【オーストラリアNOW】ロックダウン解除、オンライン・コンテスト、女子大会、オーストラリアン・オープン

NOJILAND FILMこと菅野大典氏が、現地からオーストラリアの最新情報を伝えてくれる【SURFMEDIAオーストラリアSURFNEWS】。第16回となる今回は、ロックダウン解除、ジュニアのためのオンライン形式のサーフィンコンテスト、QUEENS OF THE COASTという女子サーファーの大会、AUSTRALIAN OPEN OF SURFINGなどです。

 

取材、文、写真:菅野大典

 

 

10月のゴールドコースト

オーストラリアの代表的な花であるジャカランダが満開に咲き、初夏を感じさせてくれる季節とな りました。

 

街路樹として至る所で見られるジャカランダ。

 

この時期は、朝方は天気の良い日が続くことが多いのですが、夕方になるとサンダース トームや雹が降ったりとすることが多く、1週間ほとんど雨といった週もありました。

 

普段は賑わう夕焼けの時間帯のビーチもこの通りガラガラ。

 

 

ワクチン接種を済ませた国民とその親族に対し11月から国境を開放。

 

 

悪化を続けていたコロナウイルス状況に対して、今月スコット・モリソン首相はワクチン接種を 済ませた国民とその親族に対し11月から国境を開放することを発表しました。

 

現在オーストラリアではワクチンの接種率が上昇し、2回接種している16歳以上の国民は75%以上。その接種状況から6月26日からシドニーで実施されていたロックダウンが解除され、そして昨年3月から断続的に行われてきていたメルボルンも22日に解除されました。メルボルンでのロックダウン累計日数は実に262日と世界最長の記録。

 

 

接種を完了した海外旅行者に対する検疫の廃止

 

 

長い期間、自由に行動をとることができなかった地域にも、このロックダウン解除にともないレ ストランやお店など運営が再開し、再び経済活動が戻ってきました。

 

2回のワクチン接種率80%以上となっているニューサウスウェールズ州では、11月1日より接種を完了した海外旅行者に対する検疫の廃止することが政府から発表されるなど、州によって政 策は異なるが今までのコロナウイルスの封じ込みの政策から切り替わり、着々と国境を開放する 準備が進められています。

 

これらはワクチンを2回接種した者のみに対する規定となるので、接種をしていない者に対しては未だに厳しい規制が施されていますが、今まで厳しい出入国制限をしてきたオーストラリアにおいて、クリスマスホリデーまでに国民の海外旅行を再開し、海外旅行者や技術のある労働者を受 け入れる国境再開へ大きく踏み出されました。

 

来年の夏のシーズンには海外のサーファーがオーストラリアでサーフィンする事ができそうです。

 

しかし現在は新規感染者数は増加している状況で、ビクトリア州では28日に1923人の新規感染者数と25人の死者を出している状況。

 

ワクチンの接種率上昇で政策が変わったオーストラリアですが、今後どのような状況になるのかわからない部分もあります。

 

地形のいい場所を中心に楽しめる日が続いた。

 

 

波の状況は例年なら北風が吹くことが多く、コンディションが良くない時期なのですが、今年の10月はサイズの残る日も多く、地形のいい場所を中心に楽しめる日が続いていました。

 

毎日のように波があるD-BAH。10月にしてはいいコンディションの日が続きました。

 

カメラを出した時に明らかにレベルの違うサーファーがライディングしていると思ったらイーサン・ユーイングでした。

 

慌ててしまって、フォーカス合わず。スピードとラインどり、他のサーファーと桁違いのサーフィンをしていました。
ちょうど海から上がってくる時で、海上がりも真剣な眼差しで波を見ていました。

コンパクトな波ながらチューブも出現。
ハイエアーを決めるデイビット・ブルグ。
クラッシュして揉めているサーファーの姿はいつも通り。D-BAHは1年中混雑しています。

 

ジュニアのためのオンライン形式のサーフィンコンテストが行われた

 

 

9月13日から10月29日まで”YETI AUSTRALIAN JUNIOR ONLINE SURF CHAMPIONSHIPS”というオンライン形式のサーフィンコンテストが行われていたため、ブルーの ステッカーを貼っているキッズをよく目にしました。

 

ブルーの ステッカーを貼っているキッズ

 

 

このオンラインコンテストは、オーストラリアの14歳、16歳、18歳以下の男女のディビジョン 180名の招待選手のライディング映像の投稿によって競われるもので、ラウンド1を勝ち上がっ たそれぞれ男女のディビジョン15名づつの選手がファイナルラウンドに進出し、10月6日から 10月26日までの期間の撮影映像で競われました。

 

選手は過去の映像を使うことはできず、それぞれ配られたステッカーを板に付けて期間内に撮 影していなければならなくて、レギュラーの波とグーフィーの波それぞれ1本づつ、正面から撮影 していること、再生速度を変えてはいけない、音楽をつけてはいけない、ジェットスキーアシスト禁止、などといった細かい規定がしっかりと決められています。

 

 

いい映像を残そうと子供もビデオを撮る親も必死。

 

 

地域によって波のクオリティに差もあるので完全に平等かどうかはわかりませんが、コロナウ イルスの影響によってサーフィンも新しい形でのコンテストが広げられています。

ジャッジにはオリンピックゲームのジャッジでもあるグレン・エリオット含む3名により点数が つけられ優勝者が決定。

男子14歳以下には今後注目を集めているマックス・マックジルブレイ、女子16歳以下にはマー ガレットリバーで行われたCTのワイルドカードで出場したウィロー・ハーディーなどの選手が優 勝を飾っていました。

 

各ディビジョンの優勝者は以下の通り

 

U18MEN ジャービス・アール
U18WOMEN ケイラ・ブクピット
U16MEN ウィル・ブルーマー
U16WOMEN ウィロー・ハーディー
U14BOYS マックス・マックジルブレイ
U14GIRLS サラ・ヒックソン

 

オフィシャルサイト

 

 

「QUEENS OF THE COAST」という女子の大会が開催。

 

 

10月17日には”QUEENS OF THE COAST”という女子サーファーの大会がMNMボードライダー ズによって開催されました。

 

この大会は真剣勝負というよりもボードライダーズの交流試合といった感じの試合で、スナッパー ボードライダーズ、バーレーボードライダーズ、ノースエンドボードライダーズ、パームビーチボー ドライダーズとホストクラブのMNMボードライダーズの5つのクラブが参戦し行われました。

 

 

イチゴとサヤカ

 

パームビーチボードライダーズの代表の西村イチゴとノースエンドボードライダーズ代表の村松爽香。2人共最近コンテストはあまり、、、と敬遠していたけど、このようなファンイベントは大好き。久しぶりにジャージを着たと話しながら二人とも見事ファイナルへ進出。

 

ファイナルの前になれば真剣な顔つきに、、、と思ったら、
リラックスしすぎてゼッケンの色間違えて慌てて交換して海に向かっていました。
波は1ftのオンショアコンディション
OPENクラスで2位のスナッパーボードライダーズ代表ラヤ・キャンベル。
オンショアの波の悪いコンディションながら、相変わらず綺麗なサーフィンを披露するサヤカ。
ファイナルでは対戦相手を圧倒し見事に優勝したサヤカ。昨年度はグランドスラムにワイルドカードで出場しステファニー・ギルモアと対戦。そのあと個人の試合には参加しなくなったが、サーフィンの技術はとても高くクラブの信頼も厚く認められた存在となっている。

チーム優勝はどのディビジョンも隙のない選手が揃っているスナッパーボードライダーズ。馬庭彩 もこのレベルの高いクラブの代表として選出されています。

チーム2位となったバーレーボードライダーズの代表コーチには相澤日向の姿が。こうしてみると、どのボードライダーズの代表にも日本人選手が選ばれていて、オーストラリアでも認められている 存在になっているのがわかる。

ちなみにこのMNMボードライダーズのジャッジブースは車で引っ張られてきたトレーラー。

スピーカーも配備されておりサーフィンの大会専用のものとなっています。富裕層が多く住むエリアなので、いろいろな発想とお金のかけ方がすごい。地域ごとにあるボー ドライダーズですが、同じゴールドコーストの中でもそれぞれ特色があります。

 

 

マイアミビーチでAUSTRALIAN OPEN OF SURFINGの大会が開催。

 

 

続く翌週には、またしてもマイアミビーチでAUSTRALIAN OPEN OF SURFINGの大会が開催。こちらの大会は、昨年度より試合の少なくなった選手に、練習の場となるよう開催されるようになった、まさに真剣勝負のシリーズ戦。

 

相澤日向、黒川楓海都、瀬戸優貴、沖本拓海、馬庭彩の5名の日本人選手が参加。

 

試合前に波のコンディションを確認するワーキングホリデービザで滞在中のマサキとタクミ。レベルの高い試合でも誰もがチャレンジ できるのがこのシリーズの魅力。
2-3ftの波数の少ないコンディション。
コーチであるマイケル・クリスプと朝早くから会場入りし準備を進めてきた馬庭彩。

馬庭彩は、セミファイナルで敗れ惜しくもファイナルに進出できなかったが、あいかわらずの試合巧者ぶりを 発揮。今後もどのように躍進していくのか楽しみです。

同じくマイケル・クリスプにコーチを依頼し試合に望んでいたカイト。ラウンド1では終了間際に 大逆転劇をし、ラウンド2では8.5ptのエクセレントライドを出すなど、とても収穫の多い大会となった様子。11月からは拠点をサンシャインコーストからゴールドコーストに移し、試合に対してさらに貪欲に活動するとの事。

先に行われたサンシャインコーストのシリーズ第1戦では最後の最後に逆転されたが見事準優勝 に輝いた相澤日向。安定したサーフィンで勝ち上がるもクウォーターファイナルでは激減した波数 にうまく対応できずに敗退。

それでも質の高いターンにはジャッジからの評価も高く、1ターンながら6点台をスコアするなど 高いポテンシャルを披露してくれた。

ダイナミックなサーフィンを披露するヒナタ。

 

同世代の仲間たちがチャレンジャーシリーズで活躍しているので、自分の試合にも熱が入ると話 していた相澤日向。遠く離れている所でも改めて仲間の存在は大きいと感じました。個人競技でありながらお互いを高め合う意味で普段ともに練習する仲間や環境というのはもの すごく影響の強いことと感じます。

 

 

シリーズ第1戦の優勝者のマーロンは今回もファイナルに進出し4位の結果。

 

最近メキメキと力をつけ結果を出しているサンシャインコーストのタジ・ストークス。ファイナルでは優勝する勢いのサーフィンで あったが惜しくも3位。
今までなかなか結果がついてこなかったが今大会素晴らしいサーフィンを披露し2位となったトーマス・カルバルホ。いつも海で見か ける努力家の選手で結果が付いてきて嬉しいです。
セミファイナルでは今大会のハイエスとスコアとなる9ptをメイクしたホリー・ウイリアムス。ファイナルでは惜しくも敗れ2位の結 果。
見事優勝したエリア・スミス。コンディションのかわったファイナルでは1人波が見えていて高得点を連発した。
メンズの優勝者は元CTサーファーであるベテランのネーサン・ヘッジ。最近は食事を変えたり、肉体改造をしたりとしているようで、42 歳という年齢ながらキレキレのサーフィンと、ベテランならではの波を見つける嗅覚を見せつけてくれた。

 

 

 

強いオージーサーファーの復活を目指す。

 

 

現在CTの舞台で活躍するイーサン・ユーイングやジャック・ロビンソンといった注目を浴びる 選手と共に今年新星のごとく現れ、世界5位となったモーガン・シビリック

 

チャレンジャーシリー ズ最終戦の結果にもよりますが、たくさんのオージーサーファーがクオリファイすることが期待されており、リアム・オブライアンやキャラム・ロブソンといった20台前半の選手が新たにCT に加われば、ミック・ファニングやジョエル・パーキンソンといった選手が活躍していた時代が戻ってくる予感がします。

 

 

試合後は必ずといってもいいほど選手同士でお互いを称え合う光景が目につくオーストラリアの試合。これは何年も前の時代からグロメッツの試合でも見られる光景で、オーストラリアの選手同士の絆というのは、ものすごく強い。また選手だけでなくサーフィン業界も協力的でオーストラリア 全体が一丸となって強いオージーサーファーの復活を目指しているように感じます。

 

近い将来また世界チャンピオンが生まれる期待がもてるオーストラリアの雰囲気、そんな事を感 じさせてくれる10月のオーストラリアのニュースでした。

 

 

 

菅野大典オーストラリアのゴールドコーストを拠点にして13年余り。サーフボード・クラフトマンとして働きながら、サーフィン修行のために来豪する日本のサーファーをサポート。写真や動画撮影のほか、昨年は大村奈央の試合に帯同、大会のジャッジやサーフコーチなどマルチに活動している。