サーフシティ・エルサルバドル – 2023年6月5日 2023年サーフシティ・エルサルバドルISAワールド・サーフィンゲームス(WSG)大会6日目。ロングピリオドのスウェルが6~8フィートまでアップし、ダブルオーバーヘッドの波がブレイクするなかで、ここまで勝ち残ったほとんどのサーファーは、パリ2024オリンピック出場権を賭けて一日中熾烈な戦いに挑んだ。
ラ・ボカナで女子のメインラウンド4からスタート、男子のリパチャージラウンド5~7とともに終了し、エル・スンザルで女子のリパチャージラウンド4~7が終了した。
2023年WSGで与えられる8つのオリンピック出場枠のうち5名が本日確定となり、2つの会場で複数のシナリオが展開されたが、その多くは大陸出場枠を狙う同じチームのメンバーによるものとなった。あとアジア男子1名、ヨーロッパ男女各1名の合計3枠が残っている。
アジアはここまで3選手が勝ち残っており、2022年ISA WSG金メダリストでオリンピック銀メダリストの五十嵐カノア(日本)、2022年ISA WSG銀メダリストの和井田リオ(INA)、稲葉玲王(日本)の3名の中から、最高位を獲得した1名にオリンピック出場資格が与えられる。
また、5カ国を代表するヨーロッパの男子5名と、4カ国を代表するヨーロッパの女子6名が候補に残っている。
ジョーディ・スミス(RSA)は、リパチャージ・ラウンド6でテバ・ブシュガ(MAR)が敗退した後、2023 WSGを通じてパリ2024オリンピックに出場権を獲得した最初のサーファーとなった。
スミスはWSL CTを通じてクオリファイする可能性も高いものの、エルサルバドルでの出場枠が確定したことに安堵している。このベテラン選手は、怪我のため東京2020を棄権した後、今回初のオリンピック出場となる。
「保証は常に最良の選択肢です。」とスミスは言った。「私にとって、今クオリファイできることは抗し難いことです。チョープーでサーフィンをする機会を得ることは、とても素晴らしいことだと思います。14歳のときから通っているので、経験も豊富ですしね。そのような日に自然が力を発揮してくれて、私たちが金メダルを獲得できることを願っています。」
スミスのチームメイトであるサラ・バウム(RSA)は、国際スポーツのトップレベルへの長い道のりを歩んできた。10代後半に何度もWSL CTのクオリファイを目前にしていた29歳の彼女が、オリンピック代表を獲得するまでには、10年以上かかった。
リパチャージ・ラウンドでアジア枠を狙う女子が次々と敗退する中、日本の松田詩野(JPN)の2度目のクオリファイに歓喜した。2021年の同じエルサルバドルのWSGで東京2020大会の出場権を失った松田は、今回見事リベンジを果たし、日本初となるパリ2024大会の出場権を獲得した。
「オリンピックが開催される1年前に出場権を獲得できて、本当にうれしいです。」と松田は語った。「チョープーはとてもチャレンジングな会場なので、そこで良い波が取れるように、これから1年かけて準備したいです。」
※来年2024年の2月にプエルトリコで開催される(予定)「2024 ISA World Surfing Games」に出場することを条件に、パリ2024オリンピックサーフィン競技出場権が与えられる。
オセアニア枠は、ニュージーランドのサフィ・ヴェットとペイジ・ハレブの2人に絞られた。ハレブはメインドローに残っていたが、メインラウンド3のヒートで膝を負傷し、ベストな状態で出場できず、リパチャージに降格。 一方、ヴェットはリパチャージ4ヒートをブザービーターで突破し、ハレブを抑えて出場枠を獲得した。
「私は明らかに興奮していますが、タヒチには行ったことがないので、本当に恐怖もあります。」とベットは言った。男子は、2度目のオリンピックとなるビリー・ステアマンド(ニュージーランド)が獲得した。
エルスンザルで朝から行われた、女子リパチャージR4では、前田マヒナはヒート1でテレサ・ボンバロらと対戦。テレサがスタートからバックハンドでいきなりエクセレントの8ポイントでヒートを開始。
前田もそれに対しバックハンドで4ポイントをスコアして応戦する。メキシコのシェルビー・デトマーズ、中国のウー・ヤオメイもベスト2を揃え、前田はワンライドのみで4位を強いられる。
残り時間5分となり、前田は優先権を使い波をキャッチ。カービングでインサイドまでつなぎ、インサイドの掘れたセクションでリエントリー。6.33をスコアしてトップスコアを塗り替えて、2位に浮上する。ラストウイブではバックアップを5.87まで上げて、2位でリパチャージR5へ勝ち上がった。
前田マヒナは、その後、女子リパチャージ5 のヒート2で、ガラージ・サンチェス ESP、ドミニク・バロナ ECUと対戦。波選びがかなり難しい中で、いい波を待ちすぎたのか、ワンライドでヒートを終了。惜しくも敗退となり、今大会31位でフィニッシュとなった。
ヒート4で都筑有夢路は、シルバナ・リマ、ダニエラ・ロサスらと対戦。ダニエラとシルバナが先制攻撃を仕掛けるなか、都筑も6.00をスコアして好調な滑り出しを見せる。
しかし、ダニエラはセカンドウェイブでインサイドまで流石のコンビネーション・マニューバーを披露。7.77をスコアしてトップに。シルバナはミドルで波を掴み、インサイドまでつなぎ5.57をスコアして2位のポジションに。都筑はバックアップ4.73をスコアして3位のポジション。
残り時間3分を切りニード5.17と追い込まれる都筑。ヒート終了間際にシルバナと都筑がライディング。シルバナは6.60をスコアし、リードを広げ、都筑は5.70をスコアするも惜しくもここで3位敗退。37位でフィニッシュとなった。
女子メインラウンド終了後にラ・ボカナで行われた、男子のリパチャージ6のH2で脇田泰地は、元CTサーファーのフレデリコ・モライス、2021年のエルサルバドル大会で優勝したジョアン・ドゥルーらと対戦。
脇田はスタートからビッグレフトをキャッチ。深いボトムターンから大きなスプレーをあげるカービングターンのコンビネーション・マニューバーを描き、7.00をスコア。素晴らしいスタートを切る。
しかしヒート前半に高得点を2本揃えたドゥルーに逆転されて2位となる脇田。さらにモライスにも逆転されて3位となる。
追い込まれた脇田は終了間際にビッグセットのレフトを掴み、ソリッドなターンをコンビネーション。4.97をスコアして一気トップに躍り出てトップでラウンドアップを決めた。
リパチャージ7では、H2でメキシコのセバスチャン・エルナンデス 、フランスタヒチのカウリ・ヴァースト、チリのマニュエル・セルマンと対戦した脇田 泰地。
ヒート後半、クローズセクションを決め切れない中で脇田は2位のポジションをキープ。しかし、ワンライドのカウリが7.33をスコアしてトップに躍り出る。しかし、終了間際にセバスチャンがビッグエアで9ポイントをマーク。4位からトップに躍り出て、脇田は4位となり、今大会22位でフィニッシュとなった。
いよいよ大会も大詰め。アジアはここまで3選手が勝ち残っており、五十嵐カノア、インドネシアの和井田リオ、稲葉玲王の3名のうち、最高位を獲得した1名にオリンピック出場資格が与えられる。女子ではクオリファイを決めた松田詩野がリパチャージ8を戦う。
男子ラウンド5ヒート1で稲葉玲王は、世界チャンピオンのガブリエル・メディーナ(BRA)和井田理央 (INA)ミゲル・トゥデラ(PER)と対戦。
男子ラウンド5 ヒート2 はアラン・クレランド (MEX)、ジョーディ・スミス(RSA)、ビリー・ステアマンド( NZL)、コディ・ヤング(CAN)
男子ラウンド5のヒート3では、五十嵐カノアが、ルッカ・メシナス(PER)、レアンドロ・ウスナ(ARG)、ウリ・ウジエル(SR)と対戦する。
明日はスウェルの状況により、ラ・ボカナかエル・スンザルのどちらかで開催されるシングルエリア。開催場所は午前7時までに決定し、ISAのウェブサイトとEメールでチームに通知される。がんばれ!日本!
■2023 SURF CITY EL SALVADOR ISA WORLD SURFING GAMES
名 称:2023 SURF CITY EL SALVADOR ISA WORLD SURFING GAMES
主 催:国際サーフィン連盟(ISA)
期 間:2023年5月30日(火)~6月7日(水)※現地時間
開催地:El Sunzal / La Bocana, El Salvador
■日本代表NAMINORI JAPAN 派遣選手
男子
五十嵐カノア
稲葉 玲王
脇田 泰地 22位
女子
都筑 有夢路 37位
前田 マヒナ 31位
松田 詩野
■大会中の情報
大会期間中は下記にて随時経過や結果を更新していきます。
ISA HP https://isasurf.org/event/2023-world-surfing-games/
NSA HP NEWS https://www.nsa-surf.org/news/
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