種子島から世界を目指して。限界に挑戦し続ける、須田喬士郎にCLOSE-UP 〜have a chat with B〜

 

温暖な気候で一年を通して様々なタイプの波でサーフィンが楽しめサーファーに人気の種子島。島中に多くのサーフポイントが点在する「サーフアイランド」だ。

 

そんな種子島で生まれ育ち、3歳からサーフィンを始め、2018年にJPSA プロ資格取得しプロサーファーとなった須田喬士郎。姉である2019年JPSAグランドチャンピオンの須田那月とともに種子島から世界を目指す。そんな須田喬士郎にクローズアップ。

 

 

photo:deltaforce
photo:deltaforce

 

 

2021年はどんなシーズンでしたか? 

 

7月の終わりに怪我をしてしまって。JPSAの開幕戦は出れたんですけど、その後の試合は全部キャンセルしたって感じですね。

 

 

2021年開幕戦の一宮プロではR2で敗退。その後に怪我をして、全試合をキャンセルすることに。

 

どんな怪我だったんですか?

 

カービング中に内側じん帯を損傷してしまいました。レイバック・カーブみたいのをしてて、無理に膝を入れすぎちゃった感じですかね。体のメンテナンスが出来ていないのに思い切りやり過ぎてしまって、怪我してしまった感じでした。もう今は完治して、全く痛みもなくサーフィンできています。今シーズンは思いっきりやっていくつもりです。

 

 

JPSAの試合も行われる種子島は素晴らしい波の宝庫。

 

 

生まれが種子島ということなんですか?

 

両親は種子島の人間ではなかったんですけど、自分は種子島生まれ、種子島育ちですね。

 

サーフィンを始めたきっかけは、お姉さんの影響があったからなんですか?

 

そうではなくて。どちらかというと姉よりも自分の方が先にサーフィンに、はまっていた感じなんですよね。父親がサーフコーチングとか、高校のサーフィン部の監督とかをやっていたので、それがあってサーフィンを始めたっていうのがありますね。だから父の影響が大きかったと思います。

 

 

ヒート前に那月に指示を出す父、大輔さん。

 

家から近い場所でサーフィンの練習はしているんですか?

 

種子島は、決まった場所でしかサーフィンやらないとかはないですね。2〜30分あれば、どこのポイントにも行けてしまうので、いろいろなポイントでやっていました。いまも島全体でやっている感じですね。

 

 

2019 whitebuffalo HYUGA PROでは9.85をスコアし、ベストライディング賞を受賞した須田喬士郎

 

 

試合があるときは、長期で島を留守にするって感覚ですか?

 

そうですね。試合の数が多かったり、試合の間隔が狭いときは島には帰らないで、ずっと居る感じですね。知り合いの家にお世話になったりして、居候させてもらっています。同時期の試合であれば基本、姉と一緒に行動する感じです。

 

自分のサーフィンを説明すると、どんなサーフィン?

 

どうですかね。この技だけ極めているというのはなく、オールラウンドな感じなので、見ている人が面白いのか、面白くないのかはよく分からないですけど(笑)個性がないといえば個性がないサーフィンですけど。色々な技をしたいサーファーなんです。

 

小さい波は苦手なんですけど、サイズのある波が好きですし、魅せれるとは思いますね。

 

 

海外で行われている試合には出場したりしてきたんですか?

 

そうですね。コロナになる前は、毎年オーストラリアに2ヶ月ぐらいとか行ってQSとか回っていましたね。修行の面で結構行ってましたね。アメリカとかハワイはまだ一度も行ったことがないんですよ。

 

好きなサーファーは?

 

自分が好きなサーファーはスタイリッシュなサーファーとか、ガチガチのエアー系とか、どっちかが好きとかはなくて。スタイリッシュ系でも好きなサーファーはいますし、エア系でもコンペ系の人でも好きなサーファーは居るので、これという人はいないんです。

 

この人のサーフィンを意識してるとかもないですか?

 

色々な人の映像を見て、勉強しているというのはあります。でもライフスタイルとかサーフィンとか全てに憧れている人がいるんです。その人は地元のサーファーなんですけど、種子島出身で試合とかは、すぐに出なくなっちゃって、サーフィンは凄く上手くて。何よりカッコイイんですよね。その人が。グーフィーフッターの兄弟なんですけど。

 

自分の憧れで。その人になりたくて、その人を目指すとかではないんですけど、本当にカッコイイなって思う。竹原兄弟っていうんですけど。その二人が好きなサーファーですね。完全にフリーサーフィンで、自分とは真逆のタイプですね。本当に好きなサーフィンしてという人たちで憧れます。

 

 

6歳離れている姉は尊敬できる人です。

 

 

 

お姉さんの須田那月プロは、どんな存在ですか? 

 

姉とは6歳離れているんですけど、尊敬できる人ですね。結果も残してますし、怪我で長期欠場しても復活して、その後に結果残したりとか。(復帰後の翌年にJPSAグラチャン獲得)努力している姿とかを間近で見ているので、そういう面では『凄いな』と思います。

 

お姉さんからアドバイスをもらったりとかは?

 

サーフィンに関しては全くないですね。(笑)日常生活や社会的なこととか、姉の方が経験していて、自分に持ってないものを持っていたりするので、そういったことは教えてくれたりします。それこそ怪我した時のモチベーションを上げる方法とかも教えてくれたりしてます。

 

お父さんがコーチの仕事をしていると言ったけど、コーチングを受けたりしているの?

 

そうですね。昔よりは受けなくなったというか、アバウトな感じで話し合うような関係になっていますね。今は自分で分析することが多くなって来たんで、こうした方が良いんじゃないとか、軽く言ってもらって、それを自分で分析してやっている感じですね。

 

 

種子島はサーファーにとって温かい島だと思います

 

 

 

種子島ってどんなところ?

 

サーフィン以外の部分でいうと、「宇宙」って感じですね。「ロケット発射」とか。とにかく星とかが綺麗で、色々な場所から多くの人が来られます。自分の家がペンションをやっていて、ここの星は特別綺麗って聞きますね。都会ではないですけど、必要なものは揃うって感じで住みやすい場所だと思いますね。

 

喬士郎くんにとっては、種子島ってどんな場所ですか?

 

種子島を代表してという気持ちはありますね。最初はあまり感じていなかったんですけど、種子島だったらとか周りから言われるようになったり、試合のライブ中継とかで顔や名前とか出て、種子島のサーフィンと言ったら顔を思い浮かべてもらえるような存在になったのかと思ったので、意識する部分はありますね。

 

種子島ってサーファーに優しい島ってイメージがあるんだけど。サーファーと行政や地域住民との関わり合いとかってどう?

 

そうですね。サーフィンのコンテストが行われるようになったり、自分たちがプロとして活動するようになって、地元の方たちにサーフィンというものを知ってもらえるようになって。それからは協力してもらえる感じですかね。地元のサーファーの人も、すごく優しい人が多いので、サーファーにとっては温かい島だと思いますね。

 

 

須田喬士郎
今回BEWETのカタログ撮影に初めて参加した喬士郎

 

 

 

最後に、このBEWETのTEAMに入って何年ですか? 感想とかあれば教えてください。

 

チームに入って3年目です。地元のショップに所属するタイミングでプロになれて、BEWETさんとも契約できることになりました。滅茶滅茶、嬉しかったですね。サポートしてくださっている方も良い方ばかりで、やり易いですし、何と言ってもウエットスーツが最高級に良くって本当に感謝です。

 

 

取材協力:BEWET