【オーストラリアSURFNEWS】冬を迎えるゴールドコースト、Rip Curl MP Classic Invitational 2022をリポート。

NOJILAND FILMこと菅野大典氏が、現地からオーストラリアの最新情報を伝えてくれる【SURFMEDIAオーストラリアSURFNEWS】。第24回となる今回は冬を迎えるゴールドコースト、Rip Curl MP Classic Invitational 2022をリポート。

 

 

取材、文、写真:菅野大典

 

 

6月のゴールドコースト。

天候にも恵まれ、毎日快晴のゴールドコーストらしい日々が続いています。

 

 

先月まで毎日のように降り続いていた雨の日が嘘のように、海の水の色も綺麗に戻り、素晴らしいビーチの雰囲気が戻って来ました。

冬のゴールドコーストは空気が澄んでいて綺麗な夕焼けが広がる季節。今月は何度も綺麗な夕焼け空を見ることができました。

 

雨続きで見れなかった夕焼けが今月に入ってから毎日のように拝めています。

 

しかし朝晩は本当に寒い。温暖なゴールドコーストでありながら内陸部では氷点下を記録するほど冷え込む日もありました。

 

新型コロナウイルスの感染状況は先月とあまり変わらず、横ばい状態からやや減少傾向といった感じですが、先月のニュースでも取り上げたように規制も緩和されて、パンデミック以前の様な正常化に向けて進んでいる様な状況です。

 

また海外からの留学生や、ワーキングホリデーの渡航者が入国して来ていることにより、以前のような飲食店での従業員不足等が徐々に解消されてきているようにも感じます。

 

しかしながら今年の冬はインフルエンザが大流行。例年の3倍以上もの感染者が記録されるなど、コロナウイルスと共に猛威を奮っています。

 

波のコンディションは、上旬は先月まで続いた大きなうねりも収まり一気にサイズダウン。ゴールドコーストでは久しぶりにフラットコンディションという日が何日か続きました。

 

 

久しぶりに人も波もないスナッパーロックス。

 

例年通りの冬といった感じの気圧配置になり、南うねりを拾いにくいゴールドコーストとは対照的にオーストラリアの南部では大きなスウェルが入って来ていました。

 

典型的な冬のオーストラリアの東海岸の天気。強烈な南うねりと西寄りの風のオフショアによってNSWの南部では大きなスウェルがやってくる。

若手オージーサーファーのレニックス・スミス@lennix.smithのインスタグラム投稿。PIC: @saffasimmo 冬のオーストラリアの舞台は南部に注目が集まります。

 

 

中旬以降は、ゴールドコーストにもサプライズ・スウェルが入って来たりしながら、ファンサイズの日が多く続き、サーフィンを楽しめる日が続きました。

 

 

サイズが上がれば相変わらず良い波のスナッパーロックス。
先月まではスウェル続きでポイントブレイク中心でしたが、サイズが収まりオープンビーチにも地形が戻って来ました。
ゴールドコーストから少し離れ、草でできたトンネルを抜けたら、
地形の決まっているオープンビーチを発見。混雑なく良いコンディションでサーフィンできるのがこの時期のオーストラリアの特徴。

 

先月まで大忙しだったWSLのイベントも舞台が海外に移り、選手達はインドネシアであったり、各方面へ。ゴールドコーストの海の中では練習に励むグロメッツサーファーがよく目につきました。

 

 

D-BAHへ行ってみたら来月に2年ぶりに行われる Billabong Occy’s Grom Comp の影響かキッズがたくさんいました。
NAMINORI JAPAN U-16日本代表として、エルサルバドルで開催されていたISA World Junior Surfing Championshipに出場していた髙橋花音と双子の姉妹 花梨は、拠点をゴールドコーストへ。

あまり良いコンディションではなかったものの、スタイルの良い綺麗なサーフィンでとても目立っていました。高橋花音

 

 

Rip Curl MP Classic Invitational 2022が2年ぶりに開催。

 

マイケル・ピーターソン(MP)は70年代オーストラリアで開催された多くのメジャーコンテストのタイトルを獲得、74年パイプラインのバックドアを制しサーフィンを次のレベルへ高めたサーファー。1992年にはサーフィンオーストラリアのホール・オブ・フェイムに選出されるなどカルト的なヒーロー。

 

6月24日にはMP CLASSICSが2年ぶりに開催。 このイベントは、ジョシュ・カーやマイキー・ライトといった選手が過去の優勝者に名を連ね、2019年を最後にコロナウイルスの影響で開催されていませんでしたが、今年になって復活。

 

クーランガッタにある3つのボードライダーズクラブ(SNAPPERROCKS、KIRRA、D-BAH) から32名の招待選手による試合が行われました。

 

 

2019年の優勝者には橋本恋と現在CT選手として活躍するカラム・ロブソンが優勝。それ以来開催されていなかった。
キラサーフライダーズクラブがホストとなりイベントがD-BAHで開催。

 

32名の女子も子供も大人もごちゃ混ぜのヒートで、プライオリティーやスコアアナウンスもなくフレンドリーカップといった感じの雰囲気で大会は開催。

 

デール・リチャーズ

 

かつてスナッパーロックスで行われたWCTのトライアルを勝ち抜き、全盛期時代のケリー・スレーターと対戦した経験もあるデール・リチャーズ。スタイリッシュなアボリジニーサーファーとして大注目だった若手時代から、コンテストシーンで見かけることがなくなったが、綺麗なスタイルのサーフィンは健在。

 

スナッパーロックスのプレジデントであるレジェンドサーファーのジェイ・フィリップス。衰えを感じさせないサーフィンでヒートを勝ち上がっていた。

 

アイラ・ハパッツ

 

素晴らしいターンを決めていた14歳のスーパグロメッツのアイラ・ハパッツ。女子の最高位となりMP CLASSICS 2022のタイトルを獲得。ちなみに姉はニアスで行われたQS5000の5位に入賞したミア・ハパッツ。姉妹そろって今後の若手オージーサーファーの選手として注目されています。

 

 

コービン・ハッチングス

 

メンズ2位となったコービン・ハッチングス。どのヒートでも良い波を見つけ出し、リップからエアーまでバリエーション豊かなサーフィンを披露し確実にスコアを上げていました。

 

カイ・タンドラー

 

見事にタイトルを獲得したのはカイ・タンドラー。1つ1つのアクションにメリハリのある素晴らしいサーフィンで、どのヒートでも安定した実力を発揮、優勝を勝ちとった。

 

 

CS選手やインドネシアのニアスで行われたQS5000で優勝したマーロン・ハリソンや3位となったジャガー・バーソロミューといったQS選手などのスナッパーロックスの現役バリバリの選手が不在の中でも、とても見応えのあるアクションが繰り広げられ、2年ぶりの素晴らしいイベントの復活となりました。

 

 

それにしても、選手層の厚さを感じさせられるゴールドコーストの地域。来月はまたしてもコロナウイルの影響で2年間開催されていなかったBillabong Occy’s Grom Comp 2022が開催されます。

 

 

 

若手の登竜門の1つといった感じのこのイベントは、今後の将来を占うといっても過言ではない、オーストラリアのグロメッツサーファーにとって重要な大会。

 

現地に住む日本人も数名エントリーしているので、また来月レポートしたいと思います。

 

菅野大典オーストラリアのゴールドコーストを拠点にして13年余り。サーフボード・クラフトマンとして働きながら、サーフィン修行のために来豪する日本のサーファーをサポート。写真や動画撮影のほか、昨年は大村奈央の試合に帯同、大会のジャッジやサーフコーチなどマルチに活動している。