日本から隔離なしでオーストラリアへ入国が可能となるのはいつ? 夏のオーストラリア最新SURFNEWS

NOJILAND FILMこと菅野大典氏が、現地からオーストラリアの最新情報を伝えてくれる【SURFMEDIAオーストラリアSURFNEWS】。第17回となる今回は、オーストラリアの入国許可の話、『Woolworths Surfer Grom Comps』、海やビーチに関わる自然が好きな女性のための「Womens Surf Festival」などです。

 

取材、文、写真:菅野大典

 

 

11月のゴールドコースト。

 

晴れた日は気温も30度近くまで上がり、初夏の雰囲気を感じさせてくれます。

毎年夏になると見られるプルメリアも咲いてきました。

週末はどこのビーチでも見られる大人気のサーフレッスン。暖かくなってさらに受講する人が増えて来ています。

しかし先月に続き天気を崩す日が多く11月の大半の日は雨が降り、ゴールドコーストに似つ かわしくない天気が1週間以上も続く週もありました。

 

先月同様に雨続きのビーチ

 

ゴールドコーストやブリスベンといった都市を含むクイーンズランド州の南東地域では、過去4 0年間の11月で最も雨の降った年と記録され、洪水などの自然災害が懸念されました。

 

 

日本から隔離なしで豪州への入国が可能となるのはいつ?

 

 

先月ワクチン接種を済ませた国民とその親族に対し11月から国境を開放する事を発表したスコット・モリソン首相ですが、2021年12月1日からワクチン接種を完了した日本から豪州に渡航する有効なビザを持つ日本国籍者は、隔離なしで豪州への入国が可能となる事を発表しました。

 

これは11月21日に先に発表されたシンガポールからの隔離なしの渡航者受け入れ開始に続くもので、韓国からの渡航者に対しても日本と同様に12月1日から開始すると発表されました。

 

 ※オーストラリア政府はオミクロン株の懸念から、オーストラリアへの渡航を一時停止し12月15日に延期すると発表。オミクロン株に関する情報をさらに収集すると発表しました。

 

ただし、州ごとに法律の異なるオーストラリアなので、この渡航者を受け入れる州は成人ワクチ ン接種率が90%を超えている州である特定の管轄区域のニューサウスウェールズ州とビクトリア 州と首都キャンベラがあるオーストラリア連邦特別区に限られ、もしもこの地域から他の州に入る場合はそれぞれ決められている規制に基づいた措置を受けなくてはなりません。

 

ゴールドコーストのあるクイーンズランド州の成人ワクチン接種率は12月17日に80パーセ ント以上を予定されており、90%以上になるのは1月上旬と予想されています。

 

 

クイーンズランド州政府によるワクチンプラン。成人ワクチン接種率が90%以上になれば、ニューサウスウェールズ州やビクトリア 州と同様に渡航者の受入れを予定してます。

 

 

コロナウイルスと共存する政策に踏み切ったオーストラリア政府は、ワクチン接種を推奨しなが ら経済活動が活発になるように取り組んでいますが、アンチワクチン派の人も多く、デモ活動も 各都市部で行われています。

 

現在ニューサウスウェールズ州ではワクチン証明書を見せなければ、お店(スーパーマーケット 等の生活に必要不可欠なものを除く)やレストランやカフェなど定められた施設に入ることができなくなっており、クイーンズランド州でも成人ワクチン接種率が80%に達するとされる12月 17日より、同様の規制が施される予定にあります。

 

在ブリスベン日本国総領事館より引用:12月17日から適用される規制によれば、クイーンズランド州のワクチン未接種の人は飲食 店のみならず各施設に行くことも難しくなることが予想されています。

 

 

毎日のように規制やプランがアップデートされ変化するので今後どのようになるのかはまだわ かりませんし、新たに発見されたオミクロン株での影響もどのようになるかわかりませんが、今年の夏は海外からの多くのサーファーにゴールドコーストを楽しんでもらえたら嬉しいと個人的には思っています。

 

今年の初めに問題になったテニスの全豪オープンは来年1月に開催予定。サーフィンの試合も多くの観客を伴いながら開催して欲しいです。


 

 

 

 

波の状況は、月の中旬頃までしっかりとしたうねりが入らず、スモールコンディションの日が続 きました。

この時期は風の合うゴールドコースト北側。南側の場所と少し雰囲気も変わって海水浴客も多くいます。

 

他のポイントよりもサイズのあるD-BAH。この時期特有の北風の風波のようなコンディションが多く、いまいちパッとしないコンディションが続いていました。

ようやくしっかりとしたうねりが入ったのは最後の週。南うねりがヒットし、風をかわすポイ ントを中心に多くのサーファーで賑わっていました。

 

11月最後の週の日曜日のスナッパーロックス。曇り空ながらたくさんの人がビーチにいました。

 

『Woolworths Surfer Grom Comps』の 試合が開催。

 

昨年同様コロナの影響でナショナルタイトルのような州をまたぐイベントは中止となってしまい ましたが、州内で行われるイベントは毎週末のように行われています。

ゴールドコーストの最北端に位置するスピットでは『Woolworths Surfer Grom Comps』の 試合が開催。この試合は8歳以下の男女混合、10歳以下、12歳以下、14歳以下の男女のクラスに よる試合がオーストラリア全土で合計10戦行われ、ベスト3戦(10歳以下は2戦)の結果の合計により、12月に行われるナショナルファイナルに進出できるというグロメッツサーファーのシ リーズ戦となっています。

 

ビーチにはたくさんの人が集合。

 

 

会場の移動や日にちの変更をするのがオーストラリアの大会では当たり前。

 

 

オーストラリアで知らない人は誰もいないであろうの大手スーパーマケットであるウールワース がスポンサー。このシリーズ戦とは別に18歳以下のオーストラリアチャンピオンを決める全豪タ イトルの大会のスポンサーもしており、サーフィンに力を入れるオーストラリアの若い世代の底支えをしています。

 

 

波は小波ながらグロメッツにとっては十分なサイズ。

 

この日のゴールドコーストはどこの場所もフラットコンディションでしたが、唯一スピットだけ、まともな波が割れており会場に。きちんとしたサーフィンの試合をする為に会場の移動や日にちの変更をするのがオーストラリアの大会では当たり前の事。選手の気持ちが守られているように感じます。

 

 

この世代は海にエントリーする所まで付き添う親がほとんど
どの家庭も上がってきた選手を暖かく迎える親が印象的でした。
こちらの子はビクビクしているのかな?(笑)
日本からゴールドコーストに移住してきたキョウタロウ君。いいサーフィンをしていました。
どの試合でも見られる健闘を称え合う姿。勝敗よりも大事なものを感じさせてくれます。

 

2歳差ずつのクラス分けですが成長速度によって体格が全然違うこの世代。それでも親も子供も 真剣に試合に取り組んでおり、白熱した大会となっていました。

 

 

Womens Surf Festivalのイベントが開催。

 

 

 

クーランガッタにあるクイーン・エリザベス・パークでは、Womens Surf Festivalのイベントが開催。

 

 

このイベントは年齢に関係なく子供から大人までの女性サーファーのためのイベントで、2016 年のWSLのロングボードチャンピオンであるレイチェル・ティリーリリアナ・バワリーをはじめとするスタイリッシュな女性サーファーのセッションをはじめ、ヨガやビーチクリーンといったアクティビ ティー、サーフレッスン、ロングボードのテクニカルパフォーマンス、海での写真撮影やアートに 関わるワークショップなど、海やビーチに関わる自然が好きな女性のためのイベントとなっていま す。

 

公園内にはエコフレンドリーなサーフブランドやフードトラックが多く出店。

THE MINDFUL SURFER。『サーファーとしての心がけ』と略したらいいのかな?自然と共存しているという事などお話しされて いました。

世界中にコミュニティ団体が広がっているプラスチックを再資源化する『Precious Plastic』の プロジェクト。

飲料水のプラスチックの蓋でこのようなフィンを作ることも可能と見せてくれた。

 

 

オーストラリアではメルボルンやマーガレットリバーにもこのコミュニティが存在しながら、 サーフィンの盛んなゴールドコースト付近に存在していないので、自然と密接なサーファーにサー フィンの有名な地域からこういう活動をしていこうと発足に至ったそうで、プラスチックのリサイ クルによって多くの物が再利用される事を、これからを生きる世代である子供達中心に知ってほ しいと語っていました。

 

 

隣のキラビーチではイベントの一環としてロングボードの大会『KIRRA LONGBOARD KLASSIC』が開催。

 

スナッパーロックスと共にゴールドコーストの代表するサーフポイントのキラは、以前はWSL のCT会場としても使用されており、サイズが上がれば質の高いロングバレルが出現するようなポイントですが、普段はうねりを拾いづらく初心者やサーフレッスンに最適な場所。最近ではロングボードのコミュニティーもでき、ゆったりとした時間が流れています。

 

この時期なのでオンショアになりやすくコンディションはいまいちですが、それでもこの場所の波のポテンシャルは高く、ファンイベントが行われていました。

大人に混じって子供のロングボーダーの姿も。

 

サーフィンを通じてたくさんのイベントが開催されたこのフェスティバル。子供から大人までの 全ての世代が海やビーチという自然を感じる場になり、多くの学びにも繋がるとても良いイベント となっていました。今後もこのサーファーコミュニティーはどんどん発展していきそうです。

 

天気の崩れた日が多く続きましたが、気温も高くなりビーチも賑やかになってきた11月のゴー ルドコースト。12月には新たな政策がまた施され、夏のシーズンがどのようになるのかまだわかりませんが、活気に溢れている様子のオーストラリアからのニュースでした。

 

 

菅野大典オーストラリアのゴールドコーストを拠点にして13年余り。サーフボード・クラフトマンとして働きながら、サーフィン修行のために来豪する日本のサーファーをサポート。写真や動画撮影のほか、昨年は大村奈央の試合に帯同、大会のジャッジやサーフコーチなどマルチに活動している。