ブラジルで開催されたワールド・サーフ・リーグ(WSL)2022チャレンジャー・シリーズの第6戦「コロナ・サクアレマ・プロ pres.by Banco do Brasil」で、今季最高の3位に入った東京五輪銅メダリストの都筑有夢路(所属 木下グループ)が11日、羽田空港帰国後に取材に応じた。
「オリンピックが終わってから、勝てない試合が続いていましたが、今回いい結果が出せて気持ち的にも良くなりました。次戦に向けてもモチベーションが上がって、悪いイメージから抜けられた感じがしました。」
今回の結果で、今月の26日からハワイのノースショアで行われるチャレンジャー・シリーズ最終戦の「ハレイワ・チャレンジャー」を前にCTクオリファイに望みをつないだ都筑。
「本当に厳しい状況なんですけど、自分のやらなきゃならないことを試合でやるだけ。優勝を目指して頑張るだけです」とコメント。
また、日本サーフィン連盟が、2024パリ大会特定強化指定選手の選考基準を発表したことを受けて、パリ五輪のサーフィン会場となるタヒチのチョープーでの試合に関して都筑は「CSでやるような波とは全く違う波で、競技自体が違うようなイメージ。戦術面も違ってくるので、チョープーを滑れる選手を選んだ方がオリンピックは勝てるんじゃないかなと思う」と言った。
「チョープーは経験がないですが、パイプラインやチョープーはCTに入れば絶対にやらなくてはならない波なので、そこはオリンピック関係なく自分のプランの中に入っています。」
15日にはハワイに出発する都筑が、ブラジルでの試合を振り返り、勝てる時の試合の進め方に関して言った。
「試合に対するメンタルは常に変わっていなくて。目の前のことを100パーセントでやる、その気持ちと、自分の今の技術のサーフィンと試合会場の波とのバランス、調整というのが上手くいくと自分の中で良いリズムで試合が進められたりします。あと運とかもあるなと今年の試合で感じました。運のせいには自分の中ではしたくないですけど。
ジャッジが見たいものをやり、ジャッジに合わせて勝つ。
これだけやっても勝てない試合っていうのがあって、ジャッジも人間だからそいう面で好みとかもあるので、それにも合わせていかなければならないと思う。運も引き寄せて、ジャッジにも合わせられることが、少しづつできてきたのかと思います。
技術があればあるほど、ジャッジに合わせられると思うんです。
自分のヒートの前に海を見るんですけど、こんなサーフィンに点が出ているなというのを判断して、ジャッジが見たいものをやると点数が出る。そして、それができる波に乗って、自分にその技術があれば点数が出せる。それがジャッジに合わせたサーフィンって感じですね。
今までの自分は、自分の好きなサーフィン、自分のサーフィンを見て欲しいと言う気持ちが強かった。それがハマれば優勝とかもあったんですけど、でも今後はそこが大事になる。」
攻めないで負けるより、攻めて負けた方が後悔がない
今回、ファーストラウンドからの先制攻撃を仕掛けた戦い方については「攻めないで負けるより、攻めて負けた方が後悔がないので、その気持ちはいつも変わらない。いつも攻める気持ちでやっています。そういう攻められる波に乗れていると、そういう風に見えるかもしれないけですけど、自分の中の気持ちは変わらないです。」
グッド・コンディションで始まったファイナルデイ。クオーターファイナルの波で感じたことは?
「凄くコンディションが変わる場所だったので、もしかしたらコンディションが変わるかもという不安の方が大きかったです。でも乗れば勝てるとは思っていたので、その不安はなかったです。その波を見た時に、よっしゃー!みたいな気持ちはなくて、以外と冷静に捉えられていたかなって思います。」
逆にクオーターからセミでコンディションが悪化した点に関しては、「予想通りって感じでした。コンディションは変わるだろうと思って試合に挑んでたので、乗った波でやることをやるだけと思っていました。」
アリッサとのセミファイナルの試合展開に関しては「相手もトップ選手なんで(前半に高得点を出されたことも)想定内というか、自分も出せる自信があったので、いつも通りにやって点数出れば良いなって思ってやっていました。今回は試合を通して冷静でいられました」
今回の試合のコーチングがに関しては、「今回はコーチとか現地にはいなくってやっていたんですけど、鈴木先生(BELL’S GYM)に今回の試合は、こんな海でこういう波が多いんですけど、といった相談をさせてもらってサポートしてもらっていました。」
現在ランキングは13位でクオリファイのラインは5位。現在上位3名のクオリファイが決定して残り2枠をかけて最終戦に挑む。
「私より上のランキングの人たちが、早く負けて自分が優勝すれば何が起こるかわからないですけど。来年の目標としては、上の3人みたいに自力でクオリファイを決めるのが理想的な形だなって思っています。」と語った。
今シーズン最後の戦いに向けハワイに旅立つ都筑有夢路。その瞳には再びCTで戦う自分の姿しか見えていない。都筑有夢路の世界への挑戦はこれからも続く。日本のみんなが応援している。がんばれ!アムちゃん!