五十嵐カノアとコナー・オレアリーが大逆転でトップ通過。CT第7戦サーフシティ・エルサルバドル・プロ 開幕

五十嵐カノアとコナー・オレアリー

プンタ・ロカ、ラ・リベルタッド、エルサルバドル(2023年6月10日土曜日)-ワールド・サーフ・リーグ(WSL)2023チャンピオンシップ・ツアー(CT)の第7戦、サーフシティ・エルサルバドル・プロ Presented by Coronaでは、美しいコンディションで大会がスタート。

 

今日は男子の敗者復活戦までが行われ、注目のスター、ジャック・ロビンソン(AUS)、ケリー・スレーター(USA)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)が17位タイで早々に敗退する番狂わせが発生した。

 

 

カレントランキング1位のグリフィン・コラピントとカリッサ・ムーアが好調を維持

 

現在ランキングトップのグリフィン・コラピント(USA)は、サーフランチ・プロでの勢いをそのままに、オープニングラウンドヒートで勝利した。ディフェンディング・イベントの勝者であるコラピントは、ラインナップで抜群の安定感を見せ、クリーンなウォールを活かして16.20(20点満点)という素晴らしいヒート・トータルを記録した。

 

グリフィン・コラピント(USA)© WSL / Hughes

 

イベントワイルドカードのブライアン・ペレス(SLV)は、コラピントを相手に、2位で対戦を終了した。

 

「あのヒートでブライアン(ペレス)と対戦したのですが、彼はこの波を熟知していて、サーフィンがとても上手なので、全力を尽くさなければならないと思っていました」とコラピントは語った。

 

「イエロージャージのことを言われると、謙遜してしまうのですが、自分のものにしてしまえばいいんだ、と気づきました。そうしたら、もっと気楽に、冗談も言えるようになったし、良かったです。 このままでいいと思っています。どのヒートにもそれぞれのストーリーがある。今を大切にしながら、ただただ前進あるのみです。」

 

カリッサ・ムーア(HAW)© WSL / Hughes

 

5度のWSLチャンピオンで、現在世界No.1のカリッサ・ムーア(HAW)は、オープニング・ラウンドのヒートで勝利し、すでにエルサルバドルでのベストと同じクオーターファイナル進出を決めている。

 

ムーアは、エクセレントな8.00(10点満点)をマークしてヒートを始め、終始リード。レイキー・ピーターソン(USA)とイベントワイルドカードのレイラニ・マクゴナグル(CRC)を抑えて勝ち上がった。

 

「自分のなかでは、出てきた点数より少し低いスコアを想像していたので、ジャッジが自分のやっていることを気に入ってくれたのだと、少し自信がついた」と言った。

 

「良い波を見つけてバックアップしようとしたのですが、なんだかリズムが悪くて、ヒートトータルではそれほど高くはなりませんでしたが、次回はもっと上手くやるつもりです。幸運なことに、私には素晴らしいチームがいて、ポジティブな要素を見つけるのを助けてくれている。

 

負のスパイラルに陥るのは簡単ですが、私はパーフェクトではなく、前進することに取り組んでいます。 ラインナップでベストな波を見極め、冷静沈着に、自分のベストなサーフィンをし続けたいと思います。」

 

 

ジャック・ロビンソン、ケリー、ジョン・ジョンがまさかの敗退

 

ジョン・ジョン・フローレンス © WSL / Hughes

 

今日最大の番狂わせは、ルーキーのイアン・ジェンティル(HAW)が現在の世界ランキング5位のジャック・ロビンソン(AUS)を打ち負かしたことだ。このヒートでの勝利は、ジェンティルにとって極めて重要な瞬間であり、ランキングを上げるためには、ここで大きな勝利を収める必要がある。

 

ケリー・スレーター(USA) © WSL / Ryder.

 

また男子エリミネーション・ラウンドのヒート5では、3度の世界チャンピオンのガブリエル・メディーナ(BRA)と11度の世界チャンピオンのケリー・スレーター(USA)という最も危険な2人が、ハイエスト・マッチで対決した。しかし、チャンスのある波を見つけたメディーナが、トレードマークのバックハンドを披露し、7.50をスコアしてヒート優勝を果たした。

 

ガブリエル・メディーナ(BRA) © WSL / Ryder.

 

「簡単なヒートなんてないん ですよ 」とメディーナは言った。「ケリー(スレーター)とはいつも良いバトルができています。彼を尊敬しているし、彼がビッグスコアを出す能力があることも知っています。今朝のヒートは波に乗れなかったので、今は良い感じですね。次のラウンドでは、もっと波があることを期待しています。」

 

 

 

インドネシアのルーキー和井田理央(INA)は今日、2度のワールド・チャンピオンのジョン・ジョン・フローレンス(HAW)を退け、彼のこれまでのキャリアの中で最も大きな勝利のひとつを達成した。和井田はヒートを通して勢いをつけ、2本のソリッドな7ポイントスコアをマークした。

 

和井田理央(INA) © WSL / Ryder.

 

フローレンスは大きなレイバックで応戦し、8.43を叩き出した。しかしラストライドで僅かに逆転ならず、このイベントから早々に姿を消すことになった。

 

またリアム・オブライエン(AUS)、バロン・マミヤ(HAW)、カラム・ロブソン(AUS)、カイオ・イベリ(BRA)もエリミネーション・ラウンドを突破し、ラウンドオブ16に勝ち進んだ。

 

 

男子トップシードの混戦模様

 

レオナルド・フィオラバンティ © WSL / Ryder.

 

イーサン・ユーイング(AUS)とフィリッペ・トリード(BRA)は、オープニング・ラウンドを順調に勝ち上がり、エリミネーション・ラウンドを回避して、ラウンドオブ16に進出しました。2人は、ライトハンドのポイントブレイクに対して、異なる効果的なアプローチを見せました。ユーイングは強力なレールゲームを駆使し、トリードはフローターとエアのコンビネーションを披露した。

 

また、レオナルド・フィオラバンティ(イタリア)、イタロ・フェレイラ(ブラジル)、五十嵐カノア(日本)もクラッチ・パフォーマンスでラウンドオブ16に進出。フィオラバンティは、男子オープニングラウンドのシングルウェーブで最高得点の9.00を獲得。五十嵐カノアは、終了間際の大逆転でラウンドアップを決めた。

 

五十嵐カノアとコナー・オレアリーは大逆転でラウンドアップ。

 

五十嵐カノア © WSL / Hughes
五十嵐カノア © WSL / Hughes
弟のキアヌもカノアを応援するためにエルサルバドルに登場© WSL / Hughes

 

同じエルサルバドルで、5月30日から6月7日(水)まで行われた2023サーフシティ・エルサルバドルISAワールド・サーフィンゲームス(WSG)に出場し、アジア最高位となる4位入賞を果たし、オリンピック出場権を獲得した五十嵐カノアが登場。

 

五十嵐カノア © WSL / Ryder
五十嵐カノア © WSL / Ryder

 

ヤゴ・ドラとライアン・キャリナンと対戦したカノアは、じっくりと波を待ち、ヒート後半に入りファーストライドにテイクオフ。ビッグカービングからミドルでエアリバース。

インサイドではブローテールドリフトをメイク。目の覚めるようなライディングでエクセレントの8.33をスコア。最後はバックアップ6.93をスコアしてガッツポーズ。圧倒的なサーフィンで逆転勝利を決めた。

 

 

「日本のファンの皆さん、いつも応援ありがとうございます。」とカノアがヒーローインタビューで言った。「一昨日オリンピックが決まったのですが、それで終わりではなくて、トップ10に入って、トップ5に入って、これからが勝負という感じで頑張ります。」と意気込んだ。

 

コナー・オレアリー © WSL / Ryder.
コナー・オレアリー © WSL / Ryder.

 

元日本チャンピオンである柄沢明美プロの長男であるコナー・オレアリーは、得意のバックハンドがエルサルバドルの波にマッチ。ビッグセットで大きなスプレーを上げるパワーマニューバーで8.33をスコア。最後に5.07をスコアしてトップ通過を果たした。

 

 

「良い仲間とのタフなヒートでした。最初のエクスチェンジでリオ(和井田)の次の波で良い波をつかめて、8点を出せて良かったです。」とコナーが日本語でインタビューに答えた。

「8点の波の後、次の波は来るって思ったんですけど来なかったの結構緊張しました。でも最後の波は小さかったけど5点を出せてラッキーでした。次のラウンドに上がれて嬉しいです。」

 

 

男子ラウンドオブ16で、五十嵐カノアは、ヒート4で親友のレオナルド・フィオラバンティ(ITA)とマッチアップ。ヒート6でコナー・オレアリー(AUS)はカイオ・イベリ(BRA)とマッチアップとなる。

がんばれ!カノアとコナー!

 

 

サーフシティ・エルサルバドル・プロ Presented by Coronaのハイライトは、WorldSurfLeague.comでご覧ください。

 

サーフシティ・エルサルバドル・プロ・男子オープニング・ラウンド1結果:
HEAT1: イーサン・ユーイング(AUS)15.37 DEF.
ケリー・スレーター(USA)11.60、マシュー・マクギリブレイ(RSA)11.17

HEAT 2:フィリッペ・トリード(BRA)15.76 DEF.
イアン・ジェンティル(HAW)11.60、カイオ・イベリ(BRA)6.06

HEAT 3:セス・モニーツ(HAW)11.73 DEF.
ジョアオ・チアンカ(BRA)11.67、ジョーディ・スミス(RSA)11.20

HEAT 4:グリフィン・コラピント(USA)16.20 DEF.
ブライアン・ペレス(SLV)15.10、カラム・ロブソン(AUS)12.93

HEAT 5:コナー・オレアリー(AUS)13.40 DEF.
ジャック・ロビンソン(AUS)13.00、和井田理央(INA)6.00

HEAT 6:イタロ・フェレイラ(BRA)13.33 DEF.
リアム・オブライエン(AUS)10.66、ガブリエル・メディーナ(BRA)7.17

HEAT7:レオナルド・フィオラバンティ(ITA)16.50 DEF.
バロン・マミヤ(HAW)14.90、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)7.37

HEAT 8:五十嵐カノア(JPN)15.26 DEF.
ライアン・カリナン(AUS)14.24、ヤゴ・ドラ(BRA)7.24

サーフシティ・エルサルバドル・プロ女子オープニング・ラウンド1結果:
HEAT1:キャロライン・マークス(USA)14.90 DEF.
ケイトリン・シマーズ(USA)13.76、ガブリエラ・ブライアン(HAW)13.40

HEAT 2:カリッサ・ムーア(HAW)11.40 DEF.
レイキー・ピーターソン(USA)9.60、レイラニ・マクゴナグル(CRC)6.83

HEAT 3:ステファニー・ギルモア(AUS)16.17 DEF.
ジョアン・ディフェイ(FRA)14.00、タイラー・ライト(AUS)13.23

HEAT 4:タティアナ・ウェストン-ウェブ(BRA)12.73 DEF.
ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)11.80、モリー・ピックラム(AUS)7.83

 

サーフシティ・エルサルバドル・プロ・男子エリミネーション・ラウンドの結果:
HEAT1: ジョアオ・チアンカ(BRA)13.27 DEF. ブライアン・ペレス(SLV)12.30
HEAT 2:リアム・オブライエン(AUS)12.60 DEF. ライアン・カリナン(AUS)8.14
HEAT 3:イアン・ジェンティル(HAW)14.20 DEF. ジャック・ロビンソン(AUS)12.66
HEAT 4:バロン・マミヤ(HAW)11.90 DEF. ヤゴ・ドラ(BRA)8.84
HEAT 5:ガブリエル・メディーナ(BRA)13.20 DEF. ケリー・スレーター(USA)10.60
HEAT 6:カラム・ロブソン(AUS)12.83 DEF. マシュー・マクギリブレイ(RSA)10.00
HEAT 7:和井田理央(INA)14.40 DEF. ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)13.16
HEAT 8:カイオ・イベリ(BRA)14.24 DEF. ジョーディ・スミス(RSA)13.67

サーフシティ・エルサルバドル・プロ・男子ラウンドオブ16のマッチアップ:
HEAT 1:ジョアオ・チアンカ(BRA) vs. イアン・ジェンティル(HAW)。
HEAT 2:イタロ・フェレイラ(BRA) vs. カラム・ロブソン(AUS)
HEAT 3: フィリッペ・トリード(BRA)対 和井田理央(INA)
HEAT 4:レオナルド・フィオラバンティ(ITA) vs. 五十嵐カノア(JPN)
HEAT 5:グリフィン・コラピント(USA) vs. セス・モニーツ(HAW)
HEAT 6:コナー・オレアリー(AUS) vs. カイオ・イベリ(BRA)
HEAT7:イーサン・ユーイング(AUS)対リアム・オブライエン(AUS)
HEAT 8:ガブリエル・メディーナ(BRA) vs. バロン・マミヤ(HAW)

サーフシティ・エルサルバドル・プロ女子エリミネーション・ラウンドのマッチアップ::
HEAT 1:タイラー・ライト(AUS)対レイラニ・マクゴナグル(CRC)。
HEAT 2:ケイトリン・シマーズ(USA) vs. ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)
HEAT 3:モリー・ピックラム(AUS) vs. ジョアン・ディフェイ(FRA)
HEAT 4:レイキー・ピーターソン(USA) vs. ガブリエラ・ブライアン(HAW)

 

詳しくは、WorldSurfLeague.comをご覧ください。

 

2023年6月9日~18日
Cイベント07

Surf City El Salvador Pro

Presented By CoronaPunta Roca, La Libertad, El Salvador