアが安定したんで、2本の感触と見栄えを確認できればと思って。イズキ君(田中コーチ)と入る前に話もしていたんで、テストした感じでした。」
「地元の開催ということで応援にたくさんの人が来てくれているので、逆にプレッシャーなんですけど笑。でも、ありがたいことなんで、みんなの見ている前で、しっかり勝ちたいと思います。」
自分が生まれた日本に戻れてうれしいです。
15歳の天才少女スカイ・ブラウンは、スケートボーダーとして東京オリンピックに出場し、いま母親の故郷である日本で戦う。ブラウンは、志田のラウンドオブ16でヒート勝利を収め、幸先の良いスタートを切った。
「タフな戦いだったから、次のラウンドに進むことができて嬉しいです。自分が生まれた日本に戻れてうれしいです。この国の人たちはとても美しくて、日本が大好きです。これからもここでヒートを続けていきたいですね」。
ランキング1位とかは考えず、試合のことだけを考えてやろうかと思います。
現時点でアジアQSランキング1位の大音凛太。今大会も好調な滑り出しを見せた。「会場には3日前ぐらいから入って、鈴木トレーナーと波見たりトレーニングしたり、体調はバッチリです。自分はもともと海外のQSを中心に回っていて、今年もCSクオリファイを目標にやっています。今ランキング1位とかは考えず、試合のことだけを考えてやろうかと思います。」
納得できるようなライディングはできなかった。
カレントWSLアジア・リージョナル・ランキング・リーダーである松岡亜音が、このラウンドで最も高い2ウェイブ・コンビネーションでソリッドなヒート勝利を収めた。インドネシアで開催されたクルイ・プロQS 5000で優勝した松岡は、2024 WSLチャレンジャー・シリーズ(CS)へのスポットを固めるために、ホームグラウンドで再び大きな結果を狙っている。
「もう少し良いパフォーマンスを見せたかったです。」と松岡が言った。「波がこんなに小さいと難しいですね。今の女子ツアーのサーフィンのレベルはとても高いので、このイベントで優勝するのは本当に難しいです。私はベストを尽くします。それが少なくとも私の競技への取り組み方を成長させてくれると思っています。」
大会オフィシャルサイト
https://www.chibaichinomiyaopen.com/
「一宮町サーフィンフェスティバル」
https://ichinomiya-surfing-festival.com/