WSLのジェシー・マイリー・ダイアーが、CS最終戦に向けて「ダブルクオリファイ」ルール変更について説明

五十嵐カノア WSL/morris

2021年チャレンジャーシリーズの最終戦となるハレイワ・チャレンジャーが間近に迫る中、”ダブルクオリファイアー “と呼ばれるサーファーに関連して、重要なルール変更が行われたとWSLが公表した。

 

すでに一部のネット記事で話題となっていた「ダブルクオリファイ」の件だが、今回はじめてWSLがオフィシャルにHP上でこの件に関して触れた。

 

 

ダブルクオリファイアーとは、CTでのパフォーマンスと、以前はQSと言われるクオリファイ・シリーズとして知られていた予選イベントの両方でチャンピオンシップツアーへの出場権を獲得するサーファーのことを指すが、今年は新たにチャレンジャーシリーズに組み込まれた。

 

毎年、チャンピオンシップ・ツアーの男子上位20名と女子上位9名が、翌年のCTシーズンにリクオリファイする。今年は、CTサーファーである五十嵐カノアをはじめとする一握りのサーファーが、チャレンジャーシリーズでも十分な成績を収め、CSからも同時出場権を獲得して、”ダブルクオリファイ “となった。

 

これまでは、ダブルクオリファイのポジションは、CS(昨年まではQS)ランクの次点のサーファーに与えられていたが、2021年から新たにWSLのツアー&コンペティション事務局は、CT資格の割り当ては枠内の人だけと表明。つまり、チャレンジャーシリーズからは、男子上位12名、女子上位6名のポジションのみということになっていた。

 

もし、CSランクの中にダブルクオリファイのサーファーがいたとしたら、そのサーファーのポジションは、チャレンジャーシリーズの次点のサーファーではなく、ツアー&コンペティション事務局の判断でWSLがワイルドカードを発行して決定するというもに変更になっていた。

 

 

しかし、チャレンジャーシリーズ中に寄せられたサーファーからの意見を受けて、ツアー&コンペティション事務局は先週、このルールを正式に改正し、チャレンジャーシリーズのリーダーボードにダブルクオリファイがいた場合、そのポジションはCSの次点のサーファーに与えられるという元の状態に戻った。

 

現在、2人のチャレンジャーシリーズサーファーがダブルクオリファイとして12位以上に位置している。1位の五十嵐カノアと9位のグリフィン・コラピントで、2つ下の14位のサーファーまでクオリファイの順位が下がることになった。この状況で、レオナルド・フィオラバンティは現在14位で、ダブルクオリファイになるため、さらにラインは15位のCSサーファーまで下がることになる。

 

 

WSLのシニア・ヴァイス・プレジデント兼コンペティション・ヘッドであるジェシー・マイリー・ダイヤーは、現在女子のドローにはダブルクオリファイがないため、男子のリーダーボードを例にして、この件について以下のように語っています。

 

 

NEWCASTLE, AUS - APRIL 9: Jessi Miley-Dyer of Australia calls the womens Quarterfinals of the Rip Curl Newcastle Cup presented by Corona on, on April 9, 2021 in Newcastle, Australia. (Photo by Matt Dunbar/World Surf League via Getty Images) Jessi Miley-Dyer, SVP and Head of Competition for the WSL. – WSL / Matt Dunbar

 

 

チャレンジャー・シリーズのリーダーであり、2022年のCTサーファーとして確定している五十嵐カノアを例に、これまでのクオリファイ・ルールと今回のルール変更をわかりやすく説明すると?

 

 

「カノアは、このルールがどのように機能しているかを示す、とても良い例です。今年、カノアはすでにチャレンジャーシリーズで出場権を獲得しています。彼はランキング1位であり、必要であればチャレンジャーシリーズでの出場権を得るために十分なポイントを獲得できることがわかっています。

 

しかし、彼はチャンピオンシップツアーでのパフォーマンスですでに出場権を獲得しているので、彼は二重の予選通過者と言えます。

 

これまでのルールでは、男子選手が2022年に12名のサーファーを予選通過させる場合、カノアがトップでCTの出場権を獲得していることがわかっているので、ランキングは13位まで下がることになっていました。

 

最近になって、つまりパンデミックが起こる前のことなので、かなり前のことになりますが、枠内の選手にしか出場権を保証しないというルールを導入しました。

 

つまり、1位から12位までのサーファーにのみ出場権を保証するということです。カノアを例にとると、提案されていたのは、必ずしもランキング13位までを出場させるわけではなく、その枠をWSLのワイルドカードとして復活させるというものでした。

 

そして、そのワイルドカードを13位のサーファーに使用するか、怪我のために再認定を受けていないチャンピオンシップツアーの高ランクサーファーに使用するかを検討することになります。

 

 

ルール変更のきっかけは?

 

 

「ヨーロッパでは、このルールについて多くのサーファーからのフィードバックがありましたが、そのフィードバックはとても公平なものだったと思います。かなり多くのサーファーと良い話し合いができました。

 

ツアーとコンペティションを代表して、私たちは、このルールが意図しない結果をもたらしたこと、また予期せぬストレスがあったことを理解しています。このルールが適用されたのは今年が初めてで、リアルタイムで見たことがありませんでした。

 

そのため、いただいたご意見をすべて検討した結果、今年このルールを使用するのは正しいことではないと考えています。

 

今後は、このルールをチャレンジャーシリーズのサーファーたちにどのように適用するかを検討し、将来的にどのように使用するかをまとめていきたいと考えています。

 

今年のチャレンジャーシリーズでは、上位12名のサーファーを対象に、その前にCTサーファーがいるかどうかに関わらず、予選を行うことになりました。

 

カノアを例にとると、13位のサーファーまで、あるいはトップ12に何人のCTサーファーが入るかに応じて、必要な数のスポットを獲得することを約束します」。

 

今シーズンのCSからハワイのイズキール・ラウとガブリエラ・ブライアン、そしてコスタリカのブリサ・ヘネシーが、2022年のチャンピオンシップ・ツアーへの出場が確定している

 

 

チャレンジャー・シリーズでは、2022年に開催されるエリート・チャンピオンシップ・ツアーへの進出を目指してサーファーたちが競い合います。4つのイベントが凝縮された今シーズンでは、男子はトップ12に入ること。女子の場合は、トップ6に入賞すれば、CTへの出場権を得ることができます。2021年のCSスケジュールは、今年11月にオアフ島のノースショアにあるハレイワで開催される1つのイベントが残っています。

 

2022年のWSL CTは、7カ国で10のレギュラーシーズンイベントが開催され、1月にはハワイのパイプラインで、初の男女合同イベントが開催されます。CTは、男子では24年ぶり、女子では初めてのCTとしてインドネシアのG-LANDで行われ、8月にはタヒチのチョープーで締めくくられ、9月にはWSLファイナル5の男女サーファーが世界タイトルをかけて対決する、2年目のリップカールWSLファイナルが開催されます。

 

 

https://www.worldsurfleague.com/posts/492293/jessi-miley-dyer-talks-double-qualifier-rule-change-heading-into-final-challenger-series-event